計算高いといった意味合いで使われる「あざとい」と、「可愛い」と合わせた言葉=『あざと可愛い』。ひと昔前は「小悪魔系」などとも呼ばれていました。
女性には嫌われるが男性にはモテる。だからますます女性受けが悪い。そんな『あざと可愛い女子』の現状はどうなっているのか、また男性の意見は? そのあたりをレポートします。
https://twitter.com/tenchim_1119/status/1663086027991552001?s=20
2023年5月29日、タレントでYouTuberのてんちむさんがTwitterでこのように発言し話題になりました。
リプライを見ると、「かっこいい!」「ついていきます」といった肯定的な意見が多く見られる反面、「あざとくてもいいから優しい女の子がいい」といった意見も見られました。
ぱっと見た感じ、女性の方が概ね好意的にとらえており、男性はそこまででもないのかな、という印象を受けました。
「小悪魔」「ぶりっこ」など、歴史とともに呼称は変化していますが、いつの時代も変わらないのは、『女性には嫌われる』ということ。対して、男性はわりと好意的に見ている、というか、積極的に「好き」まであります。
男性に「あれはわざとやっているわけだが、それについてどう思う?」と尋ねてみたことがありますが、答えはとてもシンプルでした。「わざとでも、それが可愛ければOK」
正直その回答を聞いたときははらわたが煮えくり返る思いでした。ピュアに騙されているならいざしらず、それが計算だと知ってなお「可愛ければOK」と言ってのける。あざと女子のその計算高さを苛立たしく感じたり、そういうのはないの? ねえ??
……と思いましたが、これはあくまで女性側の感覚のよう。上述のてんちむさんのTwitterへの反応を見ても、そのように考える男性(男性に限らずですが)は一定数いるようでした。
ではここで、そもそもあざと可愛い女子とはどんな女子なのか、改めておさらいしておきましょう。
ワンピースやフリルスカートなど、女性らしい服装を好みます。デザインは体のラインにフィットするものより、ふわふわと広がるものが多い印象です。スタイルとしては、クールでもエレガントでもカジュアルでもなく、キュート全振り! といったところでしょうか。
色はピンク、黄色、水色などのパステルカラーを好みます。白っぽい服もありですね。逆に黒などの暗い色、ビビッドすぎる色などは避ける傾向にあります。
何よりも「可愛い自分」が好きなので美意識は高め。常に自分を可愛く見せるために努力を惜しみません。あざといとは計算高いとも言い換えられますが、賢く戦略を立てられないと、計算高く振る舞うことはできません。
あざと可愛い女子は、ふわふわ優雅に見せていても、水面下では必死に足を動かしている白鳥のようなところがあります。
あざと可愛い女子は、ちょっとしたお願いをするのが上手です。相手が嫌な気持ちにならないように、うまく誘導できるスキルを持っています。
お願いされた方も喜んで引き受けているフシがあるので、どちらにとっても平和な状態といえるかもしれません。場合によっては、あざと可愛い女子がいてくれた方が場がスムーズに進行する、なんてこともあるかもしれませんね。
わがままというと、どうしてもネガティブなイメージがあります。が、あざと可愛い女子にとってはわがままなんてお手の物。お願い上手なのと同様、相手がむしろ自分から「もっとわがまま言っていいよ」と言いたくなる存在、それがあざと可愛い女子です。
ここまで、いわゆるテンプレあざと可愛い女子の例を挙げました。しかし、果たして今の時代、こんなステレオタイプなあざと可愛い女子がどれほど存在するのかはやや疑問が残ります。
もちろん、内面的な部分でのあざと可愛い女子は存在するでしょう。甘え上手でお願い上手。わがままも可愛く言えちゃう! というタイプは、令和の時代であってもきっと男性を手玉に取っているはずです。
問題は服装です。ここ数年はシンプルなテイストのファッションが流行しています。パステルカラーのフリルスカートを履いている女子って、ちょっと浮かない? というのが率直な感想です。街行く人を見てもあまり見かけないような……。
ということは、令和のあざと可愛い女子の服装は、従来の常識からアップデートされている可能性がありますね。
時代が変わっても、人間が根底で求めることってそうは変わらない気がします。
そういう意味では、男性はたとえ計算だとわかっていても、それを全部飲み込んであざと可愛い女子を単純に「可愛い」と思う。その結果、やっぱりあざと可愛い女子はモテるのでしょう。
けれど最近、社会は多様性を重視しつつあります。男性に好かれるためのファッションを身に着け、好かれるための振る舞いをするのではなく、「自分が好きだから」という軸で行動する方が、もっとハッピーになれるかもしれませんね。
Written by 七尾なお