私たちが普段使っている言葉は、本当に正しい日本語なのでしょうか? 実は知らない間に間違えた日本語を使っていて、恥をかいているかもしれません。
それだけじゃなく、間違えた日本語は、子どもたちの言葉遣いにもよくない影響を与えてしまうことがあります。
そこでここでは、私たちがよく使ってしまう間違いやすい日本語についてご紹介します。
言葉は、その国の文化です。言葉の成り立ちは、それまでの歴史の積み重ねによるもので、日常の中から生まれます。
つまり、無理やり作り出されるものではなく、人々の営みの中で生まれてくるものなのです。
日本人として日本語を正しく使うことは、文化を継承していくためにも大切なことです。
子どもが言葉を覚える時、はじめは耳で聞いた言葉から覚えていきます。感覚で覚えたものは身につきやすく、一度身についた言葉はなかなか抜けません。
だからこそ、大人がたくさん話しかける幼少期に、大人が正しい日本語を話すことは大切なことなのです。
言葉には育ちが出るといいます。そのくらい、大人や周りの環境から子どもが受ける影響は大きいということ。だからこそ、家族で話す言葉には気をつけた方がいいですよ。
品があるとは、教養があるということです。正しい知識やその場に適した振る舞い、言葉遣いをすることができる人には品がありますよね。
間違えた日本語を使い続けていると、教養がない、つまり品がない人だと思われてしまいます。敬語を使って丁寧に話していても、間違えた日本語を連発していれば台無し。知らない間に恥をかいているかもしれません。
見た目だけを綺麗に取り繕っても、印象を左右するのは内面です。正しい日本語を使える人は、見た目がどうであれ上品な人だという印象を持たれます。
「全然大丈夫です」とは、「全然」と打ち消しているにも関わらず、「大丈夫」と肯定しているため、少し矛盾した表現です。
ただ、多くの人に日常的に使われていることや、英語の「ノープロブレム」と同じニュアンスなので生活の中に広く浸透している表現だと言えるでしょう。
「全然大丈夫」は、通じる表現ではあるものの、かなりカジュアルな表現になるので、仕事などフォーマルな場には向いていません。若い世代に限らず、ベテラン世代でも「全然大丈夫」を連発していることが多いので、もし部下を抱える立場にいるのであれば使うのをやめた方がいいかもしれませんね。
これを言い換えるなら、「全く問題ございません」が相応しい表現です。
高級なお店を目の前にして「いやぁ、このお店は敷居が高くて入れない」とは、よく言いますよね。
敷居が高いというと、高級なものや上品なものに対して、「自分には到底相応しくない」と謙遜する気持ちで使われることが多いです。
しかし正しくは、長い間連絡をとっていなかったり、不義理をしたりで、その場に行きにくいという「後ろめたさ」を表すものです。
ですから「しばらく実家に帰っていなかったから、今となっては敷居が高いなぁ」というのが正しい使い方です。
失笑は、ネガティブな意味で使われることが多いですよね。「あまりにつまらなくて失笑したよ」などと、小馬鹿にするようなニュアンスで使われることが多いと思います。なんとなくネガティブなイメージがありますよね。
しかし正しくは、「笑うつもりがなかったのに、思わず笑ってしまった」という意味で使われます。笑ってはいけないような場所で吹き出してしまうことも失笑といい、不意に笑いが漏れたというニュアンスが正しいです。
「あまりにも面白くて失笑したよ」とか「さっきはあのシーンとした場所で失笑した」という使い方が適当です。
間違えている人が多いのがこちらです。よく「的を得る」というように使われていますが、正しくは「的を射る」です。
よく考えてみると、的を得るとはおかしいですよね。的は、弓で射るもの。放った弓で的を射るということに例えられ、「的確に要点をおさえる」とか「うまく要点をつかむ」という意味で使われます。
本来の意味を考えると「的を射る」というのが妥当だというのがわかると思いますが、なんとなく「的を得る」と使ってしまっている人が多いですよね。話し言葉だと「いる」が「える」に聞こえてしまいやすいことも原因かもしれませんね。
日常的に使っている言葉でも、知らないうちに間違えた使い方をしていることがあります。
間違えた日本語を使い続けていると、自分でも知らないうちに恥をかいているかもしれないし、ビジネスでの評価が下がってしまうことだってあります。
正しい日本語を使う人には品があります。ぜひこの機会に、いつも自分が使っている日本語を見直してみてくださいね。
Written by さあや