チーズも豆腐も両方とも、高栄養の発酵食品として有名です。
この2つの栄養素を比べるとともに、そのおいしい食べ方について、チーズの資格を持つ私が解説していきます。
発酵食品として長い歴史を持つチーズには、無数といっていいほどの種類があります。
チーズは、その種類によって栄養価が大きく変わります。たとえば、フレッシュチーズである「カテージチーズ(カッテージチーズとも)」の場合は、カロリーがわずか105キロカロリーしかありません。
カルシウム量も控えめで、55ミリグラムです。ビタミンB2の量も、主なチーズのなかでもっとも低く、0.15ミリグラムしかありません。
対して、主なチーズのなかでもっとも栄養価の高いパルメザンチーズは、1300ミリグラムものカルシウムを持っています。カッテージチーズのなんと23.6倍以上です。ビタミンB2の量も0.68ミリグラムで、カロリーも475キロカロリーもあります。
ちなみに、たんぱく質の量は、カテージチーズが13.3グラム、パルメザンチーズが44グラムです。
チーズの栄養価というものを考えた時、そこには、「種類が大きな影響を与えるのだ」ということをまずは覚えておいてください。
豆腐も種類によって栄養素は異なります。しかしその量の差は、チーズほどではありません。
たとえば、木綿豆腐と絹ごし豆腐は16キロカロリー程度しか変わりませんし、ビタミンB(ビタミンB1~ビタミンB12)もほぼ等しく、大きな差が表れにくいのです。
ただし、「カルシウム」だけは別です。
木綿豆腐は絹ごし豆腐の約3倍ものカウシウム含有量を誇っています。
たんぱく質の量でも、やや差があります。
木綿豆腐は6.6グラム、絹ごし豆腐は4.9グラムです。
豆腐にしろチーズにしろ、高い栄養素をを誇る発酵食品だということがよく知られています。
豆腐は高たんぱく質でありながら低カロリーであることしてダイエット中の人に非常に愛されています。チーズは牛乳以上のカルシウム量を誇り、健康によい食材として広く愛されています。
さて、このチーズと豆腐はしばしば、組み合わせて「料理」として出されます。
豆腐にチーズをかけて焼き上げるレシピも多いのですが、ちょっと変わった食べ方もあります。
それが、「豆腐のサラダにチーズをあわせる」というもの。
ただしここで使うのは、いわゆる「角切り豆腐」ではありません。
豆腐をガーゼで巻いて重しをのせ、水分をしっかりと切ります。
パサパサになった豆腐は手でほろほろとほぐすことができるので、しっかりとほぐしておきましょう。
その後でコマツナなどの青野菜を茹で、トマトをスライスしておきます。これに豆腐を合わせて、パルメザンチーズを振りかけて食べるのです。お好みで塩を加えるのもよいでしょう。
普段食べている豆腐とは異なる食感に、チーズのコクが合わさり、非常に食べ応えのある一品になります。
ちなみにこのように処理をした豆腐はカテージチーズと似た外見になるので、見た人が「チーズのサラダかな?」と見間違うことも多く、その驚きも一緒に楽しめます。
トマトは切ると水分が出てしまうので、盛り付ける直前に処理をするとよいでしょう。また、茹でたコマツナもしっかりと水を切っておいてください。
また、チーズも豆腐も、単体として食べることもできれば、ほかの食材と組み合わせてもおいしいものです。たとえばチーズは和の調味料であるミソと相性がよく、豆腐は洋のお菓子であるティラミスの材料ともなります。
いろいろ組み合わせて楽しんでくださいね。
〈参考元〉
食品成分表改訂版(2006年)|p36-37 196-197
Written by 鍋谷萌子