気が利く人って、身の回りに1人でもいると文字通り頼れる存在だと認識してしまいますよね。
ここぞというときのアシストが上手で、痒いところに手が届く。そういう人が、たとえば職場の仲間のいると、さまざまな困難にも立ち向かえそうに思えます。
ですが、気が利く人ってなかなかそう多くはありません。
ですので「気が利く人と一緒に仕事をしたい」と思うよりも、いっそ自分自身がそういう人物になるために努力するほうが、建設的かもしれません。
そこで今回は、具体的に気が利く人になるためには何が必要かというところに注目してみたいと思います。
気が利く人は、リスク管理が上手であるということは言えると思います。そしてリスク管理が上手ということは、物事の先読みができているということ。
それでは、この先読みに焦点を絞って、ちょっと色々と考えていきましょうか。
1. 先読みができる=気が利くということ
気が利く人というのは、得てして先々起こりうる問題点について、ある程度予見できている人物です。
たとえばものすごく簡単に説明すると、みんなでキャンプに行ったとします。
このときにカレーを作ろうという話になったとき、気が利く人はある程度カレーが完成に向かい、お米も炊けたという場合にはさっさとお皿を用意して「あとは盛り付けをするだけ」という状況をサラッと用意するんですよね。
ここで肝心なのはお皿を用意するという作業自体は、何のスキルもいらないという点です。これなら調理ができなくても、誰でもできる行動です。
そしてカレーを食べるなら、お皿は絶対に不可欠です。このような当たり前の気づきから来る行動をさらりとできる人は、それこそまさに気が利く存在でしょう。
気が利く人って、特別な技術はなくても、「あ、それは助かるわ」というようなことを、誰よりも先んじて実践できる人が多いように思えます。
これって結構周囲のストレスを除去するために欠かせない人員ではないかと思うんですよね。
たとえが稚拙なカレー云々の話なので、イマイチしっくり来てない方も多いかもしれませんけど、仕事に当てはめればもう少し理解できるんじゃないでしょうか。
ただ、僕は”気が利かない”ので、どうしてもカレーに例えたかったんです!
2. 先読みができる人になるためには?
気が利く人と言うのは、究極的には指示待ち人間の対極にある存在です。
言われないと何もできない人はみんなをイライラさせるものですが、気が利く人は言われない分野にも目が届きますし、まず何か目標があった時点で「こういうことが想定されるな」という先行きへのビジョンを見る能力を持っています。
仕事に置き換えて話をしましょう。一度経験したようなプロジェクトであれば、以前すんなり行かなかったり、停滞した部分についての記憶を参考に、次はそうならないように工夫すればいいということになります。
失敗があってこそ、「前はこういうトラブルがあったから、今回はあらかじめこう対処しよう」という考えを持つことができるわけですね。
こういうことの積み重ねが、いわゆる気が利く人になるためには必要なものだと思えるんです。
だから、言ってみれば気が利く人って、成功も失敗も含め、多くの経験を積んでいる人ということになるんじゃないでしょうか。
若くて、経験もあまりないうちから気が利く人になれって言われても、そりゃちょっと難しいと思えるのです。
何度か失敗して、その上で最適解を見出したような人。そういう人が、気が利く人になろうとする資格があって、実際それが可能になるような人材じゃないかと、筆者は考えます。
とにかく、それなりに失敗と効率の悪い思いを経験しないと、気が利く対処は思い浮かばないことが多い、というわけですね。
3. おわりに
ところで筆者は在宅で、常に1人で仕事をしています。
ですので今は誰かに対して「気が利くなぁ」と感じたことも当然ないわけですが、サラリーマン時代にはそう感じる事態も多々ありました。
そして今にして思うと、やっぱりそう感じさせる人って、周囲の人たちをしっかり観察しているというのもあるけど、それ以上に人よりも多くの失敗を経験していたように記憶しています。
恐らく彼ら、気が利く人たちにしてみれば「僕が、私がつまづいたところでは、やっぱりみんなも困るはずだ」という意識が働いていたんだと思うんですよね。
そして実際、彼らのその杞憂は当たるんです。その杞憂に対しての対策が、彼らの周囲をして「気が利く対応だなぁ」と感心させるものなんじゃないでしょうか。
気が利く人になるためには、自分の失敗や困難を、後々に活かすための前向きなビジョン。これを持つことが大事というわけですね。
逆にしばしば、周りの意見を取り入れようとせずに独断で突き進んで「私は気が利くでしょ?」みたいな態度をして1人で悦にひたっている人を見ることもあります。
だけどこういう人って所詮は自己満足の対処で納得しているだけで、現場の他の人からすると「状況をかき乱してるなぁ」という判断を食らいがちです。
言ってしまえば、気が利く人間から一番遠い存在になっちゃってるわけですね。そういう人も結構いますので、なおのことマジで気が利く人は重宝されています。
人間、失敗はつきもの。どうせなら、失敗を重ねて学び、気が利く人になって重宝されたいところですよね。