夫から毎日倫理に反するような暴言を浴びせられてストレスがたまる……。もしかするとモラハラを受けているのかもしれないと思いながらも、何もできない女性もいるのではないでしょうか。
今回はモラハラ夫の発言をエピソードと共に紹介します。同じような言動がないかチェックしてみてくださいね。
平成29年度司法統計(婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別)によると、女性が離婚する理由の第3位は「精神的に虐待する」でした。人を見下すようなモラハラな発言は心を深く傷つけます。実際にどのようなモラハラ発言があるのか確認していきましょう。
「育児に全く参加しない夫が、『子供のオムツがはずれないのはお前がちゃんと教えないからだ』『言葉が遅いのはお前の育児に対する努力が足りないからだ』と言います」(36歳/女性/専業主婦)
「不妊治療をしてやっと子供を授かったのに、『俺が欲しくて子どもを作ったわけじゃない』と言って、育児に非協力的」(36歳/女性/会社員)
「お昼ご飯が遅かったらしく『夕飯は肉を焼いただけのものにしてくれ』と言われ、焼いて呼びに行くと、『食べるのは今じゃなかった、タイミング考えろ』と怒鳴る。その時、娘に準備した夕飯の肉うどんを見て『俺のはないの?』と不機嫌になる。『夜いらないって言ったじゃない』と言うと『死ね』と言い放ち部屋にこもる。本当に最悪です」(41歳/女性/会社員)
「晩御飯に夫の嫌いな食材を使ってしまったとき、『もう食べない。君が好きで作っているんだから、俺が食べないのも自由』と言われた」(33歳/女性/IT系会社員)
「頑張って晩御飯を作ったのに『こんなくそまずい飯を食わせて俺を殺す気か!』と怒鳴られた」(21歳/女性/医療職)
「働きながらでも町内会もPTAもやれるでしょ! 母ちゃんでもできたのに、なんでお前はできないんだ!」(48歳/女性/ライター)
「私が仕事が終わり帰宅したとき、主人は休みで一日中家にいたにも関わらず、昼ご飯のお皿を下げていませんでした。そのままベッドに寝ころんでいたので指摘すると『いつも自分の方が働いているのだから、それくらいお前が下げればいいだろ。うちの母さんはそれくらい黙ってやっていた』と言い放ち、気が利かないと怒り始めました」(27歳/女性/調理師)
「家事や育児を分担するなら、仕事をして自分と同じくらい稼いで来いと言われる。たいして知りもしないのに『他の人の奥さんはみんなきちんとやっている』と豪語し、気に入らないことがあると口を利かなくなる。歩み寄るような話し合いができない。少ない生活費内でやりくりしろといい、何に使ったのか細かくチェックし経済的な虐待に近いものさえ感じる」(46歳/女性/専業主婦)
「いつも安い化粧品を使ってるのですが、普段よりいい化粧品を買ったときに『人のお金でいいもの買えていいねえー。苦労してないで買えていいねー』と言われました」(38歳/女性/専業主婦)
「風邪をひいて熱が39度近く出ていてフラフラだった日の夜。ご飯が作れず、ずっと寝ていたところ、帰宅してきたモラハラ夫に『なんで夕食ができてないんだよ。こっちは朝からずっと働いてきたんだよ? いくら熱が出てたって夕食ぐらい作っておけよ』と言われました。とんでもないモラハラぶりで、今思い出しても腹が立ちます」(50歳/女性/派遣社員)
「私のちょっとした発言がきっかけでいつも『出ていけ』と言われます。行き当てのない私は、たいしたことを言ったわけでもないのにひれ伏し、謝まるしかありません。相手は謝って来ると分かっているのでしょう。さらに完全無視が1カ月以上続いたときもあり、本当に心が折れそうでした」(49歳/女性/パート)
モラルハラスメントは倫理に反した嫌がらせです。ある意味では、倫理も何もわからずイヤイヤと駄々をこねる子どもと同じようなもの(可愛げに大きな違いがありますが……)
まずは、「そういう考え方もあるんだね」と理解を示すとよいでしょう。相手の怒りや蔑みのトーンに合わせず、冷静に対応する必要があります。無理に交渉や説得するのは逆効果。相手は子どもなんだと気持ちを落ち着かせてくださいね。
モラハラ発言の内容には、育児・食事・母親との比較・主婦差別などさまざまな原因が見られました。
モラハラをする人は表面上いい人そうに振る舞う傾向にあります。身近な人を見下してきつく当たることで、心のバランスをとっているのかもしれません。
もし耐えられないほどのモラハラを受けているなら、夫の言動を記録し、自治体が運営する福祉事務所などに相談するのも手です。心が追いつかなくなる前に手を打ちましょう。
Written by 田中なお