なんでもないことのはずなんだけど、なんだかモヤモヤする…。
そんなとき、あなたはそのモヤモヤをどのように処理していますか?自分ではどうすることもできず、ただ時間が過ぎてモヤモヤが消えるのを待つ人も多いのではないでしょうか。
実はモヤモヤ感情は意外とストレスが大きく、モヤモヤし続けていると心身のコンディションが乱れやすくなるだけでなく、パフォーマンスやQOLをも下げてしまいます。ですから、モヤモヤはできるだけ早めに処理するに越したことはありません。
今回は、些細なコトでモヤモヤしてしまう原因と、モヤモヤを解消する方法を紹介します。
はじめに、些細なコトにモヤモヤしてしまう主な原因について解説します。
モヤモヤを引きずる人は、基本的に自己肯定感が低い傾向があります。自己肯定感の低さの大半は経験によって形成されます。たとえば、親の愛情をたっぷりと受けて育った人は、それだけで自己肯定感の高い人生を送れる可能性がありますが、親から虐げられて育った人は自己肯定感が低くなり、鬱屈した人生を歩む傾向があります。
あるいは、いじめを経験したり、何かしらのハラスメントを経験した人なども、心的外傷から自己肯定感が低くなりやすくなります。
こうした経験は、基本的に自分で選ぶことができません。ですから、自己肯定感が低い自分を責める必要はないのです。
「物事を完璧にこなさなければならない」という気持ちが強すぎるあまり、自己肯定感が低くなるケースもあります。
人間、誰しも物事を完璧にこなすことなどできません。ですが、親や先生に厳しく育てられたり、失敗を強く咎められたりしたことがある人は、自分の価値を守るために物事を完璧にこなそうとします。
ところが、完璧にこなせず「自分はダメだ…」といっそう落ち込むという悪循環に陥ってしまうのです。
こういうタイプは、そもそも物事をテキトーにこなすことができません。「頭ではわかっていても、完璧を目指さないと生きられない」という、もはや呪いをかけられているような状態にあります。
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、生まれつき非常に感受性が強く、刺激に敏感な人のことを指します。アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン(Elaine N. Aron)博士が提唱した概念です。
HSPの傾向がある人は、特に情緒的な面においてとても感受性が高く、他人に気持ちにとても敏感です。その分、共感力が高いので、他人をケアしたり誰かに寄り添ったりするのが得意です。
一方で、相手の気持ちを思うあまり、言いたいことが言えなかったり、つい相手を尊重しすぎたりして、モヤモヤとした気持ちを抱えることがあります。
「もしかして自分はHSPなのかも…?」と思う人は、「HSPの恋愛傾向・特徴10選|HSPが恋愛するときに気をつけたいこと5つ」の記事も併せてご覧ください。きっと、ご自分への解像度を高める助けになります。
次に、モヤモヤを克服する方法について解説します。
広い世界を知って視野を広げると、些細なことにこだわるのがバカバカしくなるのでおすすめです。
一般的には、海外旅行などでさまざまな人と触れ合い、さまざまな文化を知る方法が効果的です。
しかし、想像力豊かな人であれば、わざわざ海外に出掛けなくとも、「本」を通して広い世界を知ることもできます。
「視野を広げる」は、正確に言うと「知識を増やす」ということ。どのような知識を増やせばいいのかと言うと、「新しい価値観」を与えてくれるような知識です。
些細なコトでモヤモヤしてしまうのは、まだまだ狭い世界の自分の常識に縛られているからです。
知識からたくさんの定規を学び、物事を多角的に捉えられるようになると、モヤモヤが解消されるどころか、そもそもモヤモヤ感情が生まれません。
常識をアップデートしたり、新しい常識をインストールしたりして、どんどん視野を広げましょう。
「完璧にこなせないと自分の価値が落ちてしまう」という無意識の強迫観念は、単なる「自分自身の思い込み」に過ぎません。
自分に自分で「お前は完璧でなければならない」という呪いをかけてしまっているわけです。
実際にこの呪いを解くのは、そう簡単ではありません。なぜなら、この呪いを解けるのは他の誰でもなく自分自身しかいないからです。
呪いを解くには、「たくさん挑戦し、たくさん失敗する」に尽きます。
たくさん挑戦すれば、それだけで自己肯定感が上がりますし、たくさん失敗すれば「あ、失敗って実は大したことないじゃん」と気付けます。それどころか、失敗を重ねるにつれて失敗から学ぶものが多くなっていき、最終的には「失敗を歓迎する」メンタルまで備わります。
新しいことへの挑戦には、確かに不安が伴いがちですし、勇気がいるでしょう。
しかし、人生はたった一度です。しかも人間どうせいつかはこの世を去るのですから、あまり細かいことを考えず、今の自分にできることをやりましょう。
なんだかんだ、これが一番大事です。「ま、なんとかなるっしょ!」くらいの気持ちで物事を気楽に楽しむのが理想です。
「それができたら苦労しないよ…」と思う人もいるでしょう。モヤモヤ感情に悩んでいる人が、一朝一夕でパリピのようなメンタルを獲得するのはおそらく不可能です。
しかし、視野を広げる作業と、挑戦&失敗する作業を繰り返していけばいくほど、次第に人生を楽しむスキルが身についていきます。
このスキルは、学ぶことをやめなかったことに対するご褒美、そして、勇気を出して挑戦し続けたことへのご褒美です。
自分らしい人生を謳歌するために、ぜひ「視野を広げる」「挑戦し失敗する」、そして「人生を楽しむ」ことを意識してみてください。
モヤモヤ体質の改善には、自己啓発の分野でもしばしば引用される心理学「アドラー心理学」がおすすめです。
アドラーとは、フロイトやユングに並ぶ心理学者で、現代的な心理療法のベースを作った一人です。
中でも「嫌われる勇気」と「課題の分離」の概念は、モヤモヤした気持ちを整理する上でとても役に立ちます。
いずれも「嫌われる勇気」というタイトルの本に詳しく掲載されているので、気になる方は「視野を広げる作業」の一環として、本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
Written by はるお