ボルダリングに通い始めて1ヶ月くらい経つと、パワーだけでは登れない課題が出てくるころです。登れそうで登れない課題に苦戦している人や、パワーばかり使って腕がパンパンになってしまい、登れる時間が少ない……と言う人も多いでしょう。
今回はボルダリング男性初心者の人がレベルアップのためにマスターしたいコツをご紹介します。なかなか登れなくて苦戦している人は必見です!
登る前にオブザべは必ず行なおう!
ボルダリングを始めて1ヶ月くらいしたときって、登れなかった課題が登れるようになり楽しくなる時期ですが、同時に登れない課題に苦戦してもやもやしてしまう時期でもあります。
そんなときに登れるようになるコツは、オブザべを必ず行なうようにすることです。
トライしている課題は、登る前にきちんと「どのホールドを使うのか」「どういう動きで一手を出すのか」など想像していますか?
スタートからゴールまで一手ずつ細かく想像していくことを“オブザべ”と言います。
このオブザべはとても重要で、オブザべをせずに登ってしまうと、「どのホールドを使うの?」「足はどこに置いたらいいの?」など、登っている最中に困ってしまい、体力が尽きて落ちてしまうことがあります。
オブザべをしっかり行なうことで、このような事態を防ぐことができます。
基本の姿勢をマスターしよう!
ボルダリングの基本姿勢は「壁から身体を離さないようにすること」と「重心を低くして腕を伸ばす」です。
初めてボルダリングをした人や、ボルダリング初心者の人は、腕の力を使って重心を高くあげがちです。
必要以上に腕の力を使ってしまうと、登っている最中に体力の限界がきて落ちてしまいます。
壁から身体が離れてしまうと、ホールドを取りにいくときには、いちいち腕の力を使い身体を壁によせる動きが必要になるので、体力を無駄遣いしてしまいます。
できるだけ体力を温存させながら登るには、最小限の力を使うことが大事。
「壁から身体を離さないようにすること」「重心を低くして(膝を深く曲げる)腕を伸ばす」この2つをマスターすると、長い時間ホールドに取りつくことができますよ。
ホールドに乗るときはつま先で乗るようにしよう!
初心者の人でありがちな登り方としては、ホールドに乗るとき「足の裏全体で乗ること」があげられます。
足の裏全体で乗ってしまうと、どうしても足裏の感覚が鈍ってしまい、思うように力を入れることができなくなります。
ホールドに乗るコツとしては、足裏全体で乗るのではなく、つま先で乗るようにしましょう! つま先で乗ることで、ホールドの感覚をより鮮明に感じることができますし、力を一点に集中させることができます。
なかなか登れなくて苦戦しているときは、足裏全体ではなく、つま先で乗るようにしましょう。
持てるホールドは力を極力入れないで引っかけるイメージで!
ボルダリングを始めたときは、持つホールド全て力いっぱい握って登っていたと思いますが、1ヶ月ほど登るとある程度力の抜き方も分かるようになっていると思います。
しかし、まだ力を入れなければ持てないホールドと、指を引っかけるだけで持てるホールドの区別がつかないでしょう。
上手に登れるようになるコツとしては、ホールドに指を引っかけて、まず持ってみることです。案外「え? こんなホールドも引っかけるだけで持てるの?」というホールドがありますよ。
課題にトライしているときは、極力体力をゴールまで温存させておきたいものですよね。なので力を入れずに持てるホールドは、なるべく最低限の力で持つようにしてみましょう!
