引っ込み思案の人とはどういう人かについての説明から始まり、その長所と短所をあげていくことで引っ込み思案について考えてみましょう。
引っ込み思案の人の長所も分かった上でなお、そんな引っ込み思案を変えたいと思っている人の為に、対処するコツも考えていきましょう。
引っ込み思案とは、内気で自ら積極的に人前に出て発言したり、行動を起こすことができない様子や性質を表しています。
人前に出たり、注目を浴びたりと、周りから注意・関心を寄せられることが苦手で、思っていることがなかなか口に出せないような人に対して使われることが多い言葉です。
「引っ込み思案な性格」「引っ込み思案な人」などと表されることがよくあります。
「引っ込み思案」と言い換えのできる類語は、思うままに行動せず遠慮して目立たないようにする様子を表す「控えめ」や、すぐに恥ずかしがり自分の気持ちが相手に伝わることを苦手とする「照れ屋」、他にも「シャイな」「恥ずかしがりの」「内弁慶」などがあげられます。
一方、「引っ込み思案」の対義語として考えられるのは、自ら人前に出て行くような性質や様子を表す「出しゃばり」や「しゃしゃり出る」「目立ちたがり屋」、他にも前向きな意味合いを表す「積極的」、考える前にまずは行動に移す「行動的」などがあげられます。
引っ込み思案の人は、恋愛に関して、恋愛に積極的な人と比べるとハードルが高くなってしまっているかもしれません。
なぜならただでさえ人とコミュニケーションをとることが苦手な人の場合、異性との交流はなおさら苦手である場合か多いからです。
声をかけられるのを待っている間にチャンスを逃してしまった、人との関わりを避けているうちに異性からのアプローチに気づけなくなってしまった、などのケースが考えられます。
そんな自分を変えたい、恋に奥手な自分を直したい、と思っている人も少なくないでしょう。
引っ込み思案な性格は本当に直したほうがよいのでしょうか?まずは引っ込み思案の特徴について、詳しく長所と短所をみていきましょう。
前半は短所、後半は長所について述べていきます。自分が引っ込み思案なのかも?と思っている人は、自分の特徴について当てはまるところがあるか、考えながら読んでみてください。
引っ込み思案な人の特徴として、人の目線を気にする、ということがあります。自分の言動が周りからどのように思われているのかがとても気になってしまうのです。
いつも他の人の顔色をうかがっているように見えてしまいおとなしいイメージがあります。積極的な人から見るとじれったいと思われているかもしれません。
次に引っ込み思案の人の特徴として、会話中に相手の目を見ない、ということがあります。
人の視線を気にしてドキドキしてしまったり、そのせいでうまく話せなくなってしまったり、その緊張感に耐えきれずつい目線をそらせてしまったりしてしまうのです。
初対面の人であったり、仕事上の人であったり、気になる異性であるとさらに緊張してしまい、目線が定まらなくなってしまうことが多々あります。
引っ込み思案になる原因は自信がなく自己肯定感が低いせいだと考えられています。
「自分のことなんて誰も見ていない」「自分がいなくても大丈夫」などの考えがぐるぐると回って引っ込み思案をさらに加速させていると考えられます。
親から否定され続けて育ってきた環境から引っ込み思案になる場合もあります。
また後天的にも上司や職場関係の人などから自分の意見を無視されたり怒鳴られたりした経験を重ねた結果、何を言っても仕方ないと思ったり、または自分の意見に自信がなくなってしまうことがあります。
引っ込み思案の人は恥ずかしがり屋で人前に出て何かするのが苦手だったり、自分に自信がなくて小さな声しか出せなかったりもするようです。
「どうしよう」としどろもどろになって結論が出ないまま時間が過ぎてしまうことも。
ハキハキした人から見るとじれったく感じて「はっきりしてよ!」なんてきつい言葉をかけられてしまうこともあるかもしれません。
大きな声で叱責されるとさらに委縮してしまうこともしばしば。それで人前に立つのが怖くなってしまうこともあるのです。
引っ込み思案な人の特徴として、自分から人に話しかけられない、ということもあります。話しかける勇気がないため、人から話しかけられるのをひたすら待ってしまうのです。
