POPソングは、歌い手が有名であればあるほど売れます。瞬間的にであっても売れます。
では、ながく歌い継がれる(聴き継がれる)歌とはどのような歌なのでしょうか?
作り手の立場からいえば、まず、基本に忠実に作られている楽曲であり、次に、歌詞とメロディの両方に心がある歌です。
今回は、若い皆さんにはあまりなじみがないかもしれませんが、本当にいい歌、聴いていて希望が持てる歌、さらには、聴いていて女子的にすごく嬉しくほっこりする歌をご紹介しましょう。
1. 女子のことを褒めている歌詞ってあまりない
ところで、小田和正さんって、若い人にとっては、自分のお父さんか、おじいちゃんくらいの世代の人かもしれませんね。72歳だから(2020年4月現在)。
いま、コロナの影響で外出を控えていたり、自宅勤務を余儀なくされたりして、時間がある人は、その「お父さんかおじいちゃんの世代の」小田さんの歌をぜひ聴いてみてください。
いつもはきっと聴かないでしょう? 時間があれば聴いたことのない曲を聴こうかなと思っても、いつもは忙しくてそんな時間ないでしょう?
だから、時間がある今、ぜひ聴いてみてください。
たとえば「たしかなこと」という歌。小田和正さんの歌詞の特徴はいくつかあって、ひとつは、女子のことを褒めているということです。
それから、君が好きとストレートに言っているということ。
さらには、君もいろいろ大変だろうけど、そのままの君が好きだから一緒に乗り越えていこうと、背中を押してくれている歌詞だということ。
そして、それらのメッセージをとおして「今」をともに、希望をもって生きようと言ってくれているということ。
ちなみに、これらすべての要素が詰まっている歌詞って、あまりないんですよね。失恋ソングは世の中にたくさんありますね。過去のことを思い出して書くのは、わりと簡単だからたくさんあるのです。
対比的に、今という「動きのある時」を、静止を余儀なくされている言葉というツールを使って書くのは、プロでもむずかしいんですね。
だから「今」をともに生き抜こうという現在進行形のメッセージ性のある歌詞は少ないのです。
2. 希望とは「今」をともに生きることで生まれる
さて、みなさんコロナで大変だと思いますが、元気ですか?
仕事を失った人もきっといるでしょう。失ってはいないけど、バイトのシフトを減らされて、今月の家賃をどうしようかと、なかば絶望的な気分になっている人もいると思います。
経済的なダメージは少ないものの、どことなく閉塞感と緊張感を強いられ毎日に疲れている人もきっといることでしょう。
経済的なことは、個々人の状況や主観が大きく入るので、あまり一概にどうと言いたくないのですが、でも大胆に言い切るなら、希望さえあればどうにかなります。
多少お金がなくても、希望さえあれば、人生どうにかなります。
もっともマズイのは、お金はあるけど希望が心から湧いてこないという状態です。この場合は、もうどうにもならないのです。
反対に、お金はないけど希望はあるという状態であれば、未来は明るいのです。だから、ひとりひとりが、希望を自家発電する必要があるのです。
希望を自家発電できない人は、よかったら、小田さんの「たしかなこと」を聴いてみてください。自分が誰かに褒められている気持ちになるはずです。
そのままのあなたでいいのだと、あなたの存在そのものを全面的に肯定してくれている気持ちになるはずです。彼氏に「君が好き」と言われている気分になるはずです。
そしてなにより、いろいろ大変なことはあるけど、でも前を向いて歩こうと思えてくるでしょう。
3. こういう時だからこそ「いい歌」を聴いてほしい
今のように(人によると思いますが)暇を持て余しているとき、もっと遊び心のある歌を紹介する暇つぶし的なコラムのほうがいいのかもしれないと思いました。
でも、暇つぶしはしょせん暇つぶしなんですね。
「もうこの曲聴いた。ああ、ほかに聴きたいものがない。ああ暇だ」暇つぶしって、結局はこの繰り返しなんですよね。そうですよね?
だから、若い人が知らなくて、それゆえ若い読者の反感を買うおそれがあることを承知のうえで、あなたのお父さんだかおじいちゃんだかの世代の人の歌をご紹介しました。
繰り返しになりますが、希望さえあれば、人生どうにかなるからです。
どうか希望を胸に、そして、願わくは、他者に希望を与えることのできる存在として生きてください。ぼくもそういう存在でいられるよう努めます。
お互い健康に気をつけて、元気でいましょう。