「あやかる」という言葉を皆さんはご存知でしょうか。
今回は、例文を通して「あやかる」という言葉の意味を説明し、また使う際の注意点についてご紹介しています。
この言葉の持つ意味と類語、対義語、漢字や語源などの由来についても紹介しますので、ぜひご覧ください。
「あやかる」という言葉を耳にしたり使ったことがある人はいるでしょう。
「あやかる」という言葉は、一体どのような意味があるのでしょうか。
本記事では、「あやかる」の由来、語源をはじめ「あやかる」の対義語、使い方などを項目別に詳しく見ていきます。
まずは「あやかる」の意味ですが、三省堂が提供しているWeb辞書weblioから引用すると下記のような意味になります。
漢字では、「肖る」と書くこの言葉ですが、どのようにして使うといいのでしょうか。
多くの場合は、他人のなしたことが羨むほどに幸運なことが起きた場合などに使うことがあります。
そのラッキーな人のような状態に、自分もなりたいという意味で、「あやかる」という言葉を使います。
もう少し具体的に「あやかる」の使い方を見ていきましょう。
「あやかる」という言葉の大まかな意味がわかったけれど、どのように「あやかる」という言葉をつかうといいのか分かりにくいと感じる人もいるでしょう。
この記事では、「あやかる」を使った例文を3つご紹介します。
ぜひ、例文での「あやかる」の使い方を理解し、あなたも、「あやかる」という言葉を正しく用いてみましょう。
まずは、例文から見ていきましょう。
「あやかる」という言葉を取引先に対して使う場合の例をひとつご紹介します。
「あやかる」は、取引先の企業なり、個人にとってなにか良いことが起きた時に用いる言葉です。
例えば、取引先が創業100周年を迎えて、業績もよい場合は、その取引先に、「わが社も御社にあやかって長く仕事をしていけるようがんばりたいです」という風に用いることができます。
ただし、使い方を間違うと、へつらいすぎたり、逆に馬鹿にした感じにもなるので気を付けましょう。
「あやかる」という言葉を使った別の例をご紹介します。
同僚に対しても「あやかる」という言葉を使うことができます。
例えば、同僚が、会社で新しい特許を取るほどの発明をしたときに、「君にあやかって、私も新しい発明ができればいいなと思う」などのように使うことができます。
同僚が会社にとって大きく貢献したときに、「あやかる」という言葉を使うことができます。
年号が新しくなったり、新年度が始まったばかりのときに、その新しい元号を使い「あやかる」という言葉を用いることがあります。
例えば、新しい元号である令和という元号に「あやかって」、などのように用います。
心機一転何かを遂げるなどの意味合いで、新しい元号を用います。
「あやかる」の意味と、「あやかる」という言葉を使って例文を3つご紹介しましたが、使う時にどのような点に注意してこの言葉を使わないといけないのでしょうか。
ここでは、「あやかる」という言葉を間違って使わないように、使う時の注意点を2つご紹介します。
「あやかる」という時は、相手に何かいいことがあった時に、そのような状態に自分もなりたいという願いを込めて使う言葉です。
しかしながら、使い方によっては、嫌みや、ひがみあるいは皮肉めいて聞こえてしまいますので、その辺りに気を付けて使いましょう。
○○さんにあやかるようにという時に、相手と自分の差がさほどない時に使ったりすると、あからさまに嫌味であったり、皮肉めいていたりしてしまいがちです。
そんな時は、皮肉やブラックユーモアに慣れている人なら問題ないでしょうが、すぐに言い返せない人もいます。
相手がどう受け答えしていいか分からないような、「あやかる」の使い方をするのは避けた方がよいでしょう。
「あやかる」は、多くの場合は、漢字に変換することなく、ひらがなのままで使うことが多い言葉です。
漢字では「肖る」と書きます。
この漢字どこかで見たことがあるなと思う人もいるのではないでしょうか。
なじみがあるのは、おそらく肖像画の「肖」ではないでしょうか。
肖像画の肖像というのは、人の顔などをなぞる、まねるということです。
「あやかる」という言葉そのものに、ある状態をまねるという意味があることが分かりますね。
似せる、まねるという意味がこの漢字の由来になります。
似せる、あるいは乗っ取るという意味が肖るになったと言われています。
あえかかる、という言葉が転じて「あやかる」になったとも言われています。
似るという言葉のほかに、揺れるものに変化するという意味もあったようです。
肖るの「肖」を使った言葉には、前述したような肖像画のほかに、不肖や、肖似、などがあります。
不肖というのは、愚かなさま、を言います。
肖似というのは、ものすごく似ているさまを言います。
読み方は、しょうじです。
「あやかる」という言葉には類語や対義語があるのでしょうか。
ここからは、似た言葉、あるいは反対の意味を持つ言葉について例をあげながら紹介していきます。
「あやかる」の類語、対義語も併せて覚えることで、「あやかる」という言葉をより一層体得でき、日頃の生活の中で、間違うことなく使えるようになるでしょう。
もしも「あやかる」という言葉をほかの言葉で表現したいとなったら、類語を知っておくと表現することができますね。
また、「あやかる」という言葉がよく分からない人がいても、他の言葉で説明をしてあげることで、相手が肖るの意味を理解することができます。
「あやかる」という言葉の類語は、便乗する、幸せを分けてもらう、ご利益を頂く、他人の成功に乗っかるなどがあります。
次に対義語の意味で使われる言葉です。
「あやかる」という言葉の対義語は何になるでしょうか。
一語で「あやかる」の対義語に当てはまる言葉を見つけるのは難しく、あやからないという否定的な使い方になります。
「あやかり」たいとは思わない、などのように否定的につかうことで「あやかる」という言葉の対義語となります。
すでに類語という項目のところで、「あやかる」という言葉を他の言葉に置き換えるとどうなるかをご紹介しましたが、ここではその「あやかる」の類語を使った時の例文を一部ご紹介しましょう。
例文としてみることで、「あやかる」の言葉の使い方をより理解するでしょう。
「あやかる」を「お裾分けをいただく」という言葉に置き換えることができます。
例えば、他人が成功をしたときに、下記のように言うことができます。
あなたのお裾分けでもいただき、次からは自分も頑張るとしましょう。
「あやかる」という言葉は、使い方次第では、皮肉にも聞こえるので、使う相手を考えましょう。
「あやかる」という言葉をおこぼれに預かるという言葉で置き換えることができます。
たまに「あやかる」をあずかると言い間違えている人がいますが、もしかしたら、このおこぼれに預かるという言葉のいいまわしと混同しているのかもしれませんね。
お裾分けも同じような意味で、おこぼれを預かるというのは、相手が成功したあとに、その成功の全てをいただいたりするのではなく分け前をもらったりすることです。
時として、妬み、嫉み、皮肉な意味合いがはいってしまう言葉ですので、「あやかる」という言葉を使う時は、相手から見て失礼にならないよう、気を付けて使うようにしましょう。
もしも「あやかる」という言葉が、あまりにも卑屈、卑下したようなイメージがあるのだとしたら、類語などをつかうことで、そのイメージから離れて、同じ意味を相手に伝えることができるでしょう。
言葉の使い方がよく分からないときは、辞書で意味を確認して正しく使うようにしましょう。
Written by KOIGAKU