収入や学歴、家柄、社会的地位などに著しく違いがある結婚を「格差婚」と呼びます。この格差婚、一般的にはあまりうまくいかないと言われることが多いようです。当記事では格差婚がなぜうまくいかないのか? その理由に触れつつ、格差婚であっても幸せな結婚生活を送るために必要なマインドについて紹介します。
収入格差、学歴格差、社会的地位格差、家柄の格差など、夫婦間でこれらの項目にあまりに違いがある場合に「格差婚」と言われることがあります。
意味合いとしては、男性と女性のどちらが上でも格差に違いはありません。しかし日本社会の場合は「男性が女性よりも収入や社会的地位で上になることが多い」ことが一般的なので、女性が上になるケースを「格差婚」と呼ぶことが多いようです。
芸能人カップルを例にあげると、「それほど売れていないお笑い芸人男性×大物女優」などが格差婚と呼ばれます。一般人の場合は、「フリーター男性×バリキャリ女性」などが当てはまるでしょう。
こうした格差婚カップルはうまくいかないというのが定説です。芸能人カップルの場合は離婚すればニュースになるので目にする機会も多いですが、体感として確かに格差婚カップルは離婚しやすい…… というのが現実としてあると思います。
格差婚というのは、いわば外野が勝手にやいやい言っているだけのもの。愛し合うふたりとしては、「格差なんて関係ない」と言って結婚するわけですよね。
にもかかわらず、結果としてうまくいかないことが多いのはなぜでしょうか。
格差婚の場合、親や親戚、友人などの周囲から「どうしてあんな人と?」と心ない圧力をかけられることがあります。
「上」側の人なら、そんな周囲を説得したり行動で納得させたりする労力がかかりますし、「下」側の人にとってはその見えない圧力こそが大きなストレスになるでしょう。
結婚はふたりだけの問題ではありません。家族や親戚、周りのコミュニティを巻き込んでなされるものです。だからこそ、「ふたりだけが良ければOK!」とはなかなかならないのですね。
格差婚と言われるほどですから、「上」と「下」との間には収入にしろ学歴にしろ、大きな差があるはずです。
日本は一般的に、「男性(夫)の方が収入も社会的立場も上」なのが普通と考えられがちなので、そこが逆転している格差婚家庭は周囲から奇異の目を向けられることもあります。
例えば、夫が働き妻が専業主婦という夫婦のかたちは社会から受け入れられても、妻が働き夫が専業主夫というパターンは物珍しいと思われるでしょう。
なかには、こっそり陰口を叩かれることがあるかもしれません。
そういったもろもろがコンプレックスとなり、結果的に夫婦関係もぎくしゃくしてしまうパターンがとても多いようです。
育ってきた環境や属していたコミュニティに差があると、価値観も大きく異なる可能性が高いです。
例えば収入の差は、お金の価値観に直結します。何にどれくらいのお金を使うのが妥当と思えるか、どこからが無駄使いなのか、この判断基準は一人ひとりのお金の価値観によって変わります。
さらに言えばお金の価値観は生活に直結するものなので、大きな差異があればあるほど夫婦生活はうまくいかなくなりがちです。
お金に限らず、こうした生活に関わるさまざまな価値観が異なることで、徐々に一緒に暮らしていくことが苦痛になってしまう格差婚カップルは少なくないでしょう。
うまくいかないと言われがちな格差婚ですが、人間は自分と違うからこそ相手に惹かれるとも言われます。格差と言われるほどの違いであれば、その魅力は計り知れないでしょう。
しっかりと対策をして臨めば、格差婚であっても幸せな夫婦生活を送ることは可能なはずです。
周囲からの圧力は、大なり小なりあるでしょう。それはもう、自分たちにはどうしようもないことです。
圧力に負けることなく、ふたりがいかに愛し合っているか、尊敬し合っているか、そういった姿を見せて納得してもらう胆力が必要です。一朝一夕にできることではありませんが、そのぶん壁を乗り越えるたびにふたりの絆は深まるでしょう。
育ってきた環境が違うから、価値観やものの考え方が異なるのは当たり前のこと。その違いを理解し、認め合い、楽しむことが大切です。
例えばお金の価値観は生活に直結する問題なので、結婚前にしっかりと話し合い、「ここまではOK、ここからはNG」などのルールを決めておくと、一緒に暮らしてからもトラブルになりにくいでしょう。
ものの考え方など、生活に直接関わりのない部分に関してはおおらかになり、「そういう考え方もあるんだ」と、違いを楽しむことができれば、素敵な結婚生活になります。
一般的にうまくいかないと言われがちな格差婚ですが、お互いの努力や考え方次第でその運命を変えることは十分できるはずです。むしろ「違い」を楽しめる分、飽きのこない楽しい結婚生活になりそうですね。
お互いの考え方の違い、価値観の差をどうやって埋めるのか。これは密なコミュニケーションより他ありません。そして、これは格差婚以外にも言えることです。
格差婚であっても幸せになるために、日頃から夫婦間でしっかりと話し合い、お互いの理解を深めておきましょう。
Written by 七尾なお