「何かあったら言ってね」と言ってくれたのに、いざ頼ろうとしたら返事が来ない……。そんな経験、一度はありませんか? 今回は、実は優しくない人の特徴と、そうした嘘の優しさに振り回されないためにできることを紹介します。
落ち込んでいるときにかけられる「何かあったら言ってね」は、とても心強い言葉です。ところが実際に「少し話を聞いてほしい」と連絡すると、既読のまま翌日になる。返ってきても「大変だったね、落ち着いたらまた話そう」で終わってしまう……。
言葉そのものは優しいのに、頼ったときの反応が言葉に追いついていないのです。これが何度か続くと、こちらも「次は頼るのをやめておこう」と感じるようになります。
重い荷物を運んでいるときや、仕事が立て込んでいるときに「大丈夫? 大変そうだね」と声をかけて、そのまま自分の席に戻っていく。気にかけてくれたこと自体はありがたいものの、声をかけるだけで動かないので、状況は何も変わっていません。
私自身、引っ越しの片づけに追われていた時期に、「手伝えることがあったら言ってね」と言ってくれた人と、何も言わずに段ボールを一緒に運んでくれた人がいました。今でも困ったときに思い浮かぶのは、言葉が少なかった後者の顔です。
目の前の相手には「いつもありがとう」「助かってます」と丁寧なのに、その人が席を外した途端、「あの人、要領悪いよね」と話し始める。聞いている側は、自分もいないところで同じように言われているのでは、と不安になるものです。
優しい言葉が、相手のためではなく、その場の空気を保つための道具になっているのだと思います。
「わかる、私もね……」と話を受け止めてくれたように見えて、気づけば相手の苦労話を聞く側に回っている。最後は「お互いがんばろう」で締めくくられ、こちらの悩みは置き去りのまま。
共感の言葉は口にしていても、関心は自分のほうに向いています。話し終えたあと、なぜか前より疲れている。そう感じるなら、このパターンに当てはまるかもしれません。
「今度ごはん行こうね」「落ち着いたら連絡するね」と何度も言われるのに、日にちが決まったことは一度もない……。社交辞令として流せる関係ならいいのですが、困っているときにかけられた「今度」が実現しないと、残念な気持ちが残ります。
口約束がいくつも宙に浮いたままなら、言葉と行動の間に距離がある人だと受け止めておくと、期待しすぎずにすみます。
「手伝ってほしい」とだけ伝えると、相手は何をすればいいかわからず、返事があいまいになりがちです。「土曜の午前中、1時間だけ荷物運びを手伝ってもらえる?」と内容と時間を区切ると、相手も引き受けるかどうかを決めやすくなります。
具体的にお願いしても動いてもらえないなら、それが答えです。モヤモヤを抱え続けるより、早めにわかったほうが次の手を考えられます。
優しい言葉をたくさんかけてくれる人と、実際に助けてくれる人は、同じとは限りません。「駅まで迎えに来てくれた」「体調を崩したときに差し入れをくれた」など、行動で示してくれたことを覚えておきましょう。
誰を頼ればいいか迷ったとき、言葉の印象より、その記憶のほうがずっと確かな手がかりになります。
話がいつも相手の自分語りにすり替わるなら、深い悩みを打ち明ける相手には向いていないのかもしれません。その人とは、趣味の話や楽しい時間を共有する関係と割り切るのも一つの方法です。
すべての役割を一人に求めないだけで、がっかりする場面はぐっと減ります。
困ったときに頼れる相手が一人しかいないと、その人の返事が遅いだけで不安が大きくなります。家のことは近所の友人、仕事の相談は前の職場の先輩というように、頼り先をいくつか持っておくと安心です。
相手が忙しくて動けないときも、「今回はほかの人に頼もう」と気持ちを切り替えられます。
優しい言葉をかけてくれる人を、すぐに「実は優しくない人」と決めつける必要はありません。言葉だけで終わってしまうのは、忙しさや気の回らなさが理由のこともあります。
ただ、頼るたびにがっかりするなら、その人との付き合い方を少し変えるタイミングです。具体的にお願いする、動いてくれた人を覚えておく、頼り先をいくつか持つ。大切なのは、言葉の印象に振り回されず、自分が安心できる人間関係を選ぶことだと思います。
Written by Sara