みなさん色気を勘違いしています。
たとえばネットには、「色気のある女性はものを持つとき両手で持つ」などと書かれていますが、それは色気ではなく品でしょう。
品のある女性は片手で粗野にものを扱わない、ということでしょう?
内面的には、色気のある女性は男の扱いを心得ているとする人もいるらしいけど、色気のないキャバ嬢だってそれくらいのことは心得ているわけで(でないと、キャバ嬢として稼げないわけで)。
さて、色気って本当はなんなのでしょうか。
今回は、色気とはなにかを見ていきつつ、色気のある女性になるためにはどうすればいいのかについて、一緒に考えたいと思います。
1. 色気ってなに? 内面美人ってどんな女性?
イキのいい魚のように、元気のいい女性のことを、本当は、色気のある女性といいます。
簡単にいえば、元気さえよければ、色気がある女性と見なされるということです。
元気のいい女性であっても、たとえば、朝から晩までスポーツをしていてゴリラみたいな体型の女性は、色気があるといわないのでは?
いいえ、そんなことはありません。
それは、色気を「女性らしいかっこうとかカラダつき」だと勘違いしている(思い込んでいる)からそう思うのであって、内面的な色気とは、元気のよさのことをいうのです。
これは反対のこと、すなわち、元気のない女性を考えると、きっと誰でも納得するでしょう。
元気のない女性とは、たとえば、過去の失敗や不幸をいつまでも引きずっていて、イケメンが目の前にいるのに「どうせわたしは」などと思って暗い目をしますね。
あるいは、過去の失敗や不幸を引きずっているがゆえに、投げやりに生きていて、洋服も持ち物も、食べ物も、「なんだっていいや」みたいに適当に済ませますね。
その正反対の女性が元気のいい女性、色気のある女性なのです。
では、元気のいい女性とは、なぜ元気がいいのでしょうか?
2. 元気のいい女性はなぜ元気がいい?
元気のいい女性は、なぜか「過去」と「今」の区別がついています。
誰に教わったわけでもないのに、なぜか彼女は「過去」と「今」の区別がついているのです。
先に、元気のない女性の特徴の一例として、「過去の失敗や不幸をいつまでの引きずっていて、イケメンが目の前にいるのに「どうせわたしは」などと思って暗い目をしている」と書きました。
元気のない女性は、過去に起こった失敗や不幸なことが、今この瞬間に再び起こるのではないかと怯えているのです。
だから暗い目をするのです。
対して、元気のいい女性は、済んだことは済んだこと、今は今、というふうに明確に時を区別できているんですね。
そんな区別のしかたなんて学校で教わらなかったよ……。
たしかに学校で教わらなかったですよね。
でも、元気のいい女性は、なぜか過去と今の区別がついているんですね。
だから過去のことをいつまでも引きずらないし、過去に起こった不幸が再び再現されると思って怯えることもないのです。
次々にやってくる「今」という時を、とてもフラットな感覚で、先入観なしに生きているのです。
ではどうすればあなたは元気のいい女性になれるのでしょうか?
内面的に色気のある女性になれるのでしょうか?
3. 内面美人になる方法
内面美人になる方法はただひとつ、変化に敏感になることです。
あなたという生き物は絶えず変化しています。
物理的には、たとえば、あなたの爪や髪の毛は、日々わずかずつ伸びています。つまり変化しています。
体内の血液も骨を組成する成分も、絶えず入れ替わっています。
あなたの考え方だって変化しています。
たとえば、昨日まで仲の良くしていた友だちのことが、今日はなぜかうっとうしく感じられるとか。
さらに、あなたの周囲も変化しています。
ウソばっかり! わたしは毎日おなじ会社に出勤して、おなじメンバーで働いて、おなじ仕事内容で……と言いたくなる人もいると思います。
実際に、変化にとぼしい職場がこの世にあるのは知っています。
がしかし、そういう会社であっても、3ヵ月とか半年という少々長いスパンで見れば、なんらかが変化しているのです。
自他の変化に敏感になると、なぜ内面美人になれるのか?
答えは簡単です。「今」という時は、絶えず動いているという感覚があなたの身体に芽生えるからです。
元気のない人とは、先に言ったように、過去のことに固執している人です。過去に起こったことを引きずっていて、今と過去とをごちゃごちゃに捉えている人です。
変化に敏感になってください。すべてのものは変化していることを知ってください。
それはすなわち、ただ今この瞬間とは、もう二度とめぐってこない時だと知ってください。
それが、元気のいい女性、すなわち、内面美人になる本質的な方法です。
4. おわりに
今この瞬間とは、もう二度とめぐってこない時だと知ると、なぜ内面美人になれるのかと聞きたい人もいると思います。
答えを言いましょう。今この瞬間と、過去とは、まったく関係ないのだという「感覚」が芽生えるからです。
そしたら、あなたの心を縛っている過去の失敗や不幸なことから、あなたの心が解放されるからです。
そして、今というかけがえのない時を元気に生きれるようになるからです。
色気って、そういうものなんです。
誰もに平等に訪れる「今」という時を、過去と区別して感じることができれば、そのような感覚にもとづく生き様が色気のある生き方なんです。簡単にいえば、そうやって区別できる感覚が、あなたの心身を元気にさせてくれるのです。
今って、あなたがこの文章を読んでいる今ですよ。
あ、そっか、と思いましたか? そう思ったのなら、そう思った「今」はすでに過去になりましたよ。
いつ過去と今とを区別して、色気のある女性になるのですか? 「今」しかないでしょう。
<参考元> キルケゴール・S『死に至る病』(2017)講談社