職場の人間関係は希薄化している? テレワークでのコミュニケーションの取り方

働き方改革やコロナウイルスの対策として、テレワークに取り組む会社が一気に増えました。出勤の必要がなくなるといったメリットがある一方で、人間関係の変化やコミュニケーションの取り方に問題が生じているようです。

具体的にテレワークで人間関係にどんな変化があるのでしょうか? 今回はテレワークにおける人間関係やコミュニケーションの取り方についてご紹介していきます。

テレワークでストレスが減ったと感じる人は多い

職場の人間関係が希薄化する一方で、テレワークによりストレスが減ったと感じる人も多いです。ビッグローブが行った調査によれば、テレワークによりストレスが減った、またはやや減ったと答えた人の割合が約56%を占めました。

仕事上のストレスは人によって様々ですが、人間関係に対してストレスを感じている人も多く、テレワークで軽減したという声もあります。

元々、コミュニケーションをとることに消極的な人の場合、テレワークで面と向かって会話する機会が大幅に減ったので、ストレスの緩和に繋がったのでしょう。職場での人間関係に疲れたと感じている時にテレワークはメリットが大きいと言えます。

テレワークにおけるコミュニケーションへの弊害

人間関係の煩わしさが解消されるテレワークですが、コミュニケーションへの弊害も懸念されています。具体的にコミュニケーションではどのような問題が生じるのか見ていきましょう。

社員同士の会話が難しい

社員同士の会話が難しい
オフィスへの勤務は職場の仲間と顔を合わせるので、対面でコミュニケーションがとれます。

しかし、テレワークは自宅やサテライトオフィスなど任意の場所で仕事を行うので、社員同士と面と向かって話す機会が失われますね。

基本的にメールやチャットなどを使って連絡を取ることになります。メールやチャットの返信に関しては、人によって速さは異なり、今返事が欲しくてもなかなか返ってこないということもあるでしょう。

また、情報量がメールやチャットでは減る傾向にあります。メールやチャットでは短文での会話が多く、返信にもタイムラグが生じやすいので通常会話と同じくらいの情報共有が難しいです。

そのため、メールやチャット以外ですぐにやり取りができ、さらに会話と同等の情報量を共有できるコミュニケーションの取り方を考えなければなりませんね。

業務管理が難しい

オフィスでの勤務では、業務の進捗状況や問題はその場ですぐに確認できますね。しかし、リモートワークは直接情報共有ができないため、業務管理が通常よりも難しくなってしまいます。

基本的に業務は自己管理で、また評価に関しても結果管理だけとなってしまいます。

元々モラル意識が高く、自己管理能力のある人であれば特に問題はないものの、管理能力に欠けている社員には結果に対しての対応しか行えません。

その結果、業務上にトラブルが発生してもリアルタイムでの対応が困難で、問題を深刻化させる恐れがあるでしょう。

評価がしにくい

テレワークでは業務プロセスに対して評価を付けにくいこともデメリットです。本来、業績と成果は結果だけではなく、業務上のプロセスの評価も含まれ付けられています。

しかし、テレワークとなると独立した作業となり、情報共有も難しいので業務プロセスを正確に評価できませんね。また、上司が勤務状況を見られない環境での仕事となるので、結果が全てという状態となります。

例えば、提出物の抜け漏れや提出期日が過ぎた場合は、どういう理由があっても当人からの報告しかないので、マイナス評価になる可能性が高いです。

また、業務プロセスへの評価は上司や同僚との関係性なども評価されているので、人間関係が浅いとミスの報告に対してもネガティブな評価に繋がる可能性があります。

チーム力の低下

チームで仕事をする場合、コミュニケーションを取って信頼や連帯力を高めています。

しかし、テレワークにより個人プレーが中心となり、チーム内でのコミュニケーションが減るとチーム力の低下につながる可能性があるでしょう。

テレワークにより生産性や業務効率が上がったとしても、コミュニケーションの不足でチーム力が低下してしまえば、チームでの作業を行う際に問題が生じやすくなる恐れがあります。

このように、テレワークではコミュニケーションに関して色々な弊害があります。そのため、人間関係を改善しながら、リモート環境でもコミュニケーションが取れる工夫が求められますね。

テレワークでのコミュニケーションの取り方

テレワークは通常よりも社内コミュニケーションを取りづらくなり、人間関係の希薄化はますます悪化する可能性があります。

そのため、人間関係を改善しながらテレワークでもコミュニケーションを取る方法を考え、実行していくことが大事ですよ。では、具体的にどのようなコミュニケーションの取り方があるのかご紹介しましょう。

勤務時間をはっきりさせる

テレワークは業務時間の考えが通常よりも甘くなり、生産性の低下や労働時間の超過という問題があります。

特に勤務時間が決まっておらず任意の時間で作業が行える場合は、誰がどの時間に仕事をしているのか分からないと、確認や緊急の連絡が取りづらいという問題が発生します。

ある程度、労働時間に自由があったとしても、双方の勤務時間はしっかり情報共有し、時間管理をすることが大事です。

定期的な報連相を心掛ける

テレワークは報告・連絡・相談が通常よりも後回しになりやすいです。しかし、情報共有の不足は後からトラブルを招く恐れがあり、また人間関係の希薄化を進める原因となるので、管理者との定期的なやり取りは大事です。

