徳を積むということを難しいことと考えてしまう人もいます。しかし、徳を積むということは、難しい行為ではありません。そのため、徳を積むとはどのようなことであるか把握し、徳を積めるようにして、人生を豊かに送れるようにしましょう。
徳とは、人が持っている品性や能力のことを指します。これらによって良い結果を自然に引き寄せることを「徳がある」と言ったり、その徳によって良い結果を引き寄せる人のことを「徳がある人」と言ったりなどします。
また、これらの徳は才能によって持つでのはなく、努力によって身につけるものとされています。その徳を身につけるための努力をすることを「徳を積む」と言います。
この「徳を積む」という考えは仏教の因果応報が由来となっていて、良い行いも悪い行いも、巡り巡って最終的には自分に返ってくるというような教えです。
徳は大きく2種類に分けることができます。その1つが陰徳です。陰徳とは、人に知られないように良い行いをすることです。そのため、人に見られないようにゴミ拾いをしたり、寄付をしたりなどが陰徳となります。
陰徳は人に知られないということが重要であり、誰かにその良い行いを見られたり、聞かれたりなどすると陰徳ではなくなってしまいます。
陰徳と逆の意味を持つ言葉として陽徳があります。陽徳は人に知られるように良い行いをすることです。その良い行いによって褒められたり、良い印象を持ってもらうなどの見返りを求めるという大きな違いもあります。
また、良い行いをして褒められたり、良い印象を持ってもらったりなどすると、徳が消費されてしまうという考え方をされることもあります。
徳を積むことで、いろいろと良い結果を引き寄せられるようになります。その良い結果というものは人によって得られるものが異なります。また、その結果は目には見えないものが多く、良い結果が得られているのか実感できないこともあります。
しかし、いくつか良い結果としてわかりやすいものがあるので、徳を積むことで得られることの目安とする良いでしょう。
徳を積む人は日頃から良い行いをしているので、周囲の人たちに親切な接し方をしています。そのため、親切にされた人たちからは信頼を得ることが多く、徳を積んでいる人の周りには人が集まりやすくなっていきます。
周囲に信頼してくれる人が多く集まっていくことで、人望もどんどん厚くなっていきます。
徳を積む人は他人に親切な接し方をするので、周囲に人が集まってきます。そのため、多くの人と良い関係を築くことができます。
良い関係を築くことができた人は、あの人は良い人だからと、さらに人を呼んで紹介をしてくれます。これが繰り返されることで、どんどん人脈も広がっていきます。
徳を積む人は人知れず努力しています。そのため、基本的に能力が高く、物事を良い方向に向かわせる力を身につけています。
また、徳を積む人は人望が厚く、人脈も広いです。そのため、トラブルに遭ってしまったとしても、周囲の人たちが手助けをしてくれることも多く、トラブル解決に向けて自然に良い方向へ流れていくことも多いです。
徳を積むことの由来は因果応報です。そのため、良い行いをしていれば、巡り巡って自分に良いことが返ってきます。
運が良くなることで、ふと欲しかったものが手に入ったり、求めていた結果が得られたりなどすることがあります。その得られるものは、金運や情報などのような目に見えないものという場合もあります。
徳を積む人は普段から良い行いを心がけています。良い行いを続けることで、気持ちは常に前向きとなります。
また、その前向きな言動は周囲の人にも伝わり、周りの人たちも前向きな気持ちにすることができます。周囲の人が前向きな気持ちになることで、その前向きな人たちに囲まれることで、徳を積む人もさらに前向きになるという良いサイクルができます。
徳を積む人は運が良くなります。そのため、ふとしたときに、欲しかったものが手に入ったりすることがあります。
また、徳を積む人は人望が厚いので、人からプレゼントをもらう機会も多いです。そのプレゼントも周囲の人は徳を積む人のことを慕っているので、欲している物をよく理解してくれていて、欲しかった物をピンポイントで得られたりすることもあります。
徳を積む人は人望が厚く、人脈も広がりやすいです。そのため、多くの人と出会うことができます。多くの人と出会うことができ、日頃から良い行いを続けていることから、良い縁と巡り会える機会も自然に多くなります。
徳を積む人は前向きな気持ちになることができます。常に前向きな気持ちでいられることで、ネガティブな感情に負けることがなく、活発にいろいろな行動を起こすことができます。
いろいろな活動ができることで、ストレスが溜まりにくかったり、物事へのモチベーションが保つことができたり、体をよく動かすことができたりなどすることから、健康体を維持することができます。
徳の積み方には、5つの積み方があると言われています。これらの徳の積み方を理解し、日頃から徳を積むことを心がけるようにしておくことで、その徳の積み方をマスターし、自分のものとすることができます。
いずれは5つの徳が体得でき、意識せずとも自然に得を積みながら日々生活ができるようになります。
施という文字には「施す」という意味があります。そのため、体施とは体を使って徳を積む行為を示しています。
体を使うと言っても、たいそうなことをする必要はなく、身近なことでは掃除をするなどの行為もこの体施にあたります。他にも、子どもの世話をすることや、誰かのためにご飯を作るなども体施の一部となります。
