ボルダリングに必要な能力には、身体を支える筋力や的確に課題や状況を読み取る力、ムーブの技術などが挙げられます。
それらの能力を発揮するためには、ホールドをしっかりと確保し、体勢を整えられていることが必要です。
ホールドを確保する力を「保持力」と言い、ボルダリングに必須の能力と言うことができます。
今回は保持力がどのような力で、どう重要かを解説し、保持力強化のためのトレーニング方法も紹介していきます。
ボルダリングの保持力ってどんな力?
ボルダリングの保持力とは、ホールドを持つ力のことを指します。ボルダリングの基本となる動きは、手でホールドを掴み、足をホールドに乗せ、それを繰り返すことでゴールにたどり着くというものです。
ホールドをしっかりと持つことができないと、身体に余計な力が入り、体力を消耗してしまったり、次のホールドへの動きにつながらなかったりするなどボルダリング全体に影響を与えます。
基本ムーブである右手右足の法則を初めとしたダイアゴナルなどのムーブにおいても、ホールドを保持してこその動きです。
ボルダリングの保持力はどうして重要なの?
保持力はボルダリングのベースとなる力であり、ムーブの基本となる力でもあります。重心移動や安定感について、より具体的に保持力の重要性を解説します。
ボルダリングは不安定で限られた足場を登っていくため、重心移動を的確に行うことが大切です。手足の動かし方によって、重心をコントロールし、バランスをとります。
この時ホールドを保持できていないと、無理に身体を伸ばしたり、バランスが取れていないままムーブに入ったりするなど重心が安定しません。
保持力が不足していると重心移動が上手くいかず安定感のない力任せのクライミングになってしまいます。
それに対して保持力があると、重心がブレないため、安定したムーブができ、滑らかで無駄のないクライミングが可能になります。
ホールドの持ち方を工夫して、保持力アップ!
保持力を上げるためには、ホールドの持ち方の工夫が必要です。初心者の方にありがちであるのが、身体を支えようとギュッと力を込めて、指先中心に持つことです。
握力を消耗してしまい、課題の終盤で息切れする原因ともなります。ホールドは手全体で包むように保持しましょう。握力の温存になり、力が偏らないため、安定感もアップします。
またホールドの形は様々であり、ホールドの特徴に合わせて、持ち方を変えることも必要です。穴のあいたポケットと呼ばれるホールドは、穴に手をかけて引っ掛けるように持ちます。
持ちにくいスローパーは指の腹を意識するなどホールドの形状に合わせた持ち方で、状況の変化に対応できる保持力を確保できます。
ボルダリングの保持力を鍛える小指トレーニング!
保持力を強化するためには、手の力も重要な要素です。ホールドを持つことをイメージすると、一番力の入る親指を意識するでしょう。
親指だけでは物を握ることはできず、対になる小指の力も欠かせません。ホールドを保持する力がつくことはもちろん、身体の筋肉も同時に動き、適切に筋肉を使うことにもつながります。
小指のトレーニング方法の一つは、小指だけを動かすというものです。意識して小指だけを動かします。
初めは他の指も同時に動いてしまいますが、トレーニングを続けることで小指だけが動くようになります。小指を使う意識付けになるためおすすめのトレーニングです。
他にもギター用小指トレーニンググッズも活用できます。お風呂などでの時間を生かして、効率的に小指を強化しましょう。
保持力強化のために敢えて力を使うムーブをしよう!
保持力強化のためには、小指トレーニングなどの筋力トレーニングも大切ですが、実践の中で感覚を掴み強化していくことも大切です。
実践では、実際にホールドを持つため、安定感や動きのスムーズさからしっかり保持できているかを身体で覚えることができます。
またあえて手を持ち替えずにクライミングしたり、足を踏み替えないようにしたりすることで保持力を鍛えられます。
保持力強化を狙う場合は、保持力が必要なクライミング方法で実践的トレーニングをしてみましょう。
保持力強化でボルダリング力を向上しよう!
保持力は基本の動きだけでなく、ムーブなどボルダリングのベースとなる力です。保持力があることで重心移動や次のホールドへの動きがスムーズになり、無駄のないクライミングが可能になります。
初心者だけでなく、中級者も自分の保持力を見直し、ボルダリングスキルアップのために保持力を強化してみてください。