引っ込み思案の人は人見知りをしてしまうことが多いようで、初対面の人と何を話していいかわからないということも理由にあげられます。
また会話中に話を振られても緊張のあまり口ごもってしまったり、下を向いてモジモジとしてしまうこともあるようです。
引っ込み思案の人の特徴として、最悪の結果を考えがち、ということもあります。これまでの人生で上手く行ったことより、上手く行かず恥ずかしい思いをした、悔しい思いをした、などの経験が蘇ってしまう人がいます。
何か始める前に失敗したらどうしよう?という思いが先に立ち、くよくよと心配したり最悪の結果を考えてしまい、新しいことを始めるのをためらってしまうのです。
引っ込み思案の人の特徴として、自分の意見を言葉に出せない、ということもあります。
人前に出るのがまず苦手であり、自己肯定感も低いので自分の意見に自信を持てない、また最悪結果を考えてしまったりなどの理由から、自分の意見をなかなか言葉に出せなくなってしまうのです。
そのため何か意見を述べるような場面でも、せっかくしっかりとした意見を持っているのに発表するのが嫌だから手を挙げないということも多くなってしまうのです。
さて、引っ込み思案というとどうしても否定的なイメージがありますが、それだけではないと思います。これからは長所について考えていきたいと思います。
まず、引っ込み思案の人の特徴として、誠実さが自然と出ていて他人から信用されやすいということがあります。
話が上手な人は、時にその場のノリで適当に答えたり、つい話を面白くしようと盛って話してしまうこともありますが、その点、引っ込み思案の方は慎重に考え、間違いのないよう答えたりします。
その誠実さが周りの人にも認められ、この人なら真面目に受け止めて考えてくれるに違いない、と信用されるようになったりするのです。
引っ込み思案の人の特徴として、何事もしっかりと考えてから行動できる、ということがあります。
つい最悪な結果を考えてしまいがちな引っ込み思案の方は、なにか行動する場合も失敗したケースを考え失敗しないように備えたり、慎重に手順を考えてから行動したり、と行きあたりばったりな行動を慎むことができるのです。
引っ込み思案の人の特徴として、自主的ではないが人に親切、という長所もあります。
控えめで慎重な引っ込み思案の方は、内気で優しい性質の方も多く、人から頼られると誠実に答えたり、さりげないサポートができたり、と人に親切にできるのです。
人前で困っている人に手をさしのべることは目立つ行動であるので、自主的に動くのは苦手ですが、頼られた場合は親切に振る舞うことができます。
引っ込み思案の人の特徴として、噂を信じたり陰口を叩くことが少ない、ということがあります。積極的に人に話しかけることの苦手な引っ込み思案の方は、自ら陰口を叩くこともあまりありません。
また聞き役に回ることが多く、感情的に話している人の話を冷静に聞いて判断するため、簡単に噂を信じることが少ないことも長所と言えるでしょう。
引っ込み思案な人は観察力が素晴らしく高い人が多く空気を読むのが得意です。
自ら話の中心になることが少ないので、周りの人や物事をじっくりと観察することができます。
そのため感情的になることもなく、冷静に分析したり、判断を下すことができ、結果その場の空気をいち早く察することができるのです。
引っ込み思案な人は思慮深く遠慮深いので図々しいと思われることは全くありません。
図々しいと思われると周りの人から敬遠されてしまうこともありますが、遠慮深い人は逆に周りの人に安心感を与え、すっと懐に入ることもできるでしょう。
また思慮深い為周囲の信頼も厚く、揉め事が起こった場合に冷静に意見を求められたり、細かな出来事についてもその人に聞こう、などと頼りにされたりもするでしょう。
自分の性質を変えるということはなかなか難しいものです。また引っ込み思案の方にはたくさんの長所があり、その人柄ゆえにこれまで築いてきた人間関係などもあるでしょう。
それでもなお、仕事上ではきはきとした仕事ぶりを求められる、恋愛面では好きな人に振り向いてもらえない、積極的な人と比べると損をしているように感じる、などの理由から自分を変えたいと思っている引っ込み思案の方もいることでしょう。
そこで、これからは引っ込み思案を対処するコツについて考えていきたいと思います。