また、体施は体が動かせれば誰でもすぐに実践することができるので、思いついて即行動に移すことができるということも、体施の特徴1つです。
物施は文字の通り、物を施すことです。その際には、相手からは見返りを求めないよう注意しましょう。体施と異なり、相手に施す物や、その物を入手するためのお金や手段が必要となることから、体施ほど手軽な行為ではありません。
ただし、人に与える物は高価な物である必要はありません。相手の望む物をプレゼントしたり、他人の家を訪れる時に手土産を忘れなかったりなどの日常的に行うような些細なことでも十分です。相手のことを考え、喜んでもらうことが重要になります。
顔施は顔で施すということなので、笑顔を絶やさずに人と明るく接したり、柔らかい表情で相手に心地よいと思ってもらえるように接したりなどすることです。表情は些細なことではありますが、少しの心の持ち方や接し方を意識するだけで、相手に与える印象は変わります。
無理に明るい表情を作る必要はありませんが、穏やかな表情を無くさないようにして人と接することで、他人とぎすぎすしたり、心のゆとりがない状態の人と接して相手に不安を与えるようなことを避けるようにしましょう。
念施とは、他人の幸せを願ったり、世の中の幸せを願う気持ちのことです。ただ願うだけでは幸せになれないという考えを持つ人もいます。しかし、まずは幸せになって欲しいという気持ちを持たなければ幸福を引き寄せることはできません。
また、良い行いは自分に返ってきます。そのため、他人の幸せを思う気持ちを持っておくことで、いつか自分の幸せとなって返ってくることになります。
法施の法は法律のことではなく、より良い人生を送るための教えのことです。そのため、法施とは教えを他人に説くということです。
教えと言っても大層なものではなく、他人に仕事のアドバイスをしたり、悩みの相談に乗ったりすることなども法施となります。誰かに何かを教えるということは、困っている人を助けるということで徳を積むことになります。
徳を積むと自然に良い結果を惹きつけられるようになるので、人生をより良い送ることができるようになります。
その徳の積み方にはいろいろな方法があり、人によって適した方法があります。しかし、徳の積み方がよくわからないという人もいます。
徳の積み方には簡単にできる方法もあります。いろいろな方法を試しながら自分なりの徳の積み方を見つけていきましょう。
自分の部屋、家族で過ごすリビング、食事を調理するキッチンなど、自分が普段使っている場所を綺麗に掃除することも徳を積む行為です。そのため、使ったあとに綺麗に掃除をするようにしましょう。
特に、トイレやお風呂、洗面台のような汚れやすく、みんなが使う場所を掃除することは、他人のためにもなるので、より徳が積めるでしょう。
掃除をすることは徳を積むことになるので、身の回りの物を整理整頓することも徳を積むことに繋がります。
ただし、徳を積む場合には掃除や整理整頓では、他人からの見返りを求めてはいけません。そのため、自分だけが掃除をしている、整理整頓して綺麗にしても褒められないなどと思ってはいけません。掃除や整理整頓は自分の気持ちを綺麗にするという考えを持つようにしましょう。
神社仏閣にお布施することは徳を積むことになります。ただし、お布施と言ってもお賽銭をするということではなく、お玉串料を奉納することになります。お玉串料とは神社に奉納する供物のことです。その供物とはお金のことになります。
お玉串料を奉納する際には熨斗袋にお金を入れて奉納します。この奉納をするまでの行為と供物を奉納することが体施と物施となるので、徳を積むことになります。
笑顔で人と接することは顔施となるので徳を積むことになります。常に笑顔でいることを心がけておけば、周囲に明るい印象を与えることができたり、空気を和ませたりなどすることができます。
また、周囲に良い印象を与えることができていれば、人望が厚くなったり、人脈を広げたりなどにも繋がります。
逆に、険しい表情をしていれば、本当は良い人であっても、他人からは誤解を招くような印象を与えてしまう恐れもあります。無理に笑顔を作っている場合も、作った表情だと他人には伝わってしまいます。
そのため、自然な笑顔が出せるように普段から笑顔を意識して、練習をするようにしましょう。
人に親切にすることは徳を積むことになります。そのため、困っている人や手助けを必要としている人がいれば、その助けとなることを心がけましょう。
日常生活の中には、悩みを抱える人の相談に乗ったり、道に迷った人に道を教えたり、仕事や勉強でわからないところを教えてあげたりなど、人助けになることが多くあります。そのため、人のために何かできることはないか、常に注意を払って過ごすようにしてみましょう。
人に親切にすることは徳を積むことになります。そのため、困っている人が入れば助けることを心がけましょう。ただし、人に親切にする際には、見返りを求めてないよう注意しましょう。
神社にお布施することは体施と物施になるので、徳を積むことになります。また、お布施でなくても、募金や寄付も体施と物施になるので徳を積むことができます。
募金や寄付は金額が重要ではありません。そのため、自分に無理のない範囲で行うと良いでしょう。
