DVといえば殴る・蹴るといった身体的な暴力を想像する人が多いかもしれません。しかし、実態はそれだけでなく、経済的、性的、精神的なものまで幅広くあります。
中でも精神的なDVは、体に傷がつくことはありませんが、その分心に深い傷やトラウマが刻まれます。心無い言葉を長期的に浴びせられるなどした結果、自己肯定感がだだ下がりし、自分に対して価値を見出せなくなることもあるでしょう。
一度そういう状態に陥ると、DV男と別れても、元の自分に戻るまでに長い時間を必要とする場合もあります。そのような悲しいことにならないよう、当記事では精神的なDVをしやすい男性の特徴と、見分け方を紹介します。
精神的なDVをする男性には、いくつかの共通点が見られます。ここでは、それについて紹介します。
烈火の如く怒ったかと思ったら、次のターンでは泣いて謝る。これはDVの典型的なパターンです。
端から見ると、「どんな思考回路してるの?」と思えるかもしれません。
精神的なDVをする人のなかには、こうした感情の起伏が激しい人たちが多いです。自分の感情を上手にコントロールできず、頭に血が上ってカッとなり、手や暴言が出てしまうのでしょう。
怒った時、イライラした時に物に当たる人も危険信号。これも、感情の制御がうまくできていない証拠です。
オーバーリアクションで物を投げたり、壊したりすると大きな音が出るし、散らかります。
そうした音で相手を怖がらせたり、自分で散らかしておいて片付けさせたりと、物に当たって精神的ストレスを与えに来るパターンもあります。
独占欲が強く、嫉妬深く、束縛気質の男性はDVに走る傾向が高いです。
かわいいヤキモチとの線引きが難しいかもしれませんが、そこは自分の心と相談でOK。
「ここまでの嫉妬、束縛は厳しい」と感じたら、距離を置いてみると良いでしょう。
パートナーでも家族でも、まるっと意見が一致することはありません。必ず、自分とは異なる考えを聞くタイミングがあります。
そこで一旦、「そういう考えもあるね」と飲み込めるかどうかは、この人と一緒に生きていけるかを考えるうえでとても重要なこと。
しかし、DV男は基本的に「自分が完全に正しい」と思っている節があります。自分と異なる意見は真っ向から否定して、自分の言うことを乱暴に聞かせようとするのです。
他人の意見にまず反対から入る人、そもそも建設的な会話をしようという意欲のない人は、精神的なDVをしやすい傾向があるので注意が必要です。
被害妄想が激しいと、ちょっとしたことで「傷つけられた!」と言い出したり、あることないこと騒ぎ立てたりして、「自分は被害者、相手が加害者」という立ち位置を勝手に作り上げます。
時には周りの人を巻き込んで騒ぐこともあり、そうなると非のないこちら側が悪人にされる可能性があり、非常に厄介です。
DVの話を聞くと、「付き合う前にわからなかったの?」と言う人が一定数います。
当然、最初からそんな危険な人物だと知ってお付き合いする人はそういないはず。
DVをする人は高確率で、「外面が良い」という特徴を持ち合わせており、親しくなる前の段階で見分けるのはなかなか難しいのです。
しかし、親密な仲になる前の違和感を見逃さずに済めば、被害を軽く抑えることは可能でしょう。ここでは、その見分け方を紹介します。
DV加害者は、自分より弱い相手に対しては強く出るのが特徴です。そのため、強く言い返せない店員さんに対して横柄な態度を取る傾向にあります。
ちょっとしたことでクレームをつける、周りの客に聞こえるよう大声で叱責するなどの態度が見られたら、それは危険信号だと捉えましょう。
気に入らないことがあって不機嫌になることは、誰にだってあるでしょう。しかし、その程度があまりに理不尽であったり、突然だったりするのは危ないかもしれません。
DV加害者は感情の起伏が激しく、カッとなって急に人が変わったようになります。もし相手の怒りっぷりが恐怖を覚えるほどのものであれば、注意が必要です。
「昨日は何してたの?」「あの時間なら、〇〇にいると思ったんだけど」など、スケジュールを細かく聞きたがる、把握したがる人は束縛する癖がありそうです。
最初の頃はやんわりと、「君のことが気になるから」なんて言ってくるかもしれませんが、慣れてくるとどんどんエスカレートします。
殴る・蹴るといった身体的なDVは、もちろん怖いです。しかし、それと同じくらい、精神的なDVも怖いもの。
その時に負ったトラウマは根深く心に残り、たとえ加害者との縁が切れても、ずっと自分の中に居座り続けるからです。
DV加害者になりやすい人の特徴を挙げたので、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。
そしてもし、パートナーに対して「あれ?」という違和感があればそれを決して見逃さず、少し距離を置いてみてくださいね。
Written by 七尾なお