個性豊かな時代だからこそ知っておきたい! LGBTの基礎知識

「LGBT 」とはよく聞くけれど、具体的にはよくわからないという人は多いと思います。世の中には色々な考えの人がいて、性的趣向もさまざま。

ときに好奇の目を向けられることもあるLGBTですが、それはまだ世間がLGBTについてきちんと理解していないからで、本当はLGBTであることはごく自然なことなのです。

そこでここでは、LGBTの基礎知識について解説します。

LGBTとは?

性の多様性を表す言葉

性の多様性を表す言葉

LGBT(エルジービーティー)とは……

・レズビアン(Lesbian)
・ゲイ(Gay)
・バイセクシュアル(Bisexual)
・トランスジェンダー(Transgender)

の頭文字を並べた造語です。

それに、クエスチョニング(Questioning)をプラスして、「LGBTQ」と表されることもあります。

それぞれの意味は?

・レズビアン(Lesbian)
自分が女性として、女性に対して恋愛感情や性的な興味を抱く人のことです。女性同性愛者とも言われます。

・ゲイ(Gay)
自分が男性として、男性に対して恋愛感情や性的な興味を抱く人のことです。男性同性愛者とも言われます。

・バイセクシュアル(Bisexual)
男性、女性に関わらず、どちらに対しても恋愛感情性的な興味を抱く人のことです。どちらを好きになるかは、そのときによって違います。両性愛者とも言われます。

・トランスジェンダー(Transgender)
男性の身体なのに心は女性、あるいは、女性の身体なのに心は男性というように、心と身体で性が一致していな人のことです。

・クエスチョニング(Questioning)
性的指向が定まっていない人、もしくは、自ら定めていない人のことを言います。自分で、自分の性的指向が定まっていないということすら認識していない状態です。

LGBTQ以外にもあるセクシャリティ

・シスジェンダー
生物学的な性別と性自認が同じ人。女性の身体で生まれて心も女性であるという人のことです。

・ヘテロセクシュアル
異性に恋愛、性愛などの興味を持つ人のことです。

・パンセクシャル
性別に関係なく、すべての人を愛することができる人のことです。

・アセクシュアル
誰に対しても性的な感情を抱かない人のことです。

・アロマンティック
誰に対しても恋愛感情を抱かない人のことです。

・Xジェンダー
「自分は男女どちらでもない」とか「男女が自分の中に共存している」と認識している人のことです。クエスチョニングは、自分の中でどちらの性であるか定まらない状態であるのに対し、Xジェンダーは自分が男女どちらでもないと、答えが出ています。

最近は「SOGI」とも表される

最近は「SOGI」とも表される

「SOGI(ソジ・ソギ)」とは、近年、LGBTと共に使われるようになった言葉です。

身体の性、性自認、性的な指向などは人それぞれ。すべてが男性であったり、体の性は女性でも性自認や性的指向は男性だったり、ジェンダーの感じ方はさまざまです。

SOGIとは、性をどのように自認しているか、どの性の相手に魅力を感じるのかなど、セクシャリティについての考え方をひっくるめた概念のことです。

LGBTQよりも広い考え方で、LGBTQ以外のセクシャリティについても含まれます。

日本のLGBTの割合は

日本のLGBTの割合は、調査機関によって割合にばらつきがありますが、およそ5%から10%とされています。

つまり、30人のクラスで1〜3人程度はLGBTの人がいるということ。そのように考えると、とても身近な数字ですよね。

参考資料:LGBTの現状と課題

自らがLGBTと告白した芸能人はいる?

自らがLGBTと告白した芸能人はいる?

レズビアンを公表しているのは、ロックバンドSHISHAMOのドラマー吉川美冴貴さん。お付き合いしていた女性の方とパートナーシップを宣誓したと公表し、話題になりました。

ゲイを公表しているのは、タレントのマツコ・デラックスさんや、パフォーマンスグループAAA(トリプル・エー)の與真司郎さん。與さんは、ファンイベントで初めて公表した時、さまざま苦しみや葛藤があったことを告白しました。

バイセクシャルを公表しているのは、タレントのカズレーザーさんや元でんぱ組incの最上もがさん。タレントの壇蜜さんも、男性と結婚してはいますが、男性も女性もどちらにも魅力を感じるバイセクシャルだと公表しています。

日本と海外で違うLGBTへの対応とは

ヨーロッパでは幼い頃からLGBT教育がある

LGBTへの理解が深いスウェーデンやオランダでは、幼い頃からLGBTが当たり前のことだと教えられ、就学前に通う教室には、同性愛を扱う絵本が置かれていることが普通です。

お手洗いが男女共用であることも当たり前のことで、広くLGBTが受け入れられています。

同性婚が認められている国は多い

同性婚が認められている国は多い

ヨーロッパでは、多くの国で同性婚が認められています。先駆けとなったのは、オランダです。フランスはかつて同性愛が固く禁じられ、第二次世界大戦の頃には、同性愛者は強制収容所に送られていたほどですが、2013年5月17日、同性婚が合法化されました。

カナダやアメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランドなどでも同性婚は合法です。

アジアでは、台湾やネパールで認められており、2024年6月にはタイでも同性婚が認められました。

性で決めつけるのではなくその人の個性を見よう!

私たちはよく男性らしさ、女性らしさと偏ったイメージで相手に期待してしまいます。「男だから泣いてはいけない」、「女だから優しく笑顔で」など、ついついジェンダーを強制してしまっている人もいるでしょう。

しかし本来、性は豊かであり、一つの性にとらわれることのない、まるでグラデーションのようなもの。男だから、女だからと決めつけず、その人の個性と向き合って付き合うことが大切なのかもしれませんね。

Written by さあや

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