「なんか太ったよね?」
「なんで別れたの? 彼氏いないなんて寂しいね」
職場や学校、恋愛などにおいて、そんな無神経な発言に傷ついた経験がある方も多いのではないでしょうか? しかし、職場などでは特に無神経な人とも関わらなければいけないケースが多くあり
ます。無神経な言葉に傷つかないようにするためには、無神経な人の心理や特性を理解したうえで、最低限の付き合いを心がけることが大切です。
そこでこの記事では、無神経な人の特徴や心理をご紹介するとともに、無神経な人との傷つかない接し方をご紹介します。無神経な人に振り回されずに過ごせるようになるよう、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
無神経な人とは、気持ちを想像する感覚が鈍く、周囲の人の気持ちに配慮できない人のことを言います。「鈍感」「デリカシーがない」「自己中心的」「空気を読めない(KY)」などとも表現されることが多いです。
英語では、無神経なことを「sensitive(センシティブ・繊細)」の反対語である「insensitive(インセンティブ)」と表現します。つまり、「繊細ではない人」という意味になります。
無神経な人には、以下のような特徴があります。
【無神経な人の特徴】
・思ったことをそのまま口にする
・触れてほしくない事柄に触れる
・他人の話に共感しない
・自分の話したいことや聞きたいことを優先する
・状況判断ができない
・人を卑下する発言がおもしろいと思っている
・自分が正しいと思い込んでいる
・距離感が近い
・根拠のない自信がある
これら10 の特徴について、以下に詳しく解説します。
無神経な人は、思ったことをそのまま口にします。例えば、以下のような経験をされた人も多いのではないでしょうか。
・コンプレックスに感じている外見について指摘された
・傷ついているのに、傷をえぐるような発言をされた
無神経な人は、配慮することが苦手です。そのため、人がコンプレックスに思っている点も平気で指摘してしまうことがあります。「背が低い」「太ってるね」など、思ったことをそのまま口にしてしまうのです。
また、他人が傷ついているかどうかを察することができないため、配慮をせずに普段通りの言動をしてしまうことがあります。彼と別れたばかりなのに自分の恋愛の自慢話をするなど、空気を読めない言動をしてしまうため、無神経・デリカシーがない人と思われてしまうのです。
「これを言ったら相手が傷つくかも」という予想の前に思ったことを口にしてしまうのは、無神経と思われる人の特徴でしょう。
無神経な人は、「普通は配慮して聞かないだろう」という質問も、気にせずズケズケ聞いてしまいます。例えば、以下のような話題は、相手との関係性や状況を考え、慎重に聞く人が多いはずです。
・年収について
・家族などプライベートな話題
・恋愛事情
・性の話題
無神経な人の場合、これらの質問も自分の興味のままに聞いてしまう傾向があります。一般的な感覚が欠如しており、なぜ相手が嫌がるのかもわかっていません。
無神経な人は、共感力や想像力が乏しい傾向にあります。そのため、普段の会話でも他人の気持ちに共感できず、無神経な発言をしてしまうことがあります。
例えば、恋愛で悲しくて落ち込んでいるときに、「なんでそんなに悲しいのかわからない。次の人探せばいいじゃん」などと平気で発言します。
その発言によって相手が傷つくことが想像できないのです。
また無神経な人は周囲の人に興味がない傾向があるため、人の話を聞くよりも自分の話を話半分に聞くケースも少なくありません。そうした言動が自己中心的で空気を読めないと評価されてしまうのです。
無神経な人は人に興味がないことは自覚できても、無神経発言をしているとまでは自覚することが難しく、人に指摘されるまで自分が無神経な発言をしているとはなかなか気づくことができません。
無神経な人は自己中心的な傾向があり、相手よりも自分の話したい事や聞きたいことを優先しがちです。そのため、自分が話したいからと自慢話ばかりしたり、自分がおもしろいからと秘密を平気でばらしたりします。
深刻な悩みや人の失敗談など、あまり話してほしくない内容でも、誰かが傷ついたり恥をかいてしまうことは無視して、自分が話したいかどうかで決めてしまいます。
無神経な人は、状況に合わせて会話の内容を考えることが苦手です。そのため、場にそぐわない発言をしてしまうこともよくあります。例えば、結婚式で他の人の離婚の話をしたり、仕事の場でプライベートの話を細かく聞いてきたりなど、「今する話じゃないだろう」という内容を平気で話します。
他人の表情や気持ちを想像できないため、グループのなかで1 人だけペラペラしゃべり続ける…… などということも少なくありません。
無神経な人は、自分の発言を「ブラックジョーク」や「いじり」だと思っていることも少なくありません。
「デブだから仕事も遅いんだねw」などの発言を笑いながら言うような場合、実際には相手が傷ついていることに気付かず、本人はジョークのつもりで言っている可能性があるのです。
無神経な人は、お笑い芸人同士のやり取りでおこなう「いじり」のつもりで、他人を傷つける発言をします。そのため、自分が他人を傷つけているとはまったく気付かないのです。
無神経な人は主観の視点に偏りがちなため、自分が正しいと思い込む傾向があります。そのため、他人のアドバイスに耳を貸さなかったり、不都合なことが生じても自分は悪くないと思い込んだりします。何かあっても謝らないことが多いでしょう。
無神経な人は、普通の人と比べて距離感が近いことも多いです。これは人の気持ちに鈍感なためです。距離感が近いことで他人が不快に感じていることを感じ取れず、自分にとって最適な距離感で接してしまうのです。
