“大の大人がバカっぽい地下最年長アイドル”というコンセプトで、アイドルをしているりんごりんさんにインタビューをしてきました。カフェバーオーナーから38歳でアイドルに転身し、現在46歳のりんごりんさん。アイドルになったきっかけは、何だったんでしょうか? 年齢で何かを諦めた人は、また何かに挑戦してみたくなるかもしれません。
名前 りんごりん
性別 女性
年齢 46歳(インタビュー時)
ーーどんなきっかけで、“大の大人がバカっぽい地下最年長アイドル”というコンセプトになりましたか?
そもそも、大人がアイドルやりたいなんてバカげてるじゃないですか? でも、大人がアイドルするなら本当のバカではダメなんですよね。
このコンセプトのバカっぽいというのは、私たちだけじゃなくファンの方も含めて、いい大人がバカになれる場所のことを指しています。いい大人が敢えてバカになれる場所、コミュニティを作りたいなと思ったんです。
ーー元々カフェバーを経営していたそうですが、地下アイドルを始めたきっかけは何でしたか?
10代の時に音楽やっていたんですけど、18歳の時に母親が入院してしまったんです。やむを得ず音楽の道を諦め、就職する道を選びました。お金を貯めて29歳の時にカフェバーを開店して、まあなんとなく上手くやってたんです。
でも、その時に東日本大震災が起きて、初めて人生について考えました。「明日死んでもいいのか?」と自分に質問をしたら、まだ死ねないと思ったんです。 明日死んでもいい生き方をしたい! 今何をやり残したのかな?って考えたら、音楽だったんです。
10代20代の時は夢を追えずに日常を選んだんですけど、お金にちょっと余裕が出てきたからこそ自分を思い返せる時期も重なって、夢を追いかけることになりました。
ーー最初は音楽の道を目指していたのですか?
ドラムをやっていたから、ドラムしかないかな? と思って音楽の道を目指してました。アルバイトでキャンペーンガールみたいなことはやってきたんですけど、自分で何ができるか分からずにいたんです。ちょうどその時に30歳以上のAKB48メンバーを選ぶ“大人AKB”のオーディションがあったんですよ。
AKBが全盛期で大島優子ちゃんとかいた頃の時期なんですけど、アイドルっておばさんっていう概念ないじゃないですか? それで、お店に来てたAKB好きのおじさんに「応募しちゃおうよ」って言われて、飲み会のノリで携帯でピッて応募したんです。
2回戦までいったんですよ。結局受からなかったんですけど、私の中のアイドルという概念が崩れたんですよね。アイドルについて色々調べてみたら、ママさんバレー的なお母さんが集まったアラフォーのアイドル集団がいたんですよ。
私ずっと独身だったんでそこは違うなと思って、だったら自分でやってみるか! って思ったのが始まりです。
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ーーアイドルをしていて、大変だったことはありますか?
最初の頃は、もちろん大変でした。周りの方たちに、「ずっとお客さんいなかったでしょ?」ってすごく言われるんです。でも、結構オタクのみなさんは、悪ノリで推してくれるんですよね。「ババァしょうがねーな!俺がいないとダメなんだろ」みたいなノリで(笑)
こっちも同じノリで「うるせーよハゲチャビン」とか返すんですけど。年の功もあって、若い女の子たちよりもコミュニケーションが上手く取れるんですよね(笑)
ーーアイドル=可愛いイメージがあったんですけど、それだけではなく、親しみやすいからより推したくなるんでしょうね。
そう! それで推していただいて、おかげさまで隙間産業でやれています。でも、若い子に太刀打ちできるように、ダンスも頑張ってやっています。もう1曲目で走馬灯のように周りがキラキラみえるんですけどね(笑)
基本は男性の方が多いんですけど、女性の方もライブに来てくれるんです。ベタですけど、「りんごりんさんの活動で元気が出る」、「何歳からでもやっていいんだ」みたいに言ってもらえるのが嬉しいです。
ーーメンバーが複数いらっしゃいますが、まとめるのは大変じゃないですか?
女の子はいくつになっても女の子なので、やっぱり大変ですね。時には厳しいことも言わなくてはいけないんですけど、その前に自分が絶対できてないとダメだなと思っています。
でも、頑張るというか全部ガチガチだと嫌になるじゃないですか? だから、やる時はやる! みたいにオンとオフを見せるようにしています。
ーー自分たちのチームの最大の魅力は、何だと思いますか?
全力感です! すごく顔が可愛い子でも、歌が上手い子でも、それだけでは絶対ダメだってメンバーに言ってます。顔が可愛いからいいって訳ではなくて、人に何かを伝える時って全力であるからこそ、やっと伝わると思うので。
ーーファンとの距離が近いのも魅力だと思いました。今後の野望について教えてください。
グループの成功のために、着実に一歩ずつ登っていきたいです。その先にはそれぞれ個人の目標や夢もあると思うので、そこにみんなが行けるようにグループの知名度を私が上げていかなきゃなと思っています。
個人としての野望は、一言で言うと有名になることです!
お話を聞いていて、りんごりんさんから「何歳からでも挑戦できるんだ!」という、力強いパワーを貰えた気がします。今の状況とやりたいことを天秤にかけて、結論が出ない人、行動できずにいる人も多くいるでしょう。
りんごりんさんには色んなターニングポイントが訪れていましたが、その都度自問自答して選択していき、夢に向かって進んでいく姿が素晴らしいと思いました。何かに迷っている人は、このインタビューが何か一歩踏み出すきっかけになってくれたら嬉しいです。
Written by KOIGAKU