特にテレワークでは上司が社員一人ひとりの業務進捗を直接見ることができないので、途中経過などの報告で評価しなければなりません。

元々業務プロセスの評価をテレワークで除外するケースも多いですが、上司との信頼関係を築く意味では定期的に連絡をとった方が良いと言えます。

また、上司もしっかり仕事をしていると分かれば安心でき、信頼して仕事を任せてくれるでしょう。

コミュニケーションツールを活用する

テレワークでの連絡方法と言えば、電話やメールが定番です。しかし、コミュニケーションを増やすのであれば、他のコミュニケーションツールの導入も検討しましょう。

人間関係の悪化を防ぐためには、やはり積極的にコミュニケーションを取れる環境を整えてテレワークの実施が好ましいです。

電話やメールでも報告や連絡は可能ですが、Skypeやチャットワークなど複数人とリアルタイムで会話ができるツールがあると良いでしょう。特に全員に情報を共有したい時は、チャット形式のツールの方が良いです。

また、ビデオチャットを活用するのもおすすめ! ビデオチャットではWebカメラを通じて自分の顔を相手に見せることができるので、対面での会話に近い状態でやり取りが可能です。

テレワークだと社内会議や取引先との面会が難しくなりますが、ビデオチャットがあればリアルタイムでのやり取りが可能です。電話とは違ってお互いの表情が見られるので、安心して話を進められるところも利点です。

常にコミュニケーションを意識して仕事をしたいのであれば、ビデオチャットを付けた状態で作業を行うのも良いでしょう。

ビデオチャットをした状態であればオフィスで仕事をしている環境に近付き、程よい緊張感の中で作業ができるため、集中力を切らさずに済みますね。

さらに、何か仕事で問題が生じても、その場で相談して解決することもできます。お互いの進捗状況が分かり、また円滑な情報共有ができるのでテレワークの弊害の多くを取り除けるでしょう。

人間関係に困っているという時こそ、適度な距離感を保てるビデオチャットを通じて改善を試みるのも良いかもしれませんよ。

テレワークで良好な人間関係を保つコツ

コミュニケーションツールを活用する
テレワークに移行した後も社内での人間関係は良好に保ちたいもの! 遠隔でも良好な人間関係を保つために、以下のコツを心掛けてみてください。

途中経過をきちんと知らせる

業務の途中経過はきちんと社内で共有させましょう。作業のどの段階にいるのか、どこまで完了しているのか分かれば、仕事は円滑に回ります。

また、コミュニケーションを取るきっかけもつくれるので、定期的な報連相は忘れずに行いましょうね。

メールやチャットは早めに返す

メールやチャットを返す時はできるだけ早く返すことも大事です。
個人宛に連絡を入れてくる場合、緊急性や重要性の高い連絡である可能性が高いです。

連絡の遅れが重大なミスにつながる可能性があるので、こまめに確認して、できるだけ早く返事をするようにしましょう。

早急に返事が欲しい連絡などに関しては、電話やビデオチャットで連絡するようにとメールやチャット以外の連絡方法にしてほしいと予め言っておくのも良いですよ。

メールやチャットは丁寧に書く

テレワークでは文章でのやり取りが中心となるので、メールやチャットでは丁寧な文章を心掛けてみてください。内容が伝わりにくい文章だと、相手は何度もやり取りをして確認しなければなりません。

それにより作業時間のロスが生じたり、誤解や勘違いが生じたりする可能性があります。スムーズに必要なやり取りができるように、文章は分かりやすく、意味が正しく伝わるように丁寧さを意識してみてください。

オンラインミーティングで社内全体を把握する

定期的に部署やチームメンバーなどでオンラインミーティングをすることも大事です。ビデオチャットなら複数人の社員の顔を見ながら、オフィスと同じ感覚でミーティングが行えます。

グループチャットでも情報共有はできますが、オンラインミーティングの方が文字では伝えづらい情報の共有と社内全体の様子が分かることがメリットです。

家庭環境のことも伝えておく

テレワークをするにあたり、家庭環境についても予め伝えておき、理解を持ってもらうと良いです。例えば、子どもがいる家庭ではテレワーク中に仕事と家のことを両立しなければならないこともあるでしょう。

そうなると、子どもの世話でどうしても仕事ができない時間も生じます。その際、その穴を他の社員が埋めることができれば、納品や提出等の期日を過ぎるというミスを防げるでしょう。

しかし、家庭の事情を伝えないまま期日の超過などのミスを犯せば、何を言っても言い訳としか思われない可能性があります。

上司や同僚からのマイナス評価を受けないためにも、仕事が可能な時間帯や在宅状況、病気など仕事ができない事情があれば、予め連絡や情報共有が重要と言えるでしょう。

おわりに

家庭環境のことも伝えておく
職場での人間関係が希薄化している状態でのテレワークは、やり方次第でますますコミュニケーションが途絶えてしまう恐れがあります。

しかし、円滑に仕事を進めたり、正確に自分の仕事を評価してもらったりするためには、職場との人間関係は大切にしていくべきでしょう。

今では複数人同時でやり取りができるビデオチャットツールなども充実しているので、テレワークでも対面に近いコミュニケーションは取りやすくなっていますよ。

テレワークだから会話をしなくても良いとは考えず、積極的に連絡を取り合うことを意識してみてはいかがでしょうか?

Written by 早紀

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