日本は不思議な国で、「クールジャパンだ、アニメ大国だ」と国が掲げる一方で、日頃からアニメに傾倒している人物、特に男性に対しては、変に風当たりが強い雰囲気が蔓延しています。
だから男性の中には、本当はアニメにも興味があるけど、万が一ハマッてしまって、しかもそのことが周囲に知られたときに恥ずかしい思いをしてしまうかも知れないと危惧し、アニメをわざと遠ざけている人までいるものです。
ですが抗いがたい魅力に囚われた人にとっては、これを無視することは容易ではないようで、この国には実に大勢のアニメファン。オタクが存在しています。
先日筆者は、ある仕事の取材で、30代のオタク男性数名にインタビューをする機会を得ることが出来ました。
彼らの言動は一見ぶっ飛んでいるようにも思えたのですが、そもそもアニメや特撮を見て育ってきた男性は多いもの。
1時間もしないうちに、しっかり打ち解けることが出来たのは僥倖(ぎょうこう)でした。
さて、そのインタビューの中で筆者がとりわけ驚いたことがあります。
下世話なのですが、彼らに貯蓄額を聞いてみたり、どんな仕事に就いているのかを質問したところ、かなり蓄えがあり、しかもエンジニアやベンチャー企業のディレクターなど、非常に素晴らしい職に就いていることが分かったのです。
もちろん全てのオタクがこの限りではないとは思うのですが、考えてみれば毎月のように趣味のために数万円を散財することが可能な一千級のオタクたち。
相当な財力を持っていなければ、それは難しいという話ですよね。
そしてインタビューでは、しきりに行く行くは結婚をしたいという声がちらほら。
そこで今回は、彼らオタクの話から飛び出した理想の恋愛について、「これなら女性側もOKするかも知れない」と感じられたものを挙げてみたいと思います。
・一緒にジブリやピクサー映画を観に行きたい
純粋に老若男女問わず楽しめるアニメ映画は多いので、そういった作品を選んで一緒に楽しみたい。
映画館デートは中学生の頃からずっと憧れていたから、いつか絶対すると決めている。
・自分の趣味はプライベートスペースに留めるので、同棲して料理を作って食べさせてあげたい
大学生の頃から自炊しているので料理は人並みに出来る。でも食べさせる相手がいないのが不満。
趣味は自室に楽しむに留めるので、行く行くは一緒に住んでくれる異性と楽しく暮らしたい。
・洋服のコーディネートセンスが壊滅的に悪いので、改善してくれる女性と付き合ってみたい
オタク=髪型、服のセンスが無いとよく言われるけど、確かにその通り。
自分でも危機感を抱いているので、出来ればそうしたセンスを改めてくれる女性に出会いたい。
まとめるとこのような具合になりました。
話を聞いていて感じたのは、彼らがまだ恋愛経験の乏しい未成年のような気持ちで、女性についての話をしていたというところでしょうか。
良く言えばピュアなんですが、実際正直に言ってしまえば異性へアプローチをしないまま大人になってしまった、ということだと思います。
人間誰もが子供の気持ちのまま、ずっと楽しく生きていければそれに越したことはありません。
でも実際にはそういうわけにもいきません。
大人になれば責任も負うことになりますし、義務も発生します。
そして様々な制約の中で、恋をし、仕事をし、家族を持つようになるわけです。
これはオタクだろうと誰だろうと逃れられないこと。
趣味に邁進する一方で、彼らオタクたちも、その現実に向き合う必要性は感じていますし、そのためのきっかけを模索している節もあるように感じられました。
もしもあなたの周囲に、そうした「伸びしろ」のある男性がいたのなら、一度一緒に食事でも出かけてみるのも面白いのではないでしょうか。