私の恋はどうしてうまくいかないのかな? と悩んでいる貴女。
たまには趣向を変えて、古い賢人の言葉を参考にしてみてはいかがでしょう?
ご紹介するのは、ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの“愛に関する三つの教え”です。
“多くの人から好かれるほど、きみはいい人間になろうと努力しているかい?
自分を愛してくれるのはたった一人だけでいいって?
その一人は多くの人の中にいるんだぜ。それなのに、みんなから好かれるようにならない自分を誰が愛してくれるというんだ!“
彼だけが愛してくれればいい。私の良さを分かってくれるのは一人でいい。なんて思ってしまいがちですが、確かに、その彼だって大勢の中の一人ですよね。多くの人に愛されるあなたの方が、本命の彼から見ても魅力的に映るに決まっています。
“男たちからもてたいと思っているなら、自分の中身に何があるか見せないようにすればいい。
まるで純粋な仮面だけのような女で、しかも姿がうっすらとしか見えない幽霊のような神秘的存在でいればいい。すると、男たちの欲望はこのうえなく刺激される。男たちは、彼女の中身を探し始めるのだ。どんな魂を内に持っているのだろうかといつまでも探し続けるのだ。“
この言葉、的を得ていると思いませんか? 早い時期から、全てを見せてしまう女性が多すぎるように思います。探ろう、手に入れようという思いがあってこそ、男性は女性に惹かれ、追い求めるのです。あっという間に手に入って、何もかも知ってしまったら、急激に興味が薄れ、魅力も激減してしまいます。
まあでも、“幽霊のような存在”があんまり続くと、根気のない現代男性は力尽きてしまう場合もありますから、“小出し”に、“チラ見せ”あたりがいいのではないでしょうか。
“結婚に踏み切るかどうか迷っているなら、じっくりと自分に問いかけてみよう。自分はこの相手と、八十才になっても九十才になってもずっと楽しく語り合っていけるだろうか、と。
長い結婚生活の間には多くのことが起きるが、それらはすべて一時的なもので、いつしか過ぎ去っていく。けれども、二人でいて対話を続けるということは、結婚生活の大部分を占めているし、老年になればなるほど、対話の時間は増えていくものなのだ。“
恋愛と結婚は地続きにあっても違うものです。九十才まで、とはいくらなんでも想像しにくいかもしれませんが、結婚を考える際には、お相手との“対話の相性”を考えてみるのは大いに必要な事でしょう。だって、Hの相性より“対話”の相性の方が、長い人生の中ではずっとずっと重要だったりしますから。
さて、今に通ずるがんちくのある三つの教え、いかがでしたでしょう?
ただ、ニーチェさん本人は、恋に内気で奥手だったらしく、友人の妻を好きになって失敗したり、出会って4時間の女性に求愛して断られたり、恋愛上手というわけでもなかったようなので、若干微妙ではあるのですが・・・。
(参考文献)
「超訳 ニーチェの言葉」白取晴彦:編訳 共同印刷株式会社