卑下するタイプの心理と特徴を掴んで上手につきあいましょう。卑下するタイプの人は自分を下げることで「そんなことないよ」と褒めてもらえることを期待していて、周囲にいると少し面倒です。
また、同僚や職場に卑下するタイプの人がいるなら、さりげなく共感してあげましょう。
「卑下(ひげ)する」とは「自分を他人よりも劣った人間として扱う」状態のことです。
例えば笑いをとるために自虐的な言葉を相手に投げかけることがありますが、卑下するという言葉のイメージはこれに近いでしょう。しかし、他人に卑下する態度をとると「見下された」と見なされますので、しこりが残ります。
また、自分に対して卑下しすぎても「こじらせタイプ」と敬遠されるので気をつけましょう。
自分を卑下する目的は7つあります。
まず相手に自分を認めてもらうためです。「そこまで卑下しなくても」と相手に励ましてもらうことを期待したり、自分の存在価値を再確認したりする意味合いもあります。
他にも自信過剰タイプと思われないための予防線だったり、周囲の印象を良くするためだったりという側面があります。また、万が一失敗した時の事後処理のための保険として卑下することもありますし、誰かに構ってもらいたいという願望の場合もあります。
自分を卑下する目的は相手に自分を認めてもらうためです。自分を卑下する人の特徴は自己肯定が得意ではない傾向にあります。そのため自分を卑下することで「そんなことないよ」と周囲に否定してほしいという願望があります。
また、自己肯定が低いタイプの人は自分に自信が持てず、仕事をしても達成感を感じることがありません。要因として幼少のころから親に褒めてもらった経験がないことなどが考えられます。
自分を卑下する目的は自信がある人だと思われないようにするためです。例えば学生の時に試験で高得点をとれる自信がないあまりに「私は暗記が苦手だから赤点決定かも」とつい自分を卑下した経験があるでしょう。
また、「今回はテスト勉強を頑張ったから楽勝だよ」と自信たっぷりに友人に話しても、結果が思わしくなければ赤っ恥です。このように周囲の評価も予想して、必要以上に卑下することで自己防衛をしています。
自分を卑下する目的はまわりからの印象を良くするためでもあります。例えば本当は組織の重鎮で自信があるのに、若い人の前では「私は老害だからね」と卑下するようなケースで、これは自分を卑下して若手を持ち上げることで好感を持たれることを期待しているからです。
また自分を卑下して能力を低く見せて、業務上競合することなく円滑にプロジェクトが進行することを望んでいるケースもあり、卑下するほうが得策です。
自分を卑下する目的は周囲に「手伝うよ」と言ってもらえることを期待しています。例えば名簿管理など個人情報が含まれるものは神経を使うでしょう。
そのためテンパっていれば仕事が出来る人が助けてくれることを期待して「PC苦手だし、仕事遅いから周囲に迷惑かけるよね」と卑下してしまうケースです。
これは自己肯定感が低いために自分から助けを求めることができず、相手が察して手助けをしてくれるはずと考えているからです。
自分を卑下する目的は失敗したときの予防線を張るためです。例えば大勢が集まるセミナーの司会やプレゼンは慣れている人でも緊張するでしょう。そこで「私は昔から赤面症だし、緊張すると言葉がでなくなるからタイムオーバーするね」と卑下して事前に予防線を張っておきます。
また、卑下して失敗した時の予防線を張る行為は、事前に周囲の期待値を出来るだけ下げて緊張しないようダメージコントロールしているともいえます。
自分を卑下する目的は誰かに構ってもらいためというのもあります。例えば「私なんて地味だし、話し下手だし」と、ネガティブな言葉を繰り返す女の子も少なくありません。
明るく笑って地味にネガティブな言葉を繰り返す子は、相手に「そんなことないよ。地味じゃないよ」と否定してもらえるのを待っています。構ってほしくて卑下するタイプの子は、自分に自信がない子が多いので対応を間違えるとややこしくなることもあります。