営業成績のよい人は話し上手と思われがちですが、じつは聞き上手の方も優秀な営業マンなのです。人は話しを聞いてほしい生き物ですから、聞き上手な営業マンは客からの信用を得やすいと言えます。
また恋愛面においても、自慢話しを聞いてほしい男性、お喋り好きな女性は聞き上手な異性を好意的に受け止め、恋愛に発展するケースも多いでしょう。
優しく観察力のある引っ込み思案の人は、もともと聞き役に回ることが多く、聞くことには慣れているはず。相槌の仕方を工夫して、話が弾むよう心がけるなど、聞き上手を目指しましょう。
引っ込み思案な性格を克服するにはまず自分のことを好きになることです。「自分がしていることは正しい」「自分が考えていることはユニークだ」「自分のことをみんな好きだ」とポジティブに考えるのです。
次に下を向くことをやめましょう。引っ込み思案な人は恥ずかしさからどうしても人の後ろに隠れたり、下を向いたりしてしまいがちですが明日からやめてみましょう。
失敗したり、怒られるとつい自分を責めてしまいますが、自分を責めても事態が変わることはありません。
また取り返しのつかない失敗などというものもないのです。自分を責めず前向きに振る舞ってみましょう。
引っ込み思案の方は、ついつい受け身になり、現状維持に固執してしまいがちですが、今までチャレンジしたことのない、新しいことを始めてみましょう。
小さなことでよいのです。行動的な知り合いの人に声をかけてみて、お茶や食事を共にしてみる。新しいお店を探して訪ねてみる。昔習った楽器を始めてみる。映画を見た感想をSMSに投稿してみる。いつもより早く出勤してオフィスの掃除をしてみる、などなど。
少しずつ行動することで、少しずつ行動的な自分に変わっていくことでしょう。
人と人とのつながりは、まず挨拶に始まり挨拶に終わる、とは一度は聞いたことのあるフレーズですね。
いくらこちらが親しく思っていたとしても、相手に伝わらなければ仕方ありません。恥ずかしがり屋の引っ込み思案の方は、つい軽く会釈してそそくさと立ち去ってしまったりしていないでしょうか。
あなたが挨拶される側だとして、そそくさと去っていく人より、優しい笑顔と共に元気に挨拶される人の方が気持ちよく感じないでしょうか?
まずはにっこり笑顔を意識して挨拶してみましょう。それだけで相手の方のあなたへの印象はグッと好印象なものになるでしょう。
人は誰しも考え方の癖、のようなものがあります。引っ込み思案の方で色んな方との交流を避けてしまっている方は、自分の意見を言ってみんなの感想を聞く機会も少ないかもしれません。
そのため考え方が自分中心だったり、偏った考えになってしまっていたり、頑固になってしまっている可能性もあります。自分の思考を客観的に見てみることもたまには必要なことなのです。
「初めて、自分で自分を褒めたいと思います」とは、1996年アトランタ五輪の女子マラソン、有森裕子さんの有名な言葉です。
バルセロナ五輪に続き銅メダルを獲得されましたが、スポーツ選手は自分はできると信じ、自分を褒め、ポテンシャルを高めている方が多いです。
引っ込み思案の方も五輪を目指すとまでは行かなくとも、勉強でも仕事でも恋愛においても、小さなことでも自分自身を褒めることで自信を深めたり、挑戦する意欲を高めていきましょう。
自分の思考を客観的に見ることも時には必要と述べました。その結果どうもネガティブに考えているな、と思った方は、意識して物事をポジティブに考えることも大切です。
物事を悪い方に考え過ぎていたことに気づいたら「それほど心配しなくてもきっと大丈夫。」と自分に言い聞かせる。何か新しいことを始める時は、そのことができるようになった自分を想像してワクワクする。小さな日常の出来事や人の話に感動する。
そのように些細なことでも意識してポジティブに考えていくうちに、たくさんの人生の幸せを発見できる人になっていくでしょう。
引っ込み思案は悪いことばかりではありません。はっきりとした人が好きな人もいれば遠慮深く慎み深い人が好きな人もいます。
それでも引っ込み思案を克服したいならまずは自分が出来る小さなことからチャレンジしてみましょう。
笑顔で挨拶することでも、相手の目を見ることでも構いません。あなたの印象はそれだけでガラリと変わることでしょう。きっと新しい自分を手に入れることができますよ。
Written by miichikin