同年代の女性であっても、「あっ、おばさんっぽい……」と思われる人と「大人な女性って感じで素敵!」と思われる人がいますよね。つまり「おばさん」は実年齢からくるものではなく、その人の持つイメージを総合して導き出される概念なのです。
では「おばさん」と「大人な女性」の違いはどこにあるのでしょうか。今回は主に、内面に目を向けて考えてみました。
例えばビジネスの場において、30代ともなればそれなりにキャリアを積み、部下や後輩に指導する立場になることも多いでしょう。
そのように自分よりも年齢や立場が下の人と会話しているときに、自分の知らない話題が出てきたらどうでしょうか。
おばさんは「若い人とは話が合わない」「どうせ私にはわからないから」と情報をシャットダウンしたり、もしかしたら「私たちの時代はこうだったのに、最近は変ね」なんて偉ぶって相手を下げるようなことを言ったりするかもしれません。
しかし大人な女性であれば、自分の知らないことを教えてくれた相手への尊敬や感謝の心を持つでしょう。それだけでなくトレンドをしっかり吸収しようと努力も惜しみません。
現状に満足せず、常に向上心を持ち続ける。この姿勢は大人の女性が持つ特徴の一つでしょう。
年齢を重ねるとどうしても頭が固くなっていきます。
経験を積んだからこそ効率的なやり方を知っている、素早く最適解を導き出せるというメリットがある反面、柔軟な発想が浮かびにくくなる、他人の意見を受け入れづらくなるというデメリットもあります。
おばさんは現状の自分をベストと考え、他のやり方や考えを取り入れる柔軟さがありません。新しいことを吸収するのは非常に体力のいることなので、そこまでの元気が出ないという人も多いでしょう。
一方で大人な女性は、今までのやり方や価値観に固執することなく、その時々起こる諸々にフレキシブルに対応できる精神的なしなやかさを持っているのです。
「若さ」というのは非常に強いカードですが、大人な女性には若い女性が持ち得ない魅力があります。それが余裕や包容力といったもの。
年齢を重ねさまざまな経験をしてきたからこそ、人として深みが出ます。他人に対して想像力を働かせ、思いやりを持てるようになるのです。
常にどこか余裕のある人は、一緒にいる側も楽なんですよね。なので自然と「この人と一緒にいたい」と周りに人が集まってきます。年を取ってからモテるようになった、というケースも、こうした理由からではないでしょうか。
逆に、いくつになっても周りに対する配慮ができない、思いやりを持てない、世話をしてもらって当たり前と思っている女性は、お世辞にも大人とは呼べないでしょう。周囲からも面倒だと思われて、慕われることもありません。
おばさんの代名詞とも言えるのが自虐ネタではないでしょうか。
「私、おばさんだから~」「若い子には敵わない」「もう若くないし」「私なんか……」などなど、挙げればキリがありませんよね。
どうしても、日本ではまだまだ「若い=優れている」というイメージが強いため、ついこのような発言をしてしまう気持ちはよくわかります。
ですが、自虐ネタを言えば言うほど自分自身がどんどんおばさん化していきますし、このネタで周りがほっこり幸せになるわけでもありません。つまり、言ってもいいことがないんです。
自分で自分をおばさん化させたくないなら、わざわざ「私、おばさんだから」なんて言わないに越したことはありませんね。
年を取ると、あきらめるのが早くなる――と、どこかで聞いたような気のせいだったような。筆者の肌感では、とにかく若い頃よりも圧倒的に「ま、いっか」が増えます。
他人に対する「ま、いっか」に関しては寛容になれるという意味でプラスですが、自分に対して「ま、いっか」が増えてくると危険です。
例えば見た目のこと。どんなにしっかりスキンケアをしていても、年を重ねた肌は20代のそれとは違います。体型だってそうです。
そこで、「ま、いっか。もうトシだし、見た目なんてほどほどで」とあきらめてしまうと、そこから一気におばさん化が進行します。
なにも若い頃と同じであろうとしなくてもいいんです。というか、それは無理です。若い頃と同じメイク、服装では痛々しい若作りになり、それはそれでおばさんっぽさが際立つので要注意。
それよりも、今の自分に合ったファッションやメイクを研究し、等身大の自分を綺麗に見せる努力をあきらめないこと。これも大人な女性を目指す上で欠かせないことです。
おばさん化を防ぐには、見た目を気にするのも大事ですが、親しい間柄からの評価であればあるほど、内面的な要素も重要になってきます。
大人な女性として成熟した姿を見せれば、周囲からの評価もよくなり、誰も「おばさん」なんて呼ばないはず。「おばさん」になりたくないあなたは、見た目だけでなく内面のアップデートも忘れないでくださいね。
Written by 七尾なお