生きている価値がない…⁉ 言葉のDVへの対処法3選

DVは、暴力で身体的に危害を加えられるイメージが強いと思いますが、最近では言葉によるDVも深刻化してきています。

言葉のDVは、表からは見えづらいため、被害者のSOSが届かないケースもあるのです。

この記事では、言葉のDVについてエピソードを交えながら解説していきます。

もしも、身近な人から精神的な苦痛を感じるほどのDVを受けている人は、ぜひ参考にしてみてください。

言葉のDVとは

言葉のDVとは

そもそも、言葉のDVとはどのようなものなのでしょうか。

言葉のDVとは、「長時間、延々と説教をする」や「人格を否定するような言葉を日常的に浴びせる」、「大声で怒鳴る」や「無視する」、「行動を監視するような言動をする」などが挙げられます。

このような言葉によって、相手へ精神的な苦痛を与えた時点で、言葉のDVとなります。

言葉のDVエピソード集

では実際に、どのような言葉のDVがあるのかを、エピソードとしていくつかお伝えしましょう。

1.転職を機に言葉のDVが始まった

このエピソードは、夫婦間で起こった言葉のDVのエピソードです。発端は夫が、以前の職場を辞めて転職したことです。それまでは、夫婦共働きでありながらも仲良く過ごしていました。

しかし、夫が自分の本当にやりたい仕事を見つけた際に、妻に相談なく勝手に転職をしてしまいます。

それによって収入が下がり、妻から相談なく転職したときのイライラや、収入が減ったことによる人格否定につながる言葉を日常的に浴びせられるようになり、精神的な苦痛を感じるように。

具体的な言葉としては、「給料が安い」や「あなたが生きている価値はない」などが挙げられます。

このような言葉は、言葉のDVになり、相手に精神的な苦痛を与える立派な暴力となります。

2.十分な生活費を渡さずに無理な要求をしてくる

このエピソードは、夫が十分な生活費を入れずに、経済的に無理な要求を妻にしてくる言葉のDVです。

夫は、家族で生活できるくらいの生活費がわかっていながら、十分なお金を渡さずに「パート代だけでやりくりしろ」「お前の節約意識が足りない」など長期間にわたって精神的な苦痛を与えていました。

実際には、妻に渡せる生活費があるにも関わらず、故意に少ないお金を渡して言葉によるDVを続けているケースです。

言葉のDVを受けた時の対処法

言葉のDVを受けた時の対処法

さて、言葉のDVによるエピソードを紹介しましたが、家庭内などで行われるケースが少なくないため、言葉のDVを受けている人は我慢し続けることも良くあります。

しかし、言葉のDVは我慢すればするほど事態が悪化し、最終的には被害を受けている人の心身の調子を狂わせてしまうことになるので、できるだけ早い段階での対処が大切です。

1.物理的に距離をおく

まず1つ目は、物理的に距離をおくという点です。言葉のDVをしている加害者は、被害者を自分の支配下に置くことでDVを日常的に続ける環境を作っています。

そのため、加害者と一定の距離をおき、お互いに顔を合わせない時間を作るのが大切です。離れることで、その状況の異常さに気づけるでしょう。

2.信頼できる人に相談する

2つ目は、信頼できる人に相談するということです。

言葉のDVは、家庭内など外部から見えない場所で行われるケースが多いため、自分からSOSを出さないと気づかれないまま過ぎてしまいます。

そのため、身近な信頼できる人に自分のつらさを相談し、客観的な意見を聞くことも重要です。

3.専門機関に相談する

そして3つ目は、専門機関に相談するという点です。DVに関しては、さまざまな相談窓口があるので、それらを利用して必要なサポートを受けることをおすすめします。

 

・全国共通のDV相談ナビ:#8008(最寄りの配偶者暴力相談支援センターに繋がります)

 

・電話での相談:DV相談+(プラス)0120-279-889

・警察相談専用電話:#9110

 

相談機関では、相談員が被害者の話を聞き、必要に応じて「一時保護」や「自立支援」、「保護命令制度」などによって守ってくれます。

一時保護は、被害者にとって心身の安全が必要だと判断された場合に、女性相談支援センターなどで一時的に保護し安全に生活することが可能です。

自立支援は、職業紹介や職業訓練・生活保護などの情報を提供し、被害者の経済的な自立をサポートします。

また、保護命令制度は、地方裁判所が被害者の申立てによって配偶者に対して発令する制度で、加害者は決められた一定の行為を禁止されます。

このように、専門機関に相談すれば加害者の言葉のDVから逃れることができ、心身の安全が保障されるので、つらいと感じたら早めに相談するようにしましょう。

言葉のDVを見逃さないで

3.専門機関に相談する

言葉のDVは、暴力によるDVに比べると外から分かりにくく、被害者のSOSが発見されにくいという特徴があります。

しかし、被害者が受ける精神的な苦痛は、暴力によるDVと同じであり、放置すれば心身の状態を悪化させることにつながります。

今回は相談先も紹介したので、つらい思いをしている場合は、早めに相談しましょう。

Written by 久木田(くきた)みすづ

アンガーマネジメントとは? キレる前に「6秒待つ」理由を解説 ▶

久木田(くきた)みすづの他の記事を読む