最近知り合った男友達が「恋に恋している」タイプの人間です。
恋愛経験の少ない人が好みのようで現在片思いしている相手も彼には純粋な人に見えるらしいです。
私は相手の女性に会った事はないのですが、「奥手な子だから少しずつ距離を縮めてる」と楽しそうに話す彼を見ていると、どうにも彼の願望も混ざっているように感じてしまいます。
自分の理想だけじゃなく、相手の女性をちゃんとみてあげてないんじゃないかと心配でなりません。
彼自身、仕事が丁寧で人当たりもいい人なので上手くいってほしいと思っています。
彼が失敗してしまわない為にも理想の人に憧れる彼の目を覚ましてあげられる方法はありませんか?
(25歳/女性(独身)/派遣社員/神奈川県)
ご質問誠に有難う御座います。
アメリカの美大で行われたある実験の話が話題になりました。
この実験は美大のクラスを2つに分け、それぞれに別の評価基準を伝えるという実験です。
片方のクラスには「作品の量で評価を行う」と伝え、もう片方のクラスには「作品の質で評価を行う」と伝えました。
その結果は非常に面白いものでした。
まず作品の提出率(完成率)ですが、これは「量」で評価するグループの方が高かったのです。
数さえ出せば何でも評価をして貰えるのですから、この結果は皆様も予想できるものでしょう。
しかし、作品の質で比較しても「量」で評価するグループの方が上だったという驚きの結果を予想できた方はあまり多くないのではないでしょうか?
なんと「質」で評価をするグループよりも、「数」で評価をするグループの方が質も量も上だったのです。
それではこの2つのグループが一体どのような心理で作品を作っていたかを考えてみましょう。
まず質で評価されるグループは、最高の1品を作るために必死で頭を捻ったことと思います。
何個作品を作ろうとも提出できるのは1つだけなので、最高の1品にこだわって作品を作ったことでしょう。
ですので作成途中で「なんかダメそう」と思った作品は廃棄して、次の作品作りに取り掛かったことと思います。
一方で量で評価をされるグループは、途中で「なんかダメそう」と思っても、とりあえず作品を完成させたことでしょう。
提出さえすれば評価されるのですから、適当な作品も数多く作成したことと思います。
この違いは2つのグループに大きな差を生んだことでしょう。
質が低いなりに完成させたグループは、自分の作品を見て「ここがダメだ」「もっとこうすればよかった」ということを学ぶことが出来、次の作品ではその問題点を解決することが出来るのです。
一方で途中でやめてしまうと、自分の問題点が見え来ないので問題を解決することが出来ません。
そもそも途中でやめてしまった作品は本当に失敗作品だったのかどうかすら分からないのです。本人は「失敗だ」と思っていたとしても、実はその作品は大成功だったかもしれません。
所詮は本人の頭の中の予想でしかない曖昧な失敗であると言えるでしょう。
それでは今回のご質問に戻りましょう。
ご質問者様は友人に失敗して欲しくないとお考えのようですが、そもそもこの男性は失敗するのでしょうか?
確かに私もお話を聞く限りでは、失敗する可能性の方が高いと思います。
しかし、恋愛に模範解答は存在しないので、この男性のように夢見がちな方が成功する場合もあるでしょう。
今の段階では、この男性が成功するか失敗するかは分からないのです。
また仮にこの恋愛が100%失敗すると分かったとしても、それを途中で止めてしまうことは彼の成長を妨げる要因にしかなりません。
例えば今の段階でご質問者様が彼に忠告をして、彼がその女性との恋愛をやめてしまったとしましょう。
すると彼は自分の行動が本当に間違っていたかどうかを判断することが出来ません
何故ならば、途中でやめてしまった以上、その方法で本当に失敗したのかどうかが分からないのです。
実際にやってみて失敗したのであれば「この方法はダメだった」と理解できますが、実際に行動に移していない以上、彼は失敗か正解かを判断することが出来ませんし、問題点を見つけることも出来ません。
ですので彼のことを思うのであれば、失敗するかどうかに関係なく、まずやらせてみた方が良いでしょう。
それで成功したら何の問題も御座いませんし、失敗したらその時に彼の問題点を一緒に考えてあげれば良いのです。
今回の男性に関して、私はそこまで大きな心配をしておりません。
この恋愛が失敗するか成功するかは分かりませんが、仮に失敗したとして大した問題はないでしょう。
別に失敗したって死ぬわけではありません。せいぜい数週間落ち込む程度で、人生に大きな悪影響を与える可能性は極めて低いでしょう。
むしろ、その失敗から彼が学び、今後より良い恋愛が出来るようになること考えると、失敗した方が得だとすら考えます。
いずれにしてもこの恋愛の成否が彼の人生にそこまで大きな問題を残すとは思えません。
むしろ心配なのはご質問者様の方。
ご友人様の恋愛をそこまで心配される優しさは美徳ですが、友人の恋愛に対してもここまで臆病になるのですから、ご自身のことに関してはその数倍は臆病でいらっしゃることでしょう。
これは恋愛に限った話では御座いません。
仕事や趣味でもご質問者様は非常に臆病で挑戦できずにいるのではないでしょうか?
もしそうだとすると、残念ながらご質問者様の今後の人生は非常に苦しいものになると言わざるを得ません。
挑戦が出来ない方は失敗から学ぶことが出来ない方なのです。
学ぶことが出来ない以上、成長からも程遠く、永遠に同じ問題に悩み続ける人生になってしまいかねません。
また、今後ご質問者様が子供を持つことがあった場合、ご質問者様の考え方は子供の才能を摘む考えになる可能性も非常に高いでしょう。
子供が何かに挑戦する時に「失敗するからやめろ」と、やる前から止めてしまう親の心理そのものなのです。
Written by ラブホスタッフ 上野