自分は、仕事ができない人材だ。
そう自覚するのは、とてもしんどいことです。私は、自分がそうだと認めるのに数年かかりました。
私の場合は、「察しあう系」のチームワークが苦手です。会議でフワっと決定事項が流れ、次に取る行動が不明瞭だと混乱してしまうのです。
「それ、あの時決まったよね」「え? 誰も議事録にもしてないし、明確にも言ってなかったよね」と、会議のたびに撃沈。
もしやASD(アスペルガー障害)ではないかと診察を受けましたが、診断には至らず「ただの無能」という事実に打ちひしがれました。
1. 仕事ができない人は別の場所で輝くこともある
私が、協調性を重んずる職場で全く仕事ができない人間だと認められなかったのは、「それ以外」の職場で褒められて育ってしまったからです。
とにかく出張って話をしろ、議論大好きなインド人を黙らせるくらいロジカルにしゃべって圧倒しろ……といった職場では大活躍……してしまいましたし、一人作業も得意。明確に次のステップが決まっている業務はバリバリ進められます。
逆に「次に取る行動が不明瞭で、察する必要がある」職場で苦戦しても、上司との相性が悪いのかな? 自分の調子が悪いのかな? と、その場で原因を考えてはみても「こういう場面では、仕事ができない人になるんだ」と認めることができませんでした。
同じようにあなたが「仕事ができない人」と職場で認識されていても、それはシチュエーションや、会社の文化によるのではないでしょうか。
2. 仕事ができない人を脱却するなら環境を変えるか割り切るか
脱・仕事ができない人を考えるなら、取れる手段は2つ。職場を変えて自分が評価される風土の新天地を求めるか、割り切ってしまうかです。
転職は近道ですが、「自分がどこでなら輝けるか」を理解していないと、次の職場でも同じよう、のたうち回るかもしれません。
割り切りは「今の環境では評価されないのもやむなし。
しかし、辞めるほどでもない。自分の心を守るために、周囲からどう思われているか一度忘れよう」という守りの一手です。
会社での成長は望めませんが、病むことは防げます。
周りの目を気にしながら、苦手分野を克服するのはいばらの道。努力しても構いませんが、メンタルを病む覚悟も必要です。
仕事で名を残したいなら、「できる人」に張り付いて、学びながら這い上がりましょう。それも楽しい人生です。
しかし、病まない程度に長く働くなら、まずは自分の心を守るために周りの評判をシャットアウトしてください。
そして、自分が評価されやすい職場環境を転職エージェントにでも相談してみましょう。