SNSで話題となった「蛙化現象」という言葉を聞いたことはありませんか。現象の詳細を知って共感を得たユーザーは非常に多いとか。現在、ネットの世界ではこのフレーズがすっかり浸透し、SNSで目にする機会が増えたことでしょう。蛙化現象とは一体何なのか。詳しい意味合いや具体的なエピソード等を解説します。
蛙化現象とは恋心を寄せていたのに、意中の相手から好意を向けられると冷める、あるいは気持ち悪さを覚える現象のこと。造語ではなく立派な心理学用語であり、グリム童話『かえるの王さま』が由来しています。
蛙化現象に悩まされる人は多く、この問題に性別はあまり関係ないんだとか。誰かと恋をしては急激に冷めるのを繰り返し、なかなか恋愛をうまく進められない若者が今増えているそうです。
蛙化現象に陥ったことがないと「振り向かれたら冷める」感覚がさっぱり理解できないかと思います。逆に蛙化現象を自覚しているタイプからすると「好意を向けられると落ち着かない」気持ちがよく理解できるはず。
一口に蛙化現象と言っても、嫌悪感が沸き起こる瞬間は様々。どんなことがきっかけでトーンダウンしてしまうのか、具体例を一緒にみていきましょう。
付き合うまでに一生懸命アプローチし、時間をかけて両想いへ漕ぎつけたのに、カップルになった途端冷めてしまうのが蛙化現象 。意中の相手から好意を向けられている事実に違和感を覚えてしまうのです。
中には好きな相手に対し「気持ち悪い」と激しい嫌悪感が湧くタイプもおり、スキンシップ全般を受け付けなくなって破局するパターンも多いようです。
ずっと片想いをしていた女性Aさん。何カ月も意中の男性を追い続け、やっとの思いで告白に成功! カップルになった後もAさんが彼を追いかける日々が続いたのですが、時間と共に彼のエンジンが加速し、段々と立場が逆転するように。
女性からすると嬉しい逆転劇なものの、Aさんは元から蛙化現象を起こすタイプなので、彼が振り向いてくれても全く喜べません。それどろか「追われると何だか居心地が悪い」「好きな気持ちがなくなってきた」と感じるようになり、早々にAさんから別れを告げてしまいました……。
振られて落ち込んでいたものの、リベンジで告白したら大成功。このように、一度の告白だけで恋を諦めない人々は一定数います。叶わなかった恋が成就すると、誰もがこの上ない喜びを覚えるでしょう。
けれども蛙化現象を迎えると、決死の思いで手に入れた相手を愛しく思えなくなります。現象に悩む女子大生のBさんも、二度目のアタックで見事に彼のハートを射止めました。それなのに、いざ交際が始まると気持ちが盛り上がらず、わずか2カ月で破局したそうです。
蛙化現象は付き合った途端に起こるものではありません。すぐに冷める人もいますが、一方で交際の途中で徐々に嫌悪感が増していくタイプも多いのです。
付き合って数か月が経ち、「パートナーの盛り上がっている姿を見て冷めた」なんて声も聞くほど。蛙化現象が起きる人は交際直後からすでにテンションが下がっているので、時間の経過と共にどんどん気分が落ちていくのはある程度予想がつくことと言えるでしょう。
片想いでアプローチしている最中って一番楽しいですよね。それなのに、蛙化現象が起きると相手の好意を真っすぐ受け取れません。徐々に自分へ関心が寄せられていることを察し、付き合う前に冷めてフェードするパターンもあるようです。
男性のCさんは片想いの女性に一生懸命アプローチしていましたが、彼女がなびいてきた途端に気持ちが下がってきてしまいました。すっかり冷めきった頃に女性からのアタックが激しくなっていたので、Cさんは申し訳ないと思いつつ、非常に困ったと語っています。
電気がショートしたかのように急に好意が消失するタイプ、徐々にテンションが下がっていくタイプなど様々ですが、蛙化の影響を受けた側の多くは、突然の事態に戸惑ってしまいます。
特に蛙化現象を起こす側から激しいアタックやアプローチを受けていた場合だと、何が起きたか分からなくなるのも無理はありません。
