ボルダリング中級者になると、これまでと同じように登っているだけでは攻略できない課題が出てくるでしょう。
「次はどのホールドを取ればいいんだろう」「あそこにどうやって足を置くの」といった場面もありますよね。
難易度の高い課題に対応するためには、フットワークを身につける必要があります。ホールドへの足の置き方を工夫することで、さらなるレベルアップが可能です。
今回は、ボルダリング中級者に必須のテクニックであるフットワーク、ヒールフックについて紹介します。
フットワークの基本
まずは基本のフットワークを確認しましょう。ボルダリングのフットワークは、ホールドにつま先立ちになることが基本です。
インサイドエッジとアウトサイドエッジでは、親指側もしくは小指側のつま先を壁に付けるようにして、かかとはできるだけ上げてホールドに立ちます。
丸みのある大きめのホールドや平面的な壁は、つま先立ちではなく、靴底の前半分を押し付けて密着させるスメアリングで攻略しましょう。
ヒールフックのやり方
ボルダリングのフットワークはホールドにつま先立ちになるのが基本ですが、ヒールフックでは、かかとを使ってホールドを引っ掛けます。
かかとをホールドに引っ掛けるときは、ホールドにかかとを置いたら、ふくらはぎに力を入れます。
かかとから足首にかけてをホールドに引っ掛けるようにすれば、そのまま上半身を持ち上げてホールドに乗り上がることもできます。
ヒールフックのコツ
ヒールフックは足を置くホールドが高い位置にあったり、足がブラブラするような傾斜の強い壁で必要なテクニックです。
ヒールフックのコツは、かかとをホールドに引っ掛けたら、ふくらはぎに力を入れるときにかかとを意識することです。
かかとを引っ掛けるときは、壁に足をくっつけるよりも壁に対して30度ほど角度をつけるのがポイントです。
膝を曲げて、かかとをホールドに強く押し付けてから次の動作に移るようにします。体が振られたり、体のブレを抑えるときにも使えます。
ヒールフックのトレーニング方法
ヒールフックの上達に向けた足上げトレーニングの方法を紹介します。
まずは壁を使ったトレーニングです。壁に対して横向きに立ち、両手でホールドにぶら下がります。両手でホールドを体に引き寄せるようにして、ぶら下がったホールドよりも上の位置にあるホールドまで両足を上げます。
足でホールドを押して5秒キープしたら、なるべくゆっくり足を下ろします。これを地面に足を着けずに繰り返し行いましょう。ぶら下がるホールドや足で押すホールドの位置を色々と変えて試してみてください。
続いてローリーボールを使ったトレーニングです。ローリーボールにぶら下がった状態から足を揃えて、片側にできるだけ高い位置まで上げます。5秒キープしたら、ゆっくりと正面に戻します。
足を着かずに今度は反対側に足を上げて5秒キープ。左右の足を上げる高さは揃えましょう。腕だけでぶら下がった状態からのムーブや、傾斜の強い壁でのヒールフックに強くなります。
ヒールフックをスムーズに行うためのストレッチ
ヒールフックをスムーズに行うためには、股関節の柔軟性が大切です。股関節を柔軟にすることで可動域が広がり、フットワークの上達にもつながります。
足をより高い位置まで上げることが可能になり、ヒールフックの精度を上げることができますよ。ここでは股関節のストレッチ方法を2つ紹介します。
ストレッチ方法①
背筋を伸ばし、両足を広げて床に座ります。片足をお尻側に曲げたら、息を吐きながら伸ばした方の足に向かって、ゆっくりと体を倒します。
このとき背中が丸くならないように気をつけましょう。体を足につけるようにして、目線は足先を見ます。足首の向きを内側・外側に変えて行うことで股関節の可動域が広がります。
ストレッチ方法②
床に座って両足をできるだけ広げます。骨盤を立てて座ることを意識しましょう。息を吐きながら体を前に倒し、両手を床について上半身だけを前に移動させます。
開脚が十分にできていないと難しいかもしれません。背筋を伸ばした状態で行いましょう。
股関節が柔軟であれば、さまざまなムーブに対応できます。足の力を体に伝えることも上手くできるようになりますよ。