勘違いすると人生が詰む⁉ 社会の勝ち組になるためのマインド3つ

長らく続く日本の不景気。2019年末から始まった世界的なパンデミックを機に、世界情勢や世界経済が大きく揺らぎ、度重なる物価高や経済ショックなどにより、日本人の暮らしはますます苦しくなってきました。

経済的な苦境にあると、誰しも「もっとお金が欲しい」と考えます。さらには「勝ち組になりたい……!」という願望や野望を抱く人も増えるでしょう。

しかし、ここに人生の落とし穴があることに気付いている方はどれだけいるでしょうか。

今回は、「社会の勝ち組・負け組」の概念に隠された、「人生が詰むレベルの恐ろしい勘違い」についてお話しします。

そもそも「社会の勝ち組」って何?

そもそも「社会の勝ち組」って何?

みなさんがイメージする「勝ち組」とは、どんな人でしょうか?

圧倒的な経済力を得た人なのか、あるいは圧倒的な知名度や人気を獲得した人なのか。はたまた圧倒的な権力を得た人なのか。

筆者が思うに、世間一般的には、「経済的成功を収めた人」が「勝ち組」と評されている印象です。

確かに不景気の中で経済的成功を収めた人は、誰よりも優秀で誰よりも自由なイメージを抱かれがちでしょう。

また、知名度や人気が高ければ収益化もしやすいので、これらを利用して経済的成功を手に入れようという動きも近年は盛んです。

もっともわかりやすい例が、P2C(Person to Consumer)のビジネスモデルを掲げるインフルエンサーです。

彼らはSNSなどを利用して知名度を獲得し、知名度を利用したビジネスを立ち上げ、さらには販路を拡大するためにいっそうの知名度を欲しがります。

たくさんの人に名前を知ってもらい、ファンが現れ、多大な人気や影響力を得た彼らですが、果たして本当に勝ち組といえるのでしょうか?

人間の幸福を形成するものとは

内閣府が主催する「幸福度に関する研究会」によると、人間の幸福度は大きく「心身の健康」「経済社会状況」「関係性」の三つが主軸と考えられています。

これは厚生労働省が毎年発表している自殺の状況調査の結果とも適合しており、平成25年から令和3年までの調査の平均を見てみると、もっとも多い自殺原因が「健康問題」、次いで「経済・生活問題」、そして「家庭問題」「勤務問題」と続きます。

つまり、内閣府が発表した通り、幸福度を左右する三つの主軸が損なわれたときに自死を選択する人が多いということ。

言い換えれば、この「幸福度を左右する三つの主軸」を満たせば、幸福度が高いいわゆる「勝ち組」になれるはずです。

参考文献:内閣府「幸福度に関する研究会報告 ―幸福度指標試案 」

参考文献:厚生労働省「自殺の統計」

「勝ち組」は本当に幸せか?

「勝ち組」を自称し、さらにはSNSなどでキラキラしたライフスタイルを発信してブランディングすると、多くの人から羨ましがられ憧れの目を向けられます。

しかし、実際のところ彼らは本当に「勝ち組」なのでしょうか?

結論から言うと、真に人生の幸福度が高い「本物の勝ち組」はかなり少ないことが予想されます。

先の「幸福度を左右する三つの主軸」と照らし合わせればすぐにわかりますが、インフルエンサーをはじめとする人気商売を生業にする方々は、一般の方々よりも多くの収入を得る傾向がありますが、一方で健康問題や人間関係における問題やトラブルを抱えやすい傾向もあります。

