Z世代やX世代、Y世代など、「〇〇世代」という呼称を耳にするようになって久しいですが、これらの言葉がどのような世代を指すのか、正確に回答できる人はどのくらいいるでしょうか?
今回は「X世代」を中心に、各世代との違いや特徴についてわかりやすく解説します。
X世代は、1965~1980年生まれの世代を指します。つまり、2024年現在で45~59歳の人がX世代です。
いわゆる昭和生まれの現役労働世代で、昭和的な古き良き価値観を持ちつつ、コンピューターやインターネットなどが目覚ましい発展を遂げた黎明期を目撃してきた世代でもあります。
革新的なテクノロジーに触れてきた影響か、新しい価値観を取り入れたり、変化に対して臨機応変に対応したりするのが上手なタイプが多い世代という印象です。
事実、終身雇用や年功序列が当たり前だった昭和当時から、現代的な実力主義社会へシフトした社会の荒波の中を生きてきたわけですから、否が応でも適応力が磨かれたのでしょう。
自立性や能動性が高いのも特徴です。
一方で、いわゆる昭和の価値観から脱却できない人が多い層でもあり、根性論や精神論に頼ってしまったり、男尊女卑や年功序列など、人減関係に序列をつけてしまったりする傾向も。
せっかくなので、X世代だけでなくZ世代、Y世代それぞれの年齢も見てみましょう。
【Z世代】
1997~2012年生まれ(1995~2010年、1997~2015年など諸説あり)
2024現在は12~27歳あたりの層
特徴:生まれたときからインターネットやスマホが当たり前の環境に育ったデジタルネイティブ。多様性に高い関心を示す傾向がある一方、短時間で多量のコンテンツを消費する習慣からか、X世代と比較して集中力が低い傾向も。現実的かつ安定志向で、堅実な考え方を好む。
【Y世代】
1981~2012年生まれ(1980~1995年、1981~2000年など諸説あり)
2024年現在は28~43歳あたりの層
特徴:他の世代と比べ高い教育を受けた世代で、大学進学率が高く知識や技能への投資意欲も高い傾向がある。一方、キャリアよりもワークライフバランスを重視する傾向も。
それぞれの世代の特徴をまとめると、次の表の通りです。
項目 | X世代 (1965~1980年) | Y世代(ミレニアル世代) (1981~1996年) | Z世代 (1997~2012年) |
---|---|---|---|
デジタル技術 | アナログ世代 → デジタル技術に後から適応 | デジタル移行世代(アナログからデジタルへ) | デジタルネイティブ(生まれたときからデジタル環境) |
働き方 | 安定志向、終身雇用・年功序列重視 | 自己実現志向、柔軟なキャリア形成(転職・副業) | スピード重視、起業志向、リモートワークに適応 |
消費傾向 | 実用性・高級ブランド重視 | 体験重視(旅行・エンタメ) | サステナブル重視、オンラインショッピング主流 |
価値観 | 伝統的価値観、家族・独立心を重視 | 多様性・個人の幸福を重視 | 環境問題や平等、ソーシャルグッドを重視 |
社会背景 | 高度経済成長後の安定期 → バブル崩壊 | 経済停滞期 → インターネット・SNS普及 | 世界的な経済・政治の不安定 → AIやDXの台頭 |
主なライフイベント | 家庭を築き、資産形成や老後準備を進める | 結婚・育児を後回しにしつつ自己実現を模索 | 学業・キャリア構築中(ライフイベントを柔軟に選択) |
情報収集手段 | TV・新聞が主流 | PC、SNSの活用を開始 | スマホ・SNS、動画プラットフォーム(YouTube、TikTok) |
X世代はやや昭和的な価値観で、特に自分より目下の人間への敬意を欠いてしまいがちな問題があります。特に昨今の厳しいコンプライアンスのアップデートが追い付かず、ついうっかりハラスメントをしてしまいやすいのもこの世代。
Y世代は、まだまだ昭和的な価値観が引き継がれてはいるものの、より現代的に刷新された価値観を持っています。しかし、自立志向の反面、厭世観が強い傾向も。
Z世代は、安定志向かつ合理志向なので、ムダな投資を行わない傾向があります。合理的な反面、挑戦や競争を敬遠しがちなので、上の世代からは「やる気がない」と誤解されてしまうことも。
さて、それぞれの世代の弱点や短所を簡単にあげてみました。各世代の特徴が、いっそう浮き彫りになったのではないでしょうか。
古今東西変わらず、世代間ギャップは必ず生じます。生まれた時代が違うのですから、それは仕方のないことですし、当然のこと。
大切なのは、それぞれの世代がそれぞれの世代への理解を深める意思を持ち、敬意を払うことです。
それぞれの短所を理解し、相互理解や譲歩の姿勢を維持しつつ、各々の長所を伸ばせるようなコミュニティづくり、ひいてはより良い地域社会や国をつくっていく意識が、個々に求められる局面に差し掛かっているように感じます。
X、Y、Z世代の具体的な年代を、本記事で初めて知った方もいるのではないでしょうか。
それぞれの世代には、それぞれの特色があります。何が良くて何が悪いというのでなく、まずはそれぞれの違いを知ることが大切です。
ジェネレーションギャップを忌み嫌うのではなく、むしろそれを知見として活用し、良好な人間関係を築きながら生きたいですね。
Written by はるお