人生において、何を優先するかは人によって違います。この「物事に対してどう優先順位をつけるか」をいわゆる価値観と呼びます。この価値観の違いは、しばしば恋人たちや夫婦の別れる要因になることもあり、決して放置していい問題ではありません。当記事ではパートナー間でよくある価値観の違いについて紹介し、もし相手との価値観の違いで悩んだ場合の対処法についてお伝えします。
まずは、パートナー間でよくある価値観の違いを紹介します。
お金に対する価値観、金銭感覚の違いともいわれ、パートナー間で揉める大きな原因の一つです。「何に対してお金をかけたいと思うか」「日々の買い物におけるお金の使い方」といった面でお互いの考え方が違いすぎて、ストレスを抱えることが多いです。
例をあげると、「夫は、お酒の付き合いは仕事の一環だといって飲み代にお金をかけすぎる」だったり、「エステや美容皮膚科など、妻が自分の美容に浪費する」だったりします。
恋人同士ならまだしも、結婚すればお金は夫婦二人のもの。お互いのお金の使い道に納得がいかなければ、大きなストレスがかかります。
「いつかは結婚したい」と考えている女性と、「楽しくお付き合いはしたいけど結婚は面倒だししたくない」と考える男性との価値観の違いに始まり、「結婚しても仕事を続けたい」「結婚したら家事育児に専念してほしい」など、結婚に関する価値観は人によってさまざまです。
後から発覚してショックを受けるくらいなら、お付き合いが浅い段階からきちんと話しておく方が賢明です。
仕事や働くことについても、人によって価値観がばらばらです。「とにかく仕事をして稼ぐのが正義」と思う人もいますし、「無理のない範囲で最低限の生活費だけ確保できればいい」という人もいます。中には「合わなければ辞めて他を探せばいい」と、責任感のないことを考える人もいるわけです。
働くことは稼ぐことであり、結婚すれば生活に直結する問題です。「帰りが遅くても家事をしてくれなくても、とにかく夫には稼いできてほしい」という女性がいれば、「お金はそこそこでいいから、二人で一緒に家庭を守っていきたい」という女性もいるでしょう。
アウトドア派とインドア派では、休日の過ごし方はまるで違いますよね。片やキャンプだ旅行だバーベキューだ! と言えば、もう片方は家で映画を見たりゲームをしたりするのが至福の時だと考えています。
こうした違いは、うまくいけば未知の世界を知る良いきっかけになります。相手のおかげでこれまで以上に趣味の幅が広がることにもなるでしょう。しかしどちらかが我慢して相手に合わせることになると、一気にストレスがかかってうまくいきません。
交際段階ではやや時期尚早ですが、ゆくゆくは結婚を考えているなら、子どもや子育ての価値観も確認しておきたいところです。例えば子どもはほしいのか、ほしいとしたら何人か、習い事は、どれくらい教育費をかけるつもりなのか、子育てをする場所は…… などなど。挙げ連ねれば、キリがありません。
とくに「子どもがほしいorほしくない」の入り口の部分は、結婚の話が出た段階からすり合わせておくべき事項でしょう。
価値観の違いは、細かいものを挙げれば無限にあります。部屋をどれくらい綺麗に保っておきたいか、コレクションが好きなのかミニマリストタイプなのか、などなど……。そもそもまったく同じことを考えている人間なんていないのですから、程度の差はあれど、どこかしらに価値観の違いは生じます。
価値観の違いを理由に別れるパートナーは確かに存在しますが、価値観が合わないからといって「この人とはやっていけない」と決めつけるのも早いのです。
では、価値観の違いが生じた場合はどう対処したら良いでしょうか。まず、価値観は一人ひとり違うものだという前提を忘れずにいることから始めましょう。そのうえで重要なのは、「すり合わせること」です。つまり、お互いの違いについてきちんと話し合うことですね。
例えばお金の価値観が違うと感じたら、どこに自分がストレスを感じるのか、その解消のために相手にどうしてほしいのかをきちんと伝えます。そうすれば相手側から言い分が返ってくるでしょう。
そうしてすり合わせていき、お互いの妥協点を見つけるのです。だいたいの場合、これでなんとかなるはずです。中にはどれだけ話しても平行線で、妥協点が見つからないケースもあるでしょう。それはその時、どうするかを改めて考えましょう。
つまり重要なのは、価値観の違いにいちいち目くじらを立てることではなく、価値観が違うことは当たり前で、その上でどう歩み寄れるかです。ここの話し合いがきちんとできるカップルは、きっとうまくやっていけるでしょう。
価値観の違いは誰しもあり得ることです。なぜなら、人によって何を大切にするかは違っていて、すべての価値観が合致する人なんて存在しないから。お金の使い方や休日の過ごし方に納得がいかなくても、もしそれでも相手と一緒にい続けたいなら、会話するしかありません。
会話してお互いの気持ちを共有し、妥協点を見つけていく。面倒なことに思えますが、長い目で見ればこれが一番、良い関係を築く近道だと思います。
Written by 七尾なお