自分を卑下する目的は自慢していると思われないようにするためでもあります。能ある鷹は爪を隠すといいますが、知識をひけらかしたり、自慢したりするより、謙遜するほうが「腰が低い人」と良い印象をもたれるからです。
また、ブランド志向が強い人が同窓会などで目立っていたら、「華美になる会は避けましょう」とルール変更することもあります。所有物を自慢する人も敵を作りやすいため、卑下してでも好かれたい願望の表れです。
自分を卑下する癖を治す方法は8つあります。自分が卑下するタイプなら卑下しない方法も考えましょう。また、卑下することを習慣化すると自己否定につながり自信喪失になります。
まずは安易に卑下するマイナス思考の言葉の意味を理解しましょう。さらに自信が持てない原因も自己分析します。自己中心的な態度になっていないか確認して、本心を言葉にする努力もしてみましょう。多少の失敗は受け入れ、謙遜と卑下の違いを熟慮します。
言葉の持つ力を理解しましょう。自分を卑下することで自分にマイナスイメージを与え続け、本当に自分はダメなのではないかと思いこんでしまっては元も子もありません。
当初は他人に嫌われたくないという処世術のつもりで卑下していたのに「言霊」の効果でダメ人間になることもあります。卑下する人は自己肯定感が低いので、自分に優しく人に厳しくても構いません。自分で自分を傷つけず、肯定するマインドにかえていきましょう。
自分に自信が持てない原因を探ります。まず安易に卑下してしまう原因を探るため、自己分析してみましょう。卑下する人は自分に自信が持てない人が多い傾向にあります。
例えば優秀な長兄や近所の子と比較され嫌味ばかりを言われて育った、両親が口下手で愛されていないと感じて育ったなど生育歴に遠因があるケースも少なくありません。周囲の評価をあまり気にせず、自分なりのペースで成長していくために自分自身と向きあってみましょう。
自己中心的な態度になっていないか気をつけましょう。例えば女子高育ちの子など女性同士で謙遜したり、お互いに卑下したりして関わりを持つことを暗黙の了解と捉えていたタイプの人は、自分本位です。
また、自分の話を聞いてほしいという欲求ばかりが目に余り、周囲の反応などお構いなしにマウントを取りにいくこともあります。卑下することは控えて周囲への気遣いもたまには見せないと、友人が離れていくでしょう。
してほしいことは口にしましょう。すぐに卑下してしまう女性の場合は、本心を上手く言葉に出来ない人も多いです。
例えば愛情を注がれてこなかったと感じていたり、周囲の目を気にして「私って可愛くないしスタイルも良くないし、女性として魅力ないよね」と言ったりします。
しかし本心は「そんなことないよ」と言ってくれることを期待しています。それは周囲に気を遣わせてしまうだけなので、一部肯定してみましょう。
あえて少しだけ失敗してみるのもいいでしょう。すぐに卑下する人の傾向として失敗を恐れすぎるがゆえに、先回りして自分を下げて「失敗はつきもの」という予防線を張っています。
ですからあえて失敗することで、「少しくらい失敗しても大丈夫だ」というマインドに変えていくことが必要でしょう。否定的な「どうせ私なんか」と言っていた人は「失敗は成功の元」とポジティブな言葉に変換するだけでもいいです。
マイナスの言葉を口にしそうになったら黙るのも自分を卑下する癖を治す方法です。ネガティブ思考で自分を下げるほうが相手にお世辞を言うより楽だと考えている人が、ある日突然プラス思考になることはないでしょう。
そこで沈黙の時間を作ってマイナス思考を見直します。後ろ向きな言葉を連発するかわりに周囲に対する承認欲求が強い側面もあります。まずは周囲に気を遣わせていることを少しは自覚してみましょう。
謙遜と卑下の違いを理解しましょう。卑下するとは自分のことを下げるだけ下げることで、相手の立場が上がります。相手の立場がよくなったのではなく、卑下することで自らの立場を下げ、相手が上がったのです。
また、自分に対する肯定的な言葉も否定してしまうので、周囲に気を遣わせます。一方謙遜は褒め言葉を受け入れて相手を尊重し尊敬します。相手を上げて自分の立場を下にしますが、尊敬しているため良いことです。
