若い同僚との会話で、相手が使う言葉の意味がわからず、なんとなく笑ってごまかした経験、一度はありますよね。年齢を重ねるほど、若い人とどう向き合えばいいのか迷う場面は増えていくものです。今回は、若い世代に好かれる大人に共通する考え方と、そこに近づくためにできることを紹介します。
若い世代に好かれる大人は、自分と違う価値観に出会ったとき、「今の若い子は……」と嘆くことがありません。後輩に「飲み会は参加しないです」と言われても、「今はそういう考え方なんだね」と、まずは受け止めます。
人は、自分が慣れ親しんだやり方を「正しい」と感じやすいもの。心理学では、自分の考えを裏づける情報ばかりを集めてしまう傾向を「確証バイアス」と呼びます。違いをすぐに良い悪いで判断しない大人は、このクセに自覚的なのだと思います。
若い世代に好かれる大人の考え方として大きいのが、知らないことを素直に認められる点です。わからない言葉が出てきたら、「ごめん、それどういう意味?」と気軽に聞きます。
私自身、40代になってから、職場の20代の後輩が話していた「タイパ」という言葉がわからず、思い切って聞いてみたことがあります。すると彼女は、動画を倍速で見る理由まで楽しそうに教えてくれたんです。それ以来、仕事の相談まで気軽にしてくれるようになりました。知らないふりをするより、教えてもらうほうがずっと距離が縮まると実感した出来事です。
若い世代に好かれる大人は、自分の経験を正解として押しつけません。「私のときはこうしたけど、あなたのやり方でやってみていいよ」と、選択肢のひとつとして伝えます。
時代が変われば、仕事の進め方も、人付き合いの形も変わります。過去の成功体験が「今も通じるとは限らない」と考えられる柔らかさが、若い人にとっての話しやすさにつながっています。
若い世代に好かれる大人には、年齢を理由に新しいことをあきらめないという共通点もあります。50代でスマホ決済を使いこなしたり、新しい趣味を始めたりする姿は、若い人の目にも魅力的に映るものです。
「自分にもできる」という感覚を、心理学では「自己効力感」と呼びます。挑戦を楽しむ大人がそばにいると、若い人も「年を重ねるのも悪くないな」と前向きな気持ちになれるのではないでしょうか。
「私たちの頃は、終電まで残業するのが当たり前だった」。若い世代に好かれる大人は、こうした苦労話を教訓のように語りません。
苦労した経験そのものは、その人の大切な財産です。ただ、それを「だからあなたも頑張れるはず」という形で伝えると、若い人には比べられているように聞こえてしまいます。昔話をするなら、笑い話として「あの頃は無茶してたなあ」と話すくらいがちょうどいいと思います。
若い人との会話に困ったら、「最近、何かハマってることある?」と聞いてみてください。仕事の話より相手が話しやすく、自分の知らない世界をのぞくきっかけにもなります。
大切なのは、聞いたあとに「それ面白そう、私も見てみるね」と一歩踏み込むこと。実際に試して感想を伝えると、「ちゃんと聞いてくれていたんだ」と、相手との信頼関係がぐっと深まります。
「普通はこうするでしょ」「常識的に考えて」。こうした言葉が口から出そうになったら、一度立ち止まってみましょう。
その「普通」は、自分が若かった頃の普通かもしれません。心の中で「それ、今でも同じ?」と問いかけるクセをつけるだけで、押しつけになりそうな一言をずいぶん減らせます。「最近の子は打たれ弱い」といった決めつけも同じです。口にする前のひと呼吸が、相手に「どうせわかってもらえない」と思わせないための小さな工夫になります。
職場以外で、年齢の違う人と自然に関われる場所をひとつ持つのもおすすめです。料理教室やランニングサークル、地域のボランティアなど、立場や年齢に関係なく同じことを楽しめる場が向いています。
上司と部下という関係がない場所では、若い人の考え方に素直に触れることができます。そこで得た気づきは、職場での接し方にも自然と生きてくるはずです。
若い世代に好かれる大人は、決して若者に合わせているわけではありません。違いを受け止め、知らないことを認め、自分の考えを少しずつ更新しています。その柔らかさが、「この人と話すと楽しい」という印象につながっています。
大切なのは、年齢を重ねても「まだ知らないことがある」と思えることだと思います。
Written by Sara