テレビなどでよく目にする性転換を経験した人は男性から女性になった人が多いのですが、LGBT界隈にいる私からすると男性になりたい女性の方が多いなと感じることがしばしば。
男性になってみたいと思うことは珍しいことではありません。今回は、そんな性転換に興味がある女性へ伝えたいことをまとめました。
性転換というと、高額で大掛かりな手術をイメージするかもしれません。それは通称「性転換手術」と呼ばれるもので、現在では正式名称を「性別適合手術」といいます。
手術をせずに、ホルモン注射だけをしていく方法もあります。女性から男性になりたい人には男性ホルモンを、男性から女性になりたい人には女性ホルモンを定期的に注射していきます。
ホルモン注射が進むにつれ、体や心に様々な変化が現れます。男性ホルモンを注射した場合は、ニキビができやすくなる、声が低くなる、体毛が濃くなるなどの変化が挙げられます。
女性から男性に性転換したら、恋愛対象は女性になるのが普通? と思ってはいないでしょうか。
よく勘違いされますが、「自分の性別を何とするか」ということと、「自分がどの性別に魅力を感じるか」ということは別物なのです。
性転換をしても無理に恋愛対象を変える必要はありません。現在、異性愛者だからといって、性転換をするのはおかしいということもありません。
女性から男性に性転換をした後、ゲイとして生きている人も沢山います。
インターネットを使って実に様々な情報を簡単に手に入れる事ができますし、実際に手術やホルモン注射を経験した人のSNSやブログ、動画を用いての記録を見ることも出来ます。
テレビや雑誌などの加工された情報だけでなく、経験者の生の声に触れられるのは、インターネットが発展した現代の強みであるといえましょう。
手術を経験し戸籍変更まで済ませた人から、ホルモン注射を始めたばかりの人、性転換をしたいと思い始めた人など、色んな人が性転換に関する情報発信をしています。
簡単に情報発信ができる反面、受け取る側には確かなリテラシーが必要となりますが、今までよりもより多くの情報に触れられることはメリットの方が大きいのではないでしょうか。
インターネットによって情報を受け取ることに関して前述しましたが、会話が出来るという点も現代の強みです。
年齢や境遇、性転換したいと思う気持ちが似ている人を見つけて、その人が発信している情報に興味を持ったら思い切って話しかけてみましょう。
今まで簡単には話すことの出来なかった考えや気持ちを吐き出すことで、気持ちが軽くなり思考も明るくなるかもしれません。自分の気持ちに共感してくれたり、悩みを聞いてくれる人がいるということは大きな力になります。
インターネットを通じて情報に触れたり会話をすることも大きな行為ですが、実際に似た境遇の人に会うと、自分の中でも大きな進歩となるでしょう。
新宿をはじめとする全国に、「おなべバー」「FTMバー」「男装バー」といった場所があります。
※FTM = Frmale to Maleの略で、女性から男性という意味です。
そこに足を運べば女性として生まれ、現在は男性として生きる人々に沢山出会えることでしょう。
普段の生活の中で、自分が性転換をした人だとおおっぴらに明かしながら歩いている人は殆どいませんから気付くこともありませんが、実はFTMと呼ばれる人は結構居るんだということに気付くと思います。
また、「自助会」や「サークル」と呼ばれるものもあります。同じような困難を抱えた人が集まり、話をしていく場所で、お酒が飲めない人やバーは苦手という人におすすめです。
ここまでは自分一人で出来る行動をお伝えしてきましたが、ここからは周囲の人に話すことで自分の気持ちや頭の中を整理することをおすすめします。
考えを実際に言葉にして誰かに伝えるということは、自分自身のためにも非常に良い行為です。
何に対してどう感じ、どう考え、これからどうしたいのか、自分でもよく分からないことがありますから、特にそのような状態の人におすすめしたいです。
性別適合手術、通称「性転換手術」は、非常に高額だというイメージがつきものでしょう。しかし、つい最近この手術に保険が適用することを政府が検討をはじめました。
これをきっかけに性転換に関するポジティブな情報が出てくるといいですね。
Written by 愛