「余計なお世話」は日常生活でよく見かける行動の一つです。お世辞にも周りから好感を持たれるものではないのに、なぜ人は余計なお世話を焼こうとするのでしょうか?
この記事では、余計なお世話をする人の心理から、思いやりとの微妙な違い、さらにその対処法について掘り下げてお伝えします。
周りのお節介焼きの人との関係性に悩む人、自分が余計なお世話を焼いていないか不安な人は、より良い人間関係を構築するため、参考にしてみてください。
「余計なお世話」といえば、される側にとっては嫌なことだと想像がつきますよね。にもかかわらず、果敢にお世話しようとする人の心理とは、どういったものなのでしょうか。
まずはとにかく人の世話を焼くのが好きだという場合。お節介焼きの人とも言えますね。
人のために何かをする、その結果喜んでもらうのが好きという性格の人がここに当たります。
当然「相手のため」を思っての行動で、よかれと思って散らかった他人のデスクを片付けてみたりするわけです。
しかしされた方にしてみれば、勝手に片付けられたことによりどこに何があるのかわからなくなったりします。これが典型的な「余計なお世話」です。
承認欲求が強く、周りに認められたい、良い人と思われたい気持ちから余計なお世話に走るパターンもあります。
この場合は相手のためを思ってというより、ベクトルが「自分」に向いているため、より的外れの行動に出がちです。
まったく求められていないのにもかかわらず、自分の評価を上げたいがためにそれっぽい行動をして、結果的に評価を落とすという悪循環に陥ります。
せっかちな人も、余計なお世話を焼きがちです。これは、本人がせっかちだと周りがもたついているように見えてしまい、「手を貸さなきゃ」と考えるため。
しかし当然のごとく人によってペースがありますから、事情を考慮せずに急かしたのでは良い感情は持たれません。
急かした結果、良い成果に結びつかなければなおさら「あの人のせいで」と後ろ指を指される原因になるでしょう。
余計なお世話と思いやりは、とても似ています。似ていますが、非なるものですよね。
この違いはどこにあるかと言うと、「受け取り側の気持ち」です。
お世話を焼く側からすれば、ほとんどが「思いやり」だと思ってしていること(中には、思いやりの振りをして嫌味を言うケースもありますが)。
しかし受け取る方がそれをネガティブに受け取ると、それは思いやりでなく余計なお世話になるのです。
このため、もし他人の世話を焼く場合は、「それを本当に相手が望んでいるのか?」をよく考える必要があります。
もしそこを検討せず、「やってあげてるんだから、ありがたがってくれるはず」という気持ちでいると、知らず知らずのうちの相手に嫌な思いをさせることになります。
では、余計なお世話をしてくる人に対してはどのように対処したら良いでしょうか。
世話焼きの人だって、誰彼構わずフルスイングで世話を焼くわけではないでしょう。世話を焼きやすい人、焼きにくい人がいるはずです。
なるべく世話を焼かれにくいポジションにいるためには、問題の人物と深く関わらないことが一番。適度に距離を取り、密にコミュニケーションを取らないように気をつけましょう。
相手に情報をあまり渡さない、ということも大事な予防策です。
例えば「もう何年も彼氏がいない」なんて情報を渡してしまったら、「○歳までに結婚しないと大変よ!」「いい人知ってるから、紹介してあげる!」などなど、お節介が加速してしまう恐れがありますよね。
そういった窮地に立たされないためには、自分のことをあまり伝えないように注意することが大切です。
もし相手から余計なお世話を焼かれたら、たとえイラッとしても真正面から取り合わないことが重要です。
要は、スルーしましょう。
例えば「○歳までに結婚しないと……」と小言めいたことを言われた場合、「なんであなたにそんなこと言われなきゃいけないんですか!?」と反論したい気持ちをぐっとこらえ、「そうですね~アハハ」と流すのです。
そうすればそれ以上会話が広がるのを防ぎ、相手にとっては暖簾に腕押し状態。お世話の焼き甲斐がないと判断してくれるかもしれません。
余計なお世話を焼いてくる人は、「よかれ」と思って言っていることがほとんどです。
自分の言動が、相手の迷惑になっているとはつゆほども思っておらず、むしろ「いいことした~」と満足感すら抱いています。
そのため、ビシッと「迷惑です」と伝えることで、相手の目を覚ますことができます。余計なお世話だったと認識すれば、その後の行動を改めてくれるかもしれません。
ただしそれにより、相手との関係が気まずくなる可能性もゼロではないため、若干の勇気と覚悟は必要になります。
余計なお世話をする人の心理はいくつか考えられますが、彼らの行動が「思いやり」であるか「余計なお世話」であるかは、受け取る側の感じ方に大きく依存します。
したがって、この問題を解決するには、共感力や相互理解が鍵となります。
まずは、自分自身が余計なお世話をしないように気をつけましょう。
一方で、余計なお世話をされてしまった際の対処は、今後の付き合いなども考慮しながら慎重に選択することをおすすめします。
Written by 七尾なお