無神経な人は、根拠のない自信があることも少なくありません。自分は他人よりもできる人間だと思っているため、過剰にアドバイスをしたり、上から目線で物を言ったりしてしまうのです。
自信があるため自分が正しいと思い込みやすく、他人の意見を聞けない頑固な側面もあります。
無神経な人と接していると、「なんでこの人は平気でこんなことを言うのだろう?」と不思議に思いますよね。そこで、ここでは無神経な人の心理をご紹介します。
無神経な人は、悪気なく発言していることがほとんどです。そもそも、あなたを傷つけていることに気付いていないでしょう。コンプレックスをえぐるような発言は、本人にとっては場を和ませるつもりだったと
いうことはよくあります。
鈍感であり、自分の感覚でしか物事を考えられないため、その発言で相手がどう感じるかを想像もできないのです。
無神経な人の多くはマイペースであり、人からの評価を気にしない傾向があります。そのため、相手から嫌われることも気にせず、自分の欲求を優先して生きています。「人に嫌われるかも」という恐怖感がないため、人が嫌がることにも気付きにくく、配慮のない言動を平気でしてしまうのです。
無神経な人の感覚は独特で、「自分の感覚=他人の感覚」と思ってしまっています。これはある意味、小さな子どもと同じです。小さな子どもは自分の感覚と他人の感覚を分離できないため、「自分が知っていることは当然相手も知っている」と思って話すことがあります。
つまり、無神経な人は小さな子どもの感覚と同様に、自分が気にしない=他人も同じと思っているのです。
次に、無神経な人になってしまう原因を2 つご紹介します。
無神経な人の大きな特性として、「共感力や想像力の低さ」があげられます。これは、ある意味生まれ持った性質であり、努力でどうにかできるものではありません。
生まれつき背が低い、声が高いといった特徴と同じように、生まれつき共感力や想像力が乏しい「性質」なのです。育ちなども関係している場合がありますが、多くの場合は生まれ持った特性からきていると考えられるでしょう。
最近では傷つきやすい生まれつきの特性として「HSP」が話題になりましたが、無神経な人はそれとは反対に、生まれつき鈍感な特性なのだと考えられます。
極端に空気を読めないなどコミュニケーションに問題がある場合、アスペルガーなどの発達障害である可能性も考えられます。
アスペルガーは知能面では問題がなく、コミュニケーションのみに問題が生じる障害です。他人の気持ちを理解することが難しい発達特性があるため、アスペルガーの人は「空気を読めない」と言われることが多くあります。
もしもアスペルガーである場合、こちらからの働きかけで改善することは難しいため、そういう人だと割り切って接する必要があります。
無神経な人と接するときの対処法は、以下の3 つです。
・言動が人を傷つけていることを伝える
・周囲に相談し気持ちを癒す
・「そういう人」と割り切る
それぞれ、以下に詳しく解説します。
ここまでご紹介した通り、無神経な人は自分の言動で人が傷ついていることに気付いていません。どうしても耐えられないんときには、はっきり言葉で伝えることもひとつの方法です。
言葉で伝えることで、初めて自分の発言が間違っていたことに気付き、今後はそうした発言をしないようにしてくれる可能性もあります。
ただし、伝えるときは感情的に伝えないよう注意しましょう。
「この前の〇〇っていう発言、〇〇さんが傷ついてたよ」
など、他人を仲介して伝えられると、相手に受け入れてもらいやすくなります。
ひとりで言われたことをもんもんと悩んでしまう人は、できるだけ他の人に相談してみましょう。無神経な人は周囲からも嫌煙されていることが多いため、同じように共感してもらえる可能性が高まります。
気持ちをわかってもらえる仲間がいれば、気持ちも癒されますし、同様の発言があったときには味方になってくれる可能性もあります。
無神経な人は、多くの場合こちらからの働きかけで変わることはありません。相手をどうにかできない場合、「そういう人」と割り切るのが最良の方法です。深く関わりすぎないよう、適度な距離を保つようにしましょう。
ただし、無視はしないほうがいいでしょう。下手に無視をすると逆上されたり、こちらを悪者にされたりする可能性があります。社会人として上手に関係性を保つためにも、挨拶程度の関係性を心がけましょう。
なかには、無神経な人の発言によって思い悩んでしまう人もいるかもしれません。気にしても仕方ないとわかっていても、気にしてしまうことはありますよね。
もしも何か言われてつらくなってしまったときは、まず深呼吸をしましょう。ネガティブな気持ちになっているときはどうしても体が緊張し、呼吸が浅くなっています。深く呼吸をすることで自律神経がリラックスモードになり、緊張が解けやすくなります。
また、もしも無神経な人が職場の上司などの場合、特につらい状況が続いてしまうかもしれません。そうした場合、思い切って縁を切る選択をするのもひとつです。転職などをきっかけに、今より生きやすくなる可能性もあります。
最後に、あまりにも他人の言動を気にしやすい場合、あなた自身がHSP などの特性をもっている場合もあります。
HSP(ハイリ センシティブパーソン)とは、無神経な人と真逆の性質をもつ、生まれつき繊細な人のことです。あなた自身の「気にしやすさ」がつらさの原因のこともありますので、相手と自分の両面から、対処法を考えていくといいでしょう。
無神経な人は生まれつき「鈍感」な性質である場合が多く、共感力や想像力に欠ける特徴があります。
言われた側は傷ついてしまいますが、本人には悪気がなく、相手が傷ついていることに気付くこともありません。注意をしても特性自体を改善する可能性はかなり低いため、そういう人と割り切って適度に距離を置くのがベストでしょう。
この記事によって、あなたのつらさが少しでも改善することを祈っています。
Written by KOIGAKU