また、募金や寄付は買い物をするとその数%を企業や団体が寄付に回してくれるという場合もあります。この方法であれば難しいことを考える必要なく、買い物をするだけで募金や寄付をすることができます。
物は人と同じように親切に接しても、何も感情は返してくれません。しかし、物にはその物を作った人の気持ちがこもっています。そのため、物を大切にするということは、その物を作った人に対する気持ちを大切にするということにもなるので徳を積むことにも繋がります。
他人の幸せを願ったり、心から喜んだりすることは、自分の幸せに直接結びつくことがなければ難しいと感じる人もいます。
しかし、他人の幸せを羨ましがったり、妬んだりなどすると、そのネガティブな感情は自分に返ってきます。逆に、他人の幸せを願い、喜ぶことができれば、そのポジティブな感情は自分に返ってくることになります。
そのため、他人の幸福は自分の幸福でもあると考えるようにしましょう。
相性が悪く、嫌いな人がいるという場合、その嫌いな人と他の人では接し方が変わってしまうことはよくあります。しかし、嫌いだから話さない、親切にしないなどのようにネガティブな感情を持って人と接してしまうと、そのネガティブな感情は自分に返ってきます。
また、上司などに好かれようとして、他の人と接することは見返りを求めていることになるので、いくら相手を褒めたりしても徳を積むことはできません。
そのため、徳を積む人は相手が誰でもあっても、態度や接し方を変えるようなことをしてはいけません。
徳を積む行動をする際の前提条件として、見返りを求めることをしてはいけません。そのため、後から相手のためにしてあげたのに、という感情を持たないように注意しましょう。
このような見返りを求めるようなことは徳を積むこととは正反対の行動や考え方となるので、自分が他人のために対して行う行動には損得勘定を持たないように心がけましょう。
付き合いが長くなるほど、一緒にいることに慣れてしまい、接し方がいい加減となってしまうことがあります。これは、それだけ気を遣うことのない良い関係ということでもありますが、徳を積むという場合では、人に平等に接し、親切であることを心がける必要があります。
そのため、親しい仲であったとしても、相手を敬う気持ちを忘れないようにし、接し方に注意しましょう。
徳を積むための行動はいろいろとあります。また、行動だけでなく、普段の言葉遣いによっても徳を積むことはできます。そのため、行動と併せて、言葉遣いによっても徳を積めるようにしておきましょう。
親しい仲になると、なかなか恥ずかしくて感謝の気持ちが伝えられなくなるということもあります。しかし、親しき仲にも礼儀ありという言葉があるように、親しい相手でもしっかりと感謝の言葉を伝えるときには伝えるようにしましょう。
また、食事の際に「いただきます」と命に感謝したり、感謝を伝えるべき相手が目の前にいなければ心の中で「ありがとう」と言うなど、生活の中で常に感謝を伝える気持ちを意識するようにしておきましょう。
不満が溜まれば悪口が止まらなくなってしまうことがあったり、ついつい悪口で会話が盛り上がってしまうこともあります。
しかし、悪口を言うことは良いことではありません。そのため、悪口ばかり言っていると、巡り巡って、自分に悪いことが返ってきてしまうことになります。そのため、悪口は言わないように心がけるようにしましょう。
言っていることが正しかったり、立派なことであっても、言葉遣いが汚ければ周囲の人が不快に思ってしまうことがあります。人に不快感を与えることは悪いことになります。そのため、日頃から綺麗な言葉遣いを心がけるようにしましょう。
人は褒められれば幸せな気分になります。そのため、褒め言葉を使うことも徳を積むことに繋がります。人を褒めるには、相手のことをよく観察し、理解できていないといけません。そのため、日頃から人の良いところを積極的に見つけることを行うようにしましょう。
ネガティブな発言ばかりしていると、そのネガティブな感情は巡り巡って自分に返ってきてしまいます。また、ネガティブな発言は周囲を不快にしてしまう可能性もあります。そのため、ネガティブな発言が多くならないように日頃から注意しましょう。
ただし、ネガティブな発言というのは否定の言葉を使わないということではありません。場合によっては自分の意見を言うために相手の意見を否定しなければいけないこともあります。また、相手の間違いを正すために否定の言葉が必要となることもあります。
これらは前向きな発言や行動に繋げるための否定なので、ネガティブな発言にはなりません。
お金の話をすることは悪いことではありません。ただし、相手や場所を考えないと周囲に不快な思いをさせてしまう可能性があります。
また、お金の話は損得感情の内容になりやすいです。そのため、会話の内容に注意しないと徳を積むこととは逆のこととなってしまいます。
徳を積むことができれば、自然と良い結果を引き寄せられるようになり、豊かな人生が遅れるようになります。徳を積むということは由来が仏教の教えにあることから、難しいことと考えてしまう人もいます。
しかし、徳を積むということは、難しい行為ではありません。日常生活の行動で、相手のことを思い、見返りを求めないことを意識することで徳を積むことができます。
また、無理に徳を積もうとする必要もないので、自分のできる範囲から徳を積む行動を始めてみましょう。
Written by KOIGAKU