近年、共働きの夫婦が一般的になる中で、意識的に子どもを持たない選択をする夫婦も増えてきています。少し前の日本では、結婚して子どもを持つことは自然な流れとして捉えられていましたよね。しかし、ここ数年で様々な生き方や価値観のもと「子どもを持たない」選択をする夫婦もめずらしくなくなりました。
この記事では、子なし夫婦の特徴やメリット・デメリットについて解説します。これから家庭を持ったり、結婚しているけれど将来のことを考えたりしたい女性は、参考にしてくださいね。
実際に現在の日本において、子なし夫婦はどのぐらいいるのでしょうか?国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、結婚してから5年~9年経過した時点で子どもがいない夫婦の割合は、1977年では4.2%だったのに比べ、2021年では12.3%という結果になっています。
この割合は、この先も増加すると予想されており、子なし夫婦を選択する人達も増えることが考えられます。
参照
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査 48p(4.2% 12.3%)
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16gaiyo.pdf
では、子どもを持たない夫婦の特徴にはどういうものがあるのでしょうか?予想されるいくつかの共通点を以下に紹介します。
子なし夫婦の大きな特徴として、お互いに子どもを持つことの必要性を感じていなかったり、もともと子どもが欲しいという考えがなかったりする場合があります。「結婚=子どもを持つ」という価値観がないという夫婦は、自然と子なし夫婦を選択する傾向が強いと言えるでしょう。
子なし夫婦の多くは、夫婦2人だけの生活が非常に快適で、満足してしまっているケースが多いものです。そのため、子どもを持つことで、今までの生活スタイルを変えたくないと感じている人が多い傾向にあります。
例えば、幼い頃から子どもがいる生活の良さが感じられなかったり、子どもがいることで何かと制限をされてきたりといった家庭環境で育った人もいるでしょう。つまり、子ども中心で生活が回っていくことに対して、前向きなイメージが持てなかった場合は、「自分は結婚しても子どもはいらない」という思いが生じやすいと言えます。
子なし夫婦は現在、子どもを持つ夫婦より割合は少ないですが、決してネガティブなことではありません。子どもを持たないからこそ、見えてくる世界が大いにあるのです。
結婚をして子どもを持つと、当然それなりにお金がかかってきますよね。しかし、夫婦2人ならば、予想外の出費が起こりにくいので、経済的な余裕ができるというメリットがあります。
子どもがいると、どうしてもパパ・ママという役割が出来上がり、いつの間にか恋人という関係性から家族という関係性に変化していくものです。しかし、子なし夫婦は恋人の時のような関係性をそのまま維持できるでしょう。休日には2人でデートを楽しんだり、一緒に趣味に没頭したりが出来ます。
特にこれは女性側に言えるかもしれませんが、女性は結婚して子どもが生まれると、どうしても子育て優先になってしまうので、仕事でのキャリアを諦めなくてはならないケースがありますよね。
しかし、子なし夫婦の場合は結婚後もそれほど生活スタイルが変わらないので、仕事でキャリアアップするために時間を割くことが可能です。
子なし夫婦の場合、老後までの生活設計がたてやすいという特徴があります。最初に挙げた経済的に余裕ができるというメリットにも通じますが、夫婦2人での生活では自分たちに使えるお金に余裕が生まれますし、お金の使い道なども2人だけで話し合って決めることも出来ます。
子なし夫婦には数多くのメリットがありますが、場合によっては否定的な問題も存在します。メリットと合わせてデメリットな面も見て行きましょう。
最近では、子なし夫婦を選択する人が増えていますが、全体から見るとまだまだ少数派であると言えます。そのため、「なぜ子どもを持たないのか?」という疑問をぶつけられる機会が多くなりがちです。家族や友人などからなかなか理解が得られないケースが多い点がデメリットとして挙げられます。
若い時は、夫婦2人だけでお互いに自立もしているので、生活面での不安はそれほどないと思います。しかし、だんだんと年齢を重ねていくと、子どもがいないことで老後の生活面での不安が出てくるケースもあると言われています。
例えば、体の自由がきかなくなった時に、どのようにして生活をしていくか、誰に面倒を見てもらえばいいかなどの心配が生じる点がデメリットかもしれません。
子なし夫婦は、結婚後も恋人時代のような関係性を維持できます。一方、子どもがいない分、家族としての意識が形成されにくく離婚へのハードルが低くなるという可能性もあります。
お互いに兄弟姉妹がいる場合は、自分たちに子どもがいなくてもプレッシャーは少ないかもしれません。ただし、どちらも一人っ子あるいは兄弟姉妹が結婚していない場合は、親に孫の顔を見せてあげられないという悲しい気持ちが強くなるケースがあるようです。
今後も、「子なし」を選択する夫婦は増えていくことが予想されます。少し前まで、子どもを持たない生き方は、どこか肩身が狭いと考えれられてきました。しかし、令和に入り、「子なし夫婦」は人生のひとつの選択肢となったのです。そのため、周りの意見を気にするよりも、夫婦がお互いに納得できる家族の形を築いていけると良いですね。
Written by 久木田(くきた)みすづ