切なくてもどかしい。胸の奥にズキンと響く。そんなタイトルが印象的な映画ですが、実は、ほとんどの人が「あと1センチの恋」経験者なのです。
「あと1センチの恋」。それは、友人だった異性の友達を好きになってしまったとき、相手を失うのが怖くて踏み出せずにいる近くにいるのに伝えることが出来ないも切ない恋愛のこと。
大事な男友達を好きになった時って、告白してしまうことで、今の友人の関係が崩れないか、考えたことはありませんか?
本作は、「好き」というたった一言が言えなくて、運命のいたずらに翻弄され、12年間すれ違うことになった幼なじみの親友同士だった男女の恋の物語。
ですので、本作を観ることで自分もかつて経験した「友達以上恋人未満」の恋愛を思い出さずにいられません。主人公2人に激しく気持ちを入れこんでしまうことで、脳内が完全に「恋したい」モードになる代物です。
同じような恋愛をしているカップルで観たら進展しそうな予感が・・・!
6歳からの幼なじみのロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は、一緒に育ち、青春の思い出を多く共有してきた友達以上、恋人未満の関係。
いつだって2人は、くだらない話から恋の話、そしてお互いの夢の話まで、身の回りで起こるすべてのことを何もかも話してきた。
そんな二人の夢は、イギリスの故郷を一緒に離れ、アメリカの大学に一緒に進学することだった。しかし、あるパーティーの夜・ロージーが同じクラスの男の子と一夜を共にし、その人の子供を身ごもってしまい運命の歯車が食い違っていくことに。
妊娠の話をアレックスにできぬまま、離ればなれになる二人。ロージーは地元に残り子供を育て、アレックスは夢に見たボストンの大学へ進学する。
お互いの気持ちを伝えられないまま、それぞれの道に進む二人。勘違いや誤解があったり、これまでより疎遠になってしまったり、決心して連絡を取ろうとしたときに相手に恋人がいたり、12年間ものあいだ、2人は近づいては離れてのループを繰り返していくのです。
恋愛映画って、意中の人のハートを掴むまでにフォーカスしている作品も多いけれどこの映画の違いは、なんといってもすれ違い期間12年間!
そんなに長きにわたる「すれちがい」を描く作品は多くはないんですよね。
なので、なかなか幸せになれない2人へのもどかしさがこみ上げてきます。胸が苦しくなるような甘酸っぱい瞬間、全部入ってるんです。
「2人が早くくっついてくれれば幸せになるのに!」「あの時、好きと伝えておけば付き合ったかもしれない」などなど、頭の中を色んな感情が一気に渦巻き、結果的に、自分の恋愛に関しても、「好きなら相手に一刻も早く伝えなければ!」「あいまいな関係なんてつらすぎる!!!」と、そんな気持ちになってくるはずです。
ちなみに私も、そんな関係だった男性が何人かいるのですが、付き合いそうで付き合わなかったちょっぴり切ない思い出が、走馬灯のようによみがえり軽いパニックを起こしました(笑)
そのくらい、激しい共感から引きづりこまれてしまう映画なんです。
そしてエンディングもぐっとくる展開が待ち受けています。クリスマスシーズンはもちろんのこと、デートにも大変オススメの映画です。観賞後は、彼の思わぬ「恋愛観」を聞くキッカケにもなりそうですよ。もちろん!映画としても、大変オススメです。
恋する気持ちにそっと寄り添ってくれる作品だということ間違いなし。
是非、鑑賞してくださいね!
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「あと1センチの恋」
12月13日(土)より、新宿武蔵野館他にてロードショー
配給:ファントム・フィルム
(c)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH
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Written by 東紗友美