特に著名人ほど多くの人の目にさらされるわけですから、世間の評価や噂などへのストレスも大きいでしょう。

また、プライベートな人間関係だけでなく、ファンやアンチなど見ず知らずの方々との関係性もストレス値を高める重大な要素です。

彼らは言うなれば、幸福度の主軸の一つである「経済社会状況」を得るために、「心身の健康」と「関係性」を代償にしているともいえます。

逆に言うと、高い知名度や経済力とともに、心身の高い健康レベルと幸福な関係性を実現できたら幸福度は非常に高く、それこそ本物の勝ち組といえるでしょう。

実は誰でも勝ち組になれる⁉ 勝ち組になるためのマインドセット

実は誰でも勝ち組になれる⁉ 勝ち組になるためのマインドセット

自称「勝ち組」の人々は、こぞって自分を勝ち組だと思い込ませるような演出を行い、大衆に向けて印象操作を行います。

しかし、彼らを勝ち組だと勘違いすればするほど「自分自身の幸福度の軸」を見失い、いつまでも幸せになれない悪循環に陥ってしまいます。

そこで、そんな悪循環や、誤った勝ち組思想の呪縛から解放されるのに有効な、いくつかのマインドセットをご紹介します。

これらのマインドセットを体得すれば、誰でも勝ち組や負け組といった歪んだ価値観に左右されないメンタルを手に入れられるはずです。

1.勝ち組・負け組の固定観念を捨てよう

そもそも「勝ち組・負け組」という序列志向の固定観念そのものから抜け出しましょう。

人生の勝ち負けや成功・失敗を決める必要はありません。そもそもどこかの誰かが作った価値観で、自分自身や他人の価値を測ることに何の意味もないのです。

では、序列志向から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか。

答えは「誰かに認められたい」「人から羨ましがられたい」「価値ある自分でありたい」といった、自分自身の承認欲求としっかり向き合い、克服に努めることです。

「この人のようになりたい!」「この人が羨ましい!」と思わせるようなマーケティングに乗っている以上、歪んだ勝ち組負け組思想からは、いつまでも抜け出せません。

「そもそも人生の根本に勝ち負けなど存在しない」ということに気付くことが大切です。

2.幸福を自分で定義しよう

自分の人生の幸福を、自分自身で定義することは、幸福な人生を歩む上で非常に大切です。

特に近年は、不景気を逆手に取り、視聴者の顔を札束で叩くようなコンテンツが量産されています。

もちろん本物の富豪はそんなことをしません。富豪のように演出し、大衆のイメージを操作してお金に換えたい一部の人がそのようにしているわけです。

このようなマーケットの当事者でいる以上、「お金を持っている人が一番偉い」といった昨今のような典型的な「歪んだ勝ち組思考」に陥ってしまうのは必然でしょう。

言うまでもなくお金は単なるツールに過ぎず、お金で買えない幸せは世の中にたくさんあります。むしろ人生の幸福度を直接的に左右する要素の大半は、決してお金で買えないものばかりです。

世の中の風潮や慣習、同調圧力などに惑わされず、自分の幸せを自分で定義する意識を持ちましょう。

3.自分は最高の存在であることを知ろう

・誰かに評価してもらわなくても、誰かの役に立たなくても、自分の存在価値が揺らぐことはありません。あなたも私も生まれたときから最高の存在ですし、仮に自分を最低の存在だと思い込んでいたとしても、それでもかまいません。

しかしいずれにせよ、あなたも私も唯一無二で最高の存在であることに違いはありません。

「自分は最高の存在である」ということを、単なる事実としてありのままに認識できれば、勝ち組や負け組といった不毛な競争舞台に立つ必要もなくなります。

「あなたにとって価値のある自分かどうかはあなたが決めてください。私にとって私自身の存在は唯一無二で、最高の存在です」というマインドで生きましょう。

人生に勝ち負けはない!自分らしき生きよう

人生に勝ち負けはない!自分らしき生きよう

社会が定義する「勝ち組」になったからといって、幸せな人生を歩めるとは限らないものです。

しかし「社会が定義する価値観に依存せず、自分の人生の幸せを自分で定義すれば、幸せな人生を歩める確率が高い」のは間違いありません。

勝っても幸せになれないのなら、その勝利に何の価値があるでしょうか?

世俗的な価値観に囚われず、本当の意味で幸福かつ自分らしい人生を歩むために、「勝ち組・負け組」といった幻想からできるだけ早めに離脱するのがおすすめです。

Written by はるお

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