多くの人とにぎやかにコミュニケーションを取る人は、人から好かれやすく、人脈も増えるものですよね。いっけんすると、そういうタイプの人ほど出会いも多く、不倫をするチャンスがあるように見えるかもしれません。けれども、実は人とのコミュニケーションを得意とするからといって、不倫に走りやすいとは限らないのです。
そこで今回は、心理カウンセラーのわたくし千桜ミモザが、コミュニケーション能力と不倫との関係性について、わかりやすく解説をしていきます。
コミュニケーションが苦手な人は、人とのかかわりに戸惑いを抱きやすいために、人間関係を築くことに苦手意識を持ちやすい傾向があります。どのように気持ちを表現したら相手に伝わるのか、しかも誤解のないように上手にコミュニケーションをとらなくてはならないとなれば、苦手なことから逃げなくなるのかもしれませんね。
では、なぜそういった思考が不倫しやすいことへと繋がるのかというと、自分を受け入れてくれる存在がいれば、そこに一時的でも逃避をしたり、自分の感情を見合うものに代えたりすることができるからなのです。
不倫ということなので、わかりやすいたとえを出してみましょう。奥さんに言いたいことがあるからと、自分の言葉そのままで伝えようとしても、奥さんに上手に伝わらないばかりか、言い合いに発展して険悪なムードが漂うことが多いのも、コミュニケーションを苦手とする人が抱える問題のひとつです。
その結果、結婚生活の中で満たされない感情や欲求が生まれやすくなり、コミュニケーションの代替手段として不倫を選ぶ可能性が高くなってしまうのです。
現代を生きていくうえで、人との交流を交えながら絆や信頼関係を築いていくことは、とても大切にしたいポイントですよね。ところが、コミュニケーションが苦手な人にとってはこうしたことも難しい傾向があるため、人間関係を希薄なものにしてしまいがちです。
目の前にいる奥さんや子どもと、思うようにコミュニケーションを取ることができないことによって、フラストレーションがたまりやすくなります。
感情的なつながりや、お互いに支えあうことができなくなるので、満たされない部分をどうにかして埋めたい! という感情が湧いてきます。対人関係が希薄になることで、その穴埋めとして新しい人間関係を築こうとして、不倫に意識が向いてしまうわけなのです。
自分の気持ちや考えを受け入れてもらえない、という感情は生まれるけれども、その事実に向き合って奥さんや子どもとの関係を改善するためのコミュニケーションを取ろうという発想には至らないため、安易な不倫関係に走って自分のフラストレーションを解消しようとするのです。
自己肯定感という言葉が広く知られるようになりましたが、不倫をする人はこの自己肯定感が低い傾向があります。コミュニケーションが苦手な人は、自信を持つことが難しく感じるために、「自分はなぜこうなんだろう」と自分に対する不満や不安が増えていき、どんどんと自己肯定感が低くなってしまうのです。
そんな状態の人の目の前に、自分を特別な意識で見てくれて褒めてくれたり愛情を注いでくれたりしたら、どうなるか想像に容易いですよね。承認欲求を満たしてくれる相手に、いとも簡単に走ってしまうのです。
ではここで、どんな人が不倫をしないのかお教えしますね。それは、感情や性欲のコントロールが出来て、奥さんや子どもをはじめ、自分を取り巻く人たちを大切にしている人です。
少なくとも、これらが出来る人は周囲を傷つけることをしませんし、自分を貶めることを避けるものです。こうした人はコミュニケーションを取ることを諦めず、どうにかして理解しあおうと努力を惜しみません。
人との交流が上手で、コミュニケーション能力が高い人ほど不倫をするきっかけが多いと思われがちですが、実はその逆の可能性が高いということがわかったきたのではないでしょうか。
コミュニケーション能力の低さが、対人関係の希薄さや自己肯定感の低下へとつながって、その穴埋めをすべく一時的に不倫に逃げて満たされた自分を作り出そうとするのです。ただし、コミュニケーション能力が低いからといって、すべての人が不倫をするわけではないのは、言うまでもありません。
Written by 千桜ミモザ