また「なぜそうなったのか」を説明されても、蛙化現象を起こさない人たちからすると理解に苦しむのです。パートナーを自分勝手だと非難したくなったり、「何がいけなかったのだろうか」と自分を責めたり。「〇〇のような行動をしなければ、蛙化現象が起きなかったのかも」と過去を後悔するなど、相手を混乱状態にさせてしまう可能性も。
現象を起こす人たちも悩みを解決できずに困り果てていますが、巻き込まれた側も相当な苦しみがあることを知っておかなくてはなりません。
なぜ相手から好かれて恋心が冷め、好意を向けられて気持ちが悪いと感じるのか? 蛙化現象が起きる原因は大きく分けて4つ。過去のトラウマや個人の持つ価値観が関係しているようです。
誰かと真正面から向き合うのは、かなり労力を使う行為。嬉しいこともありますが、その分傷つく恐れもある。人との関わり合いは自分も相手も大きく成長できるきっかけとなるでしょう。
しかし、傷つく恐れが大きいと恋愛を純粋な心で楽しめません。「こちらが真っすぐ向き合っても、相手が応じてくれなかったらどうしよう」という不安が、好意を向けられた時に感じる嫌悪感へと変わってしまうとか。
対人関係を円滑に進められないタイプだと「(関係を)切られるくらいなら切りたい」「悲しい思いをする前にこちらから去りたい」といった思いが強く出るもの。その考えが蛙化現象へと繋がるのです。
かつての恋愛で傷ついた過去があると、相手を信じることが難しくなりますよね。心がねじ曲がり、自己肯定感の低さが蛙化現象を招く原因です。一度恋愛関係で大きなダメージを負えば修復が容易でないのは仕方がないこと。なかなかトラウマが消えず、蛙化現象に苦しむ人たちは非常に多いのです。
パートナーへの期待値や理想が高いのは、要求が多いのとイコール。ああしてほしい、こうしてほしい、こうなればいいのに、こうじゃないと……etc。理想像が具体的でハッキリしすぎていると、思い描いた未来が待っていない時に違和感を覚えます。
飽きっぽい人も多く、例え理想にハマる異性が見つかってもすぐに冷めて次へ乗り換える気分屋さんも。いずれにせよ蛙化現象を繰り返すことに変わりはないので、とても悩ましい問題ですね。
ゲーム感覚で恋愛を“攻略”するのが好きだと、オトした時が最大のピーク。ゲームセットと言わんばかりに熱が冷め、好意を向けられたら逃げていきたくなるのだそう。
この手のタイプは本当に相手を好いているのではなく、恋に恋している状態。誰かを追う自分が好きか、結果ではなく過程に面白さを感じるので、ひと段落すると気持ちが落ち着いて蛙化現象が発生する流れですね。
心の底から誰かを愛したことがなく、常に刺激を求めたい気持ちが強いとこのタイプに当てはまりやすいのです。
パートナーから急に冷められたら、単純に悲しいですよね。「なんで!?」とわけが分からなくなり、パニックになるのも無理はありません。蛙化現象が起きる原因は先ほど説明した通り、過去のトラウマや価値観の問題が多くの割合を占めます。
仮にパートナーから「自分は蛙化現象かもしれない」、「過去に好意を向けられて嫌になったことがある」という話を聞いたのなら一度2人で話し合いましょう。
等、細やかな部分まで確認をし合うべき。深い内容の話し合いは多くのカップルが避けがちですが、それではダメ。蛙化現象を起こす恐れがある相手だからこそ、早い段階で万全な対策を取らねばなりません。
もしここで価値観が違う、性格が合わなさそうだと思った場合は残念ですがお別れを選ぶべき。特に高すぎる理想を掲げるタイプやゲーム感覚で恋愛するタイプだと、パートナーの気まぐれやワガママに振り回される可能性が高いからです。
手放したくない恋人だからこそ、悩ましい蛙化現象は未然に防ぎたいですよね。現象の原因や対策を知っておけば危険を回避し、穏やかな日々を過ごしやすいかと思います。
Written by たかなし亜妖