「おじさん/おばさん構文」を初めとした○○構文は、インターネットを中心に広がり続けています。芸能人や政治家の言い回しでさえ「○○構文」としてSNSで大流行し、今はバリエーションが増え続けているみたいですね。
その中でもZ世代の間で話題となったのが「ヒス構文」。Xのトレンド入りを果たし、このワードを見たことのある人も多いでしょう。
「ヒス構文」は人から嫌われる要素が満載の危険な文章です。
“構文”の意味を知り、うっかり使ってしまわないように気を付けてください!
「ヒス構文」とはヒステリー構文の略称。メッセージを受け取る側の解釈違いや、話を変な方向へ飛躍させることが原因で起き、読み手を疲れさせる恐ろしい文章を指します。
“ヒステリー”とつくくらいですから、相手に罪悪感や嫌悪感を抱かせるのが特徴的です。
なぜZ世代を中心に流行したのかを説明しますと、若者言葉で「ヒスる(=ヒステリーを起こす)」というのがあるんですね。
相手の真意を読み取らずに勝手に怒って、キレて、自虐して、暴走する“ヒステリー”と、“構文”を掛け合わせた、いわばネットスラングの一つ。
ヒステリーを起こす人に性別、年代は全く関係ありません。なので「ヒス構文」が友達やカップルの間で発生するケースもあれば、親が子に向けてヒス感いっぱいの文章を送りつけることも!
これを「お母さんヒス構文」と呼び、なんと芸人のラランド・サーヤさんが名付け親です(笑)
サーヤさん曰く「お母さん以外のヒス構文は、ヒス構文ではない」と定義していますが、今やすっかり多方面に展開されているため、今後も「派生版ヒス構文」がたくさん出てくるでしょう。
ラランド公式YouTubeでも解説動画が上がっているので、興味がある人はぜひチェックしてくださいね。
送られてきたLINEを自分の都合だけで解釈し、ひねくれた返事をしていませんか?
「ヒス構文」は「ひねくれ構文」とも言い換えられるほど理不尽な返しをしがちなので、相手に強い不快感を与えます。
無意識のうちに「ヒス構文」を使っているかもしれない…… と思ったら、以下のチェックリストで確認しましょう。
送った経験があるのなら反省し、二度と同じことを繰り返さないように努めるべきです。
①予定をキャンセルした友達に対し「本当は私との約束が嫌だったんじゃないの?」と詰め寄った
②「Bちゃんと遊びに行った時、すごく楽しくて」←「それって私と遊んだのはつまらなかったってこと? 嫌味のつもり?」
③友達から子供の写真が送られてきて「独身の私に当てつけですか? 自慢?」と言う
うーん、これらの事例を見ているだけで疲れてしまいますが……。
「ヒス構文」を送る人たちって、驚きの方向に話を飛躍させ、自分自身が被害者のように訴えるので非常に厄介なのです。
①の急な予定のキャンセルは何度もやられたら「私のこと嫌いなの?」と思うのも頷けます。しかし、一度や二度でそう思うのは被害妄想が過ぎるでしょう。
②と③はケースが似ていて、相手の何気ない言動に対し過剰に突っかかっていますよね。
こんな風にキレられたら、気軽に連絡もできないのか…… と思われても仕方がありません。
LINEをしている友達や恋人、家族の行動を深読みしすぎたり、激しい解釈違いを起こすと「ヒス構文」を送りつける原因となるため、何事も“考えすぎ”と“考えなさすぎ”は禁物です。
彼氏:「カフェで食べたケーキ、美味しかったな」
あなた:「そうだね。私が前に作ったのより美味しかったよね。そう言いたいんでしょ?」
彼氏:「いや、そういうわけじゃ……」
あなた:「私、料理うまくないから。あの時のケーキだって…… ‘$%’#@」
彼氏:「そ、そんなことないよ」
明らかに拗ねた態度と、返しに悩むレベルのひどい自虐は相手を困らせます。
ほしい言葉を強制させるのも「ヒス構文」の特徴で、見方を変えるとモラハラの一種になるので気を付けましょう。
相手は拗ねたり、自虐されたり、機嫌を損ねられるのが面倒なので「そんなことないよ」とフォローしますが、内心は嫌な気持ちでいっぱいなはず。これを繰り返すと周りから人が一気に離れていくため、要注意です。
論点ずらしは人に嫌がられるほか“会話が噛み合わない人間”と認知されるだけです。
「ヒス構文」を使いがちな人は
・話の論点をずらす
・話を飛躍させてキレる
という相手に最悪のコンボを喰らわせるので、ある意味恐ろしいモンスターと言えましょうか……。
例えばお菓子を買ってきて、お子さんに「ダイエット中だから、たくさんは食べられないの。ごめんね」と断られたとします。
すると、ヒステリーを起こす人は「簡単に太るあんたが悪いんでしょ? まさか太ったの、お母さんのせいだっていうの? こうやってお菓子を買ってくるお母さんのこと、本当は鬱陶しいって思ってるくせに!」と論点をすりかえて怒るんですよね。
詰め寄られるのは単純に怖いですし、親子の場合は子どもが「私、お母さんのこと傷つけた?」と罪悪感を抱いてしまうかもしれません。
変なプライドの高さと解釈違い、そして目の付け所がおかしいと本当に大切な人を傷つけ、取り返しがつかなくなる可能性だってありますよ!
「ヒス構文」を送る人のほとんどが、自分の感情を100%ぶつけてしまっています。
相手への要求を抑えきれず、「わかってよ!」というゴリ押しが“ヒス”へと繋がるため、一度冷静になってください。
解釈違いや変な方向への飛躍も、早とちりや一瞬の感情に任せたことで招くケースも非常に多いですからね。落ち着いた気持ちで友達や子ども、親、パートナーの言葉を受け取れば気持ちがカッとなるのを少しは抑えられるでしょう。
悲しいかな「ヒス構文」を繰り出して好かれることはまずありません。
ヒス=パワハラくらい大げさに捉え、自分の都合だけで身の回りの人間を振り回さないように!
Written by たかなし亜妖