恋人と過ごす時間は、多くの人にとって楽しみで特別な時間です。しかしそのような中に、暴力という闇が存在します。それがデートDVであり、モラハラです。この記事では、デートDVとモラハラについて、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。付き合う前に危険信号をキャッチする見分け方についても掘り下げていきますので、恋人や気になる人との関係に悩んでいるなら、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、デートDVとモラハラとは何か、基本的なことを知っておきましょう。
DVとはドメスティック・バイオレンスの略称で、家庭内暴力と訳されます。もともとパートナーから振るわれる暴力全般を指す言葉ですが、「家庭内」と言われることから、夫婦間限定ととらえられることも多いです。そのため、近年は恋人から振るわれる暴力のことをデートDVと呼ぶようになりました。
ここで言う暴力は、いわゆる殴る・蹴るといった身体的暴力に限りません。怒鳴る、暴言を言うといった精神的暴力、同意のない性行為を迫られたり無理やりアダルト動画を見せられたりする性的暴力、お金を取り上げるなどの経済的暴力など、多岐にわたります。
一方モラハラとは、モラル・ハラスメントの略称です。DVのように身体的暴力を伴わない暴力に限定して呼ばれ、精神的DVと言い換えられることもあります。
モラハラはその行為自体を指すだけでなく、「モラハラ夫」「モラ男」などというように、その人の気質を指すのにも使われます。
心無い言葉をかける、大声で怒鳴って言うことを聞かせる、精神的・経済的に束縛するなど、「モラハラをしそうな気質」の人のことを、「モラハラ○○」と呼ぶ場合が多いようです。
さて、実際にデートDVの被害を受けると、どのようなことが起こるのでしょうか。ここでは、実際にあったエピソードを紹介します。
カッとなると頭に血がのぼり、途端に暴力的になるのがモラハラ気質の特徴です。普通の人は「殴るなんて、よほどの理由があるのでは」と感じるかもしれませんが、そうでもなかったりします。
筆者は過去、パートナーから何度も殴られた経験がありますが、そのほとんどの理由を思い出せません。非常に些末なものであったのでしょう。当時も、「なんで殴られなきゃいかんのだ」と理不尽な思いでいっぱいでした。
このように「大した理由もなく急に怒り出して暴力に及ぶ」が日常的に繰り返されます。相手の怒りスイッチがどこにあるかわからないため、常に怯えながら暮らしていかねばなりません。
デートDVの手法は、単純に殴る蹴るといった身体的暴力にはとどまりません。筆者がよくされたことの1つに、「山中に放置」がありました。
1人では決して帰れないような山中や田舎道で「降りろ」と迫られ、言うことを聞くまで許してもらえません。相手の気の済んだ頃に迎えに来るので、それまでただひたすらその辺で待ってなければなりませんでした。
あまり人が歩いていないような場所をとぼとぼと歩いていたりしたので、時々知らない人に声をかけられ、非常に怖い思いをしたものです。
デートDVの被害者といえば、女性の方が多いように思えるかもしれません。しかし実際には、男女どちらにも被害者・加害者が存在します。確かに身体的に有利なのは男性の場合が多いですが、「男性が女性に暴力を振るわれて悩むなんてありえない」という決めつけは避けるべきです。
最初から暴力を振るう相手だとわかって交際を始める人はいません。ですので、可能であれば付き合う前に、デートDVをするような人なのかどうかを見抜きたいところです。
肌感覚としては、DV・モラハラ気質のある人に限って、外面が良いケースが多いです。そのため、ぱっと見で判断するのはとても難しいと思います。が、モラハラ気質と言われるいくつかの共通点が存在します。交際前の段階から目を光らせ、そういった気質に当てはまらないかをチェックすると良いでしょう。
デートDVの加害者とは、まともに話し合いができません。自分が常に正しく、相手に「わからせてやっている」と考える傾向にあるからです。
日常でも、あまり他人の意見を聞かず、頭ごなしに否定するような言動が見られる場合は要注意です。
行き過ぎた嫉妬心からモラハラ行動を取る人が多いため、要チェックポイントです。やたらと他の異性を気にする発言が多い、こちらの予定を把握したがるなどの言動が見られる場合は、注意が必要です。
モラハラ気質の人は感情の起伏が激しく、突然スイッチが入り激怒して、暴力行為に及ぶことがあるのでとても怖いです。怒りで我を忘れる、自分より立場が弱い相手に対して横柄な態度を取るなど性格に二面性が見られる場合は、注意した方が良いでしょう。
デートDVは、恋人から振るわれる暴力行為を指す言葉です。殴る蹴るといった身体的なものに限らず、精神的・性的・経済的などさまざまな暴力が存在します。
デートDVの被害を受ける人は、「自分が悪いのかも」「我慢すれば変わってくれるかも」などと考え、その場をやり過ごそうとしがちです。しかし、「傷ついた」「怖い」と感じる自分の気持ちを一番大切に考えてほしいと思います。
交際相手、もしくは付き合う前のちょっといい感じになっている相手に「あれ?」と感じるポイントがあれば、スルーせずにじっくりと観察し、見極めましょう。見ないふりをしてズルズルいくのだけは、おすすめしません。
Written by 七尾なお