ホールドの種類と持ち方
・ガバ
初心者用の課題に多く使われているホールド。名前の通り、「ガバッと持てる」ホールドで、持つときは力を込めて持つのではなく、指の第二関節辺りを引っかけて持つようにすると、疲れにくくなりますよ。
・ピンチ
中級・上級の課題で多く出てくるホールド。親指と残り4本の指で挟みこむようにして持ちます。ピンチホールドの形状やセットの角度にもよりますが、大体のピンチホールドは挟みつぶすようなイメージで持つと良いです。
・スローパー
中級・上級の課題で多く出てくるホールド。持ち方は二通りあり、手のひら全体をホールドに押さえつけて持つ方法と、指先と親指の付け根をホールドにつけて押さえつけて持つ持ち方です。課題にもよりますが、身体の重心を落としてあげると保持しやすくなります。
・カチ
中級、上級の課題で多く出てくるホールド。カチの持ち方は二通りあります。
「カチ持ち」……親指以外の指をホールドにのせて、第二関節を曲げつつ握りこむようにすると持ちやすく、親指は人差し指の第一関節辺りにそえると力が入りやすいです。
「オープンハンド」……親指以外の指の第一関節辺りをホールドにのせて、指を伸ばし気味にして持つ方法。指の先端を引っかけるようなイメージです。
「今までゴールまで体力が持たなかった」という人でも、持ち方を変えるだけで、「ゴールまで体力が持った!」という人もいますよ。
右手右足・左手左足の法則を意識しよう!
ボルダリングの基本的な動きで、「右手右足・左手左足の法則」というムーブがあります。「知らない!」という人もいるでしょう。右手右足・左手左足の法則は「上手に登りたい!」という人へ一番オススメできる登り方のコツです。
これはどんなムーブなのかというと、右手でホールドを取りにいくときは、右足をあげてから取りにいくというムーブです。実際に上級者の課題になるとこの法則が通用するのかというと、通用しない課題もありますが、ボルダリング初心者の課題の場合は、通用する課題が多いんですよ。
なかなか一手が出なくて困っている……という人は、右手右足・左手左足の法則を思い出して、トライしてみてくださいね。
届きそうで届かないホールドは首の向きが大事!
登っているとき、「あとちょっとでホールドに触れるのに!」「あと数㎝でホールドに届くのに!」というシーンがあると思います。そういうときは首の向きを変えてみましょう。
例えば、左上のホールドを取りにいこうとしたとき、取りにいくホールドを見ている人がほとんどだと思います。そのときに、首の向きを逆にしてみるのです。
首の向きを逆にすることで、左側の首の筋肉が伸びる状態になり、その分取りにいこうとしている腕の距離が長くなるんですよ。
「え? そんなことがあるの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、一度騙されたと思ってやってみてください。数㎝ですが逆に向いた方が、腕の距離が長くなりますよ! ぜひ「あと数㎝……」というときに実践してくださいね。
疲れたときは腕をシェイクする・冷やすことが大事!
「登っている最中に腕が疲れてしまい、ホールドを保持できなくなって落ちてしまった」という人多いと思います。
そんな人は登っている最中に腕の疲れを少しでも取り除く「シェイク」をしてあげましょう。どういう風にやるのかというと、ガバなど持ちやすいホールドを持っている反対の指先を地面に向けます。そして腕全体をふりふりとシェイクするのです。
「これだけで疲れが取れるの?」と思う人もいるかもしれませんが、何もしないよりはシェイクした方が、長く取りついてられますよ!
また、腕がパンプしすぎて「もう今日は登れない……けれどあの課題だけは落としたい!」「明日の筋肉痛が怖い……」というときありますよね。ボルダリング後の筋肉は、毛細血管が切れて炎症している状態になります。
「パンプ」とは、もともとトレーニング用語のひとつ。筋肉は身体に蓄えられた栄養を使って運動エネルギーに変えますが、強い負荷をかけたときに筋肉のエネルギー切れが引き起こります。
エネルギー切れ状態になると、“前腕や腕全体がパンパンになる” という「パンプ状態」になるのです。
そんなときは、アイシングをするようにしましょう! アイシングは大体20分ほど行なう必要がありますが、冷やすことで炎症を鎮めて回復を促す効果が期待できますよ。
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コツをおさらいしてレベルアップをしよう!
ボルダリングジムに1ヶ月ほど通うと、乗れる課題が増えて楽しくなる半面、登れない課題に苦戦することも多くなります。
「登れないから楽しくない!」となる前に、一度コツをおさらいしてみましょう! コツをおさらいして意識するだけで、今まで登れなかった課題が登れるようになるかもしれませんよ。