最近あなたは恋愛をしていますか。忙しさから「恋愛をする暇がない」とか「恋愛の仕方がわからない」など、恋というものから遠ざかってしまっている人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、20代女性に特におすすめしたい恋愛小説についてご紹介していきましょう。
青春時代を感じさせる胸キュンストーリー、運命を感じさせる大人のラブストーリーなど、人気のあるものをピックアップしました。
※一部ネタバレがあります
1. 『君の名は。』
- 『君の名は』角川文庫
- 著者 新海誠
映画として大ヒットし、さまざまな賞も受賞するなど、一世を風靡したアニメーション作品です。
時空を超えて出会った2人が、お互いに相手に惹かれていき、ついに会おうとする直前、目の前には衝撃の事実が……。
小説では、映画には出てこなかったシーンやストーリーなどが描かれ、一度映画を観た人でも十分に楽しむことができる作品です。
「運命」を感じさせるさわやかラブストーリー
田舎町に住む女子高校生の三葉と、大都会の東京に住む男子高生の瀧が夢の中で入れ替わり、それぞれの町で生活をすることから始まる、ファンタジーストーリーです。
夢の中で何度も入れ替わることで、お互いの存在が気になってきた頃、突然入れ替わることがなくなってしまいました。
自分たちのつながりが特別なものだと気付いた瀧が三葉に会いに行くと、そこには驚くような光景が広がっていました。
切ない気持ちにキュンとする
世界がこれほどまでに酷い場所ならば、俺はこの寂しさだけを携えて、それでも全身全霊で生き続けてみせる。
これは、小説の中の一説。
瀧の三葉に対する想いが痛いほど伝わってきます。
奇跡のような巡り合わせやハプニング、生まれる前から決まっていたかのような絆や運命を感じさせるラストシーンなど、最後までドキドキが止まらない作品です。
2. 『イニシエーション・ラブ 』
- 『イニシエーション・ラブ』文春文庫
- 著者 乾くるみ
映画化もされた人気の恋愛小説。あるテレビ番組で「二回読みたくなる」と絶賛されたほど惹き込まれる作品です。
『イニシエーション・ラブ』には、サイドAとサイドBの2編あり、主人公の鈴木が歯科衛生士の成岡繭子に出会ったことから始まります。
イニシエーションとは、「通過儀礼」を意味する言葉で、『イニシエーション・ラブ』は、大人になるためのステップである恋愛模様を描いた作品です。
学生時代の恋を思い出させてくれるサイドA
サイドAでは静岡を舞台にし、青春ならではの瑞々しい恋愛ストーリーが描かれています。
恋の始まり特有のドキドキや、主人公とヒロインが中を深めていく様子など、若い二人の恋愛のほろ苦さ、そして大人の扉を開けた二人の甘美さなど、あらゆるシーンが胸の奥をさわやかに刺激します。
主人公の鈴木とマユが初めで出かける夏のドライブのシーンは、シャイな2人の微妙な距離感が伝わる見どころのシーン。
誰もが一度は感じたことのある恋愛中ならではのさまざまな感情を思い出せてくれます。
大人の恋愛を教えてくれるサイドB
静岡で暮らす主人公の鈴木とマユは、鈴木の仕事の事情から東京と静岡で遠距離恋愛をすることになってしまいました。
はじめこそ、忙しい時間の合間を縫って鈴木が静岡に会いに帰ってきていましたが、東京で出会った石丸という女性に気を惹かれるうちに、どんどん足が遠のきはじめ、ついには疎遠に。
そんな中マユは妊娠。鈴木に告げるも、二人は結局堕胎を選び、鈴木は新しく石丸と歩み始めることを決意しました。
学生から社会人になると多くのカップルが直面する「あるある」をリアルに描き、思わず自分に重ね合わせて考えてしまう、せつないストーリーです。
衝撃のラストに絶対もう1度読み返したくなる
ラストは思いもよらなかったカミングアウトがあり、あまりに意外な結末に度肝を抜かれることでしょう。
「そうだったんだ」と納得できる人もいれば、少し悲しい気持ちになってしまう人もいるかもしれません。
それまで読んできた小説の内容をもう一度読み返したくなることから「必ず2回読みたくなる」と絶賛されています。
3. 『ライオンハート』
- 『ライオンハート』新潮文庫
- 著者 恩田陸
17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、そして、20世紀のパナマとフロリダと、時間と空間を越えて何度も出会う男女の物語。
何度縁が途切れても不思議とまた巡りあう……。運命というものが本当にあるのだと、ロマンチックな夢を見させてくれる恋愛小説です。
恩田さんの作品には熱烈なファンが多く、2019年には『蜜蜂と遠雷』が映画化されたことでも有名です。さりげない文章なのに、読み手の感情をえぐるような描写に、病みつきになる中毒者が続出中です。
終わりが始まりのパラレルラブストーリー
主人公は、エドワードとエリザベス。イギリスを舞台にし、何度も出会っては離れ、また時を超えて出会っては離れ……と、押し寄せては引いていく波のように、二人の縁の深さを描いた作品です。
1932年、二人の最初の出会いが訪れます。この時エリザベスは12歳。エリザベスはエドワードに、「自分たちは未来に出会う運命である」と告げますがなかなか信用してもらえません。ちょうどその時、車に轢かれそうになるエドワードの姿を見つけて身代わりになり、エリザベスが事故死。
一見すると悲しい結末ですが、これが二人の次の出会いにつながっていくのです。
物語の壮大さに心打たれる
「二人の縁はこれまでか」と思わせながら、また必然だったかのように出会い、お互いに惹かれあっていく。決して結ばれることはなく、そのいきさつや二人のやり取り、相手を思いやる気持ちに切なさが溢れます。
夢のようなハッピーエンドは期待できないものの、恋愛している時にしか感じることのできない切ない気持ちにどっぷりとつかることができます。
魂の結びつきが強ければ、肉体が果てても、また何度でも巡りあうことができる純愛ストーリー。壮大な物語は、単なる恋愛小説ではなく、ファンタジー的な要素も感じられる作品です。
4. 納得のいく恋愛小説の選び方とは?
フィーリングを大切に
自分の読みたい恋愛小説に出会うためには、直感を信じることです。
恋愛の形には正解がなく、誰として同じような恋愛ストーリーを紡ぎだすことはできません。ですから、小説も十人十色で、同じような時代背景や登場人物であっても、その中身は全く違うものなのです。
自分が納得する恋愛小説を選ぶためには、一度パラパラとページをめくってみて、世界観や言葉の言い回し好きか好きじゃないかなど、その時に感じたフィーリングを大切にしましょう。
「あんまりかな」と感じても気になるなら読む価値あり
実際に手を取ってページをめくった時、「読みたい物語ではないな」とすぐに本を閉じてしまうこともあるでしょう。しかし「なぜかやっぱり気になる」と少しでも引っかかるところがあれば、読んでみる価値があります。
恋愛も出会いのタイミングや直感が大事であるように、恋愛小説も同じです。手に取った時が出会いであり、少しでも気になるのは心惹かれている証拠。
はじめから「あの作品を購入しよう」と決めて書店に行くより、偶然の出会いから手に取った本を読み進める方が、どんどんのめり込んでいけるでしょう。
5. まとめ
恋愛は素晴らしい
人を好きになったり愛したりする心は、人の本能です。ですから、恋をすることを忘れ恋愛から遠ざかっている人は、もしかすると心に余裕がないのかもしれません。
もしも思い当たるなら、恋する気持ちや恋愛で感じられるあたたかで幸せな気持ちを小説から感じてみてください。
きっと、誰かに恋したくなるはずですよ。