皆さんは1日の中で、どれくらいの時間座っていますか?
デスクワークをしていると、長時間座り続けていることも少なくないはずです。
実際、日本は海外20ヵ国と比較して座っている時間の中間値が約8時間と一番長いことが分かっています。
座りっぱなしだと、体に様々な健康被害をもたらしてしまう可能性もあることから注意が必要です!
そこで今回は、座りっぱなしが体に悪い理由や起こり得る健康被害についてご紹介します。
特にデスクワークで座っている時間が多い人や、どんな健康被害が出てしまうのか気になる人は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
そもそもなぜ座りっぱなしの状態が続くと、体に悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか?
座りっぱなしが体に悪いとされるのは、理由について下記で説明をしていきます。
1日の中で何時間も座りっぱなしの状態が続いていると、筋肉をほとんど使っていないことから脚を中心に筋力や筋肉量が低下しやすくなります。
筋力や筋肉量が落ちてしまうと代謝機能が下がってしまい、肥満や糖尿病などのリスクが高まります。
さらに血中の脂質代謝も低下してしまうことから、血液中の中性脂肪値が増加し、動脈硬化などの疾病リスクの割合も高くなることに……。
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるほど重要な役割を担う筋肉です。ふくらはぎの筋肉が下半身に溜まった血液を押し上げ、心臓に戻していきます。
しかし、座りっぱなしの状態が続いてふくらはぎの筋力が低下してしまうと、下半身に溜まった血液が心臓まで戻されず、血液が滞った状態になってしまいます。
血液の流れが悪くなり、さらに水分不足に陥っていると血液が固まって血栓ができやすくなります。
この血栓が血管を通り、肺に詰まってしまうことを「エコノミークラス症候群」と言います。
エコノミークラス症候群は飛行機に乗っていると起こりやすいと認識されていますが、実はデスクワークでも見られやすいのです。
座りっぱなしの状態が続くと体に様々な悪影響を及ぼしてしまいますが、中には一見関係なさそうな健康被害に関与している場合もあります。
ここでは、座りっぱなしで起こり得る意外な健康被害をご紹介しましょう。
座りっぱなしだと腰への負担が大きいと考える人は多いですが、実は首や肩のコリにも影響しています。
例えばデスクワークをしている時、ずっと同じ姿勢になっていませんか?
座った状態だと下半身だけでなく上半身も大きく動くことがないため、肩甲骨周りの筋肉が緊張した状態が続いてしまい、筋肉が硬くなることで首や肩にコリや痛みが出てくるようになります。
1日の中で座っている時間が長いということは、日常生活全体が不活性化の状態にあると考えられます。
生活の不活性化は運動機能や循環機能の低下以外にも、やる気が出なくなるなど精神活動にも影響が表れやすいため注意が必要です。
明治安田厚生事業団の研究では、12時間以上座りっぱなしの人は6時間未満の人に比べてメンタルヘルスが悪いケースが約3倍に上ったという結果が出ています。
そのため、座りっぱなしの生活が続くと、心身の衰弱やうつ病などにも影響してくるでしょう。
座りっぱなしだと様々な悪影響が出てしまいますが、健康被害を防ぐためにはやはりこまめに動くことが大切です。
しかし、デスクワークだとなかなか動きづらいと感じてしまうかもしれません。
可能であれば定期的に姿勢を変えたり、体操やストレッチを行ったりするなど少しの動きでも効果的です。
職場で座りっぱなしを防ぐなら、ミーティングや会議には立って参加したり、プリントやコピーが必要な場合には一度に行うのではなく、こまめに行ったりすると良いでしょう。
最近では座りっぱなしを防止する健康管理アプリなども登場しているので、上手に利用していくことで、健康被害拡大を防ぐことができます。
なお、「普段座りっぱなしでも休日は運動しているから大丈夫」と考えている人もいるかもしれません。
ですが、実は休日に運動習慣があっても座り過ぎによる死亡リスクは変わらないという研究結果が出ています。
休日にまとめて運動しても健康被害を防ぐことは難しいため、日頃からこまめに動く習慣を身に付け、座りっぱなしになっている時間を減らすことが大切です。
今回は、座りっぱなしが体に悪い理由や、座りっぱなしで起こり得る意外な健康被害などをご紹介してきました。
長時間同じ姿勢を取り続けていると、筋力が落ちたり血液が滞ったりすることで様々な健康被害につながってしまいます。
身体的な影響に限らす、精神的にも悪い影響を及ぼしてしまうため、なるべく適度に休憩を入れて体を動かしたり、ストレッチを心がけましょう。
少しの意識で体への負担を軽減できるため、健康のためにも取り組んでいきましょう。
Written by 早紀