自分ができることを書きだしてみましょう。自分の価値を認める、自己肯定感を上げることが大切です。自己評価が低い人は、まずノートに書き出す作業をしてみましょう。ノートに書くことで自己分析が出来ます。
そして自己分析が出来たら「自分で自分を褒めてあげる」時間を作りましょう。自分の想いや感情をひたすら書き出すだけでも意味があります。本心を隠す習慣がついている人は、自分の本当の気持ちに蓋をしているからです。
自分を卑下する相手と気持ちよく付き合う方法は6つあります。恋人や好きな相手が自分を卑下するタイプのケースのポイントも押さえましょう。まず自分を卑下するデメリットを根気よく伝えます。マイナス思考は時として不幸を導きます。
また、自分の正直な気持ちを伝えることも大切です。褒めてあげたり、相手を肯定してあげたり、旅行やイベントを計画してもらうことで自己肯定力を高めてあげましょう。
自分を卑下する人との上手な付き合い方は、自分を卑下するデメリットを根気よく伝えることです。恋人や好きな相手が自分を卑下するタイプだった場合の付き合い方を考察します。
例えば「あまり卑下する言葉ばかり聞いているとこっちまで暗い気持ちになるよ」と卑下することのデメリットをストレートに伝えて、周囲の気持ちを理解してもらいましょう。ちょっとした行為を褒めて、自己肯定力を上げる手助けをしてあげましょう。
自分の正直な気持ちを伝えることが大切です。例えば「暗い気持ちばかり話されると辛くなる」など、自分の気持ちを伝えると卑下してばかりいる友人が変わってくれることもあるでしょう。
また卑下する人は自分本位タイプなので、すぐに周囲と比較して「私は劣っているから」とネガティブな言葉を連発します。共感してあげることも必要ですが、マイナス思考を受け入れてくれる人ばかりではないことも伝えておきましょう。
ちょっとしたことでも褒めてあげることが大切です。そもそも卑下するタイプの人は自己評価も低く、自信のない人が多いですが、大人になっても褒めてもらえると嬉しいものです。長所を見つけてあげて褒めてあげると、卑下するタイプの人も少しずつ自信が回復していくでしょう。
また、承認欲求も強く褒めてもらえることを期待して自分を下げている可能性もありますので、マメに褒めてあげると付き合いやすくなります。
相手の話をなるべく否定しないことも重要です。卑下するタイプの人はすぐに「だから私はダメなんだ」と否定的になりがちの人なので、共感してあげると喜びます。疎外感を与えることなく「受け入れてもらえた」と感じてもらえることが大切です。
また、職場や同僚に卑下するタイプの人がいる場合は、話の内容に踏み込まないで「そうだね」と軽く共感してあげるだけで十分です。聞き入るとネガティブな話題が続くので面倒になります。
旅行やイベントを計画してもらう機会を与えてあげましょう。卑下するタイプの人に達成感を味わってもらい、成功体験の積み重ねがマイナス思考からの脱却につながることを体感してもらいます。
また、旅行やイベントは反応が見えやすいです。「〇〇さんが企画したイベントは盛り上がったよ」と心から喜んで感謝してあげれば、自己評価も上がります。自分に自信がもてないから卑下してしまうわけなので、評価を得ることは大切です。
問題を切り分けて対処しましょう。卑下するタイプの人の問題は自分の問題ではありません。卑下するタイプの人は幼少期に愛情を注がれてこなかったことで、自分本位で同情を誘いやすい空気を作りたがります。
そのため何とかしてあげようと相手の話を真正面から受け止めすぎても疲れます。そもそもバックグラウンドに遠因があることも多いので、自分がネガティブな方面に引っ張られないようにしないと面倒です。
卑下する状態を改善するには自己肯定感を上げることが大切です。自己肯定感を高めるために、周囲と比較することの虚しさを理解してみましょう。他人に対する思いより、ありのままの自分を受け入れることです。
また、自己肯定するためには、肯定的な受け止め方をしてくれる友人を作ることです。「君の笑顔が見たいんだ」と言ってもらえるだけで自己肯定が出来るようになり、さらにマイナスの空気も出しづらくなります。
Written by センチネル