生き急ぐ人とは、どのような人のことを指すのでしょうか。ここでは、生き急ぐ人という意味、典型的な心理や特徴、また注意点も含めて解説していきます。生き急ぐ人についての知識を深め、自分にも取り入れられる行動があれば活用しましょう。
「生き急ぐ」という言葉がありますが、どんな意味かご存じでしょうか。生き急ぐというのは、その字のとおり、生きることをものすごく急いでいるように見えることを言います。
休暇をとることなく、常に前に進んでいくような暮らをする人のことを、生き急ぐ人と呼ぶこともあります。余裕がない生きざまなので、生き急ぐ人は短命だ、という言い方もあります。
また、「生き急ぐ」とよく似ているけれど、まったく意味の違う言葉に、「死に急ぐ」があります。
生き急ぐというのは、次々に物事を急いで進めていく人であるのに対して、死に急ぐというのは、死に向かって自ら突き進んでいく人のことを指します。例えば、わざと危険だと言われていることに挑戦して命を危険にさらすような行動が、死に急ぐにあたると思われます。
生き急ぐ人は努力家でパワフルな生き方でもあります。決して悪いということはありません。
しかし、生き急ぐあまり周囲の人との間にひずみが生まれてしまうこともあります。また、時としてそのことが足を引っ張る結果に繋がってしまう可能性もあります。ここでは、生き急ぐ人が注意しておきたいポイントについて紹介します。
生き急ぐ人は合理的に動くことが得意です。このことを言い換えると、合理的でないことはあまり得意ではないということになります。
一人が頑張るだけでなく、周囲と協力して物事を成し遂げて行くといった行為は大切なのですが、これが生き急ぐ人にとっては苦手な傾向があります。
単独で頑張ることなら得意なのですが、みんなと一緒に取り組むとなると途端に困ってしまいます。そのため、生き急ぐ人は周囲から協調性がない人だと思われがちな傾向があります。
生き急ぐ人は、目標に向かってがむしゃらに努力するので、無理してしまうことが多い傾向があります。そのため、時として体調を崩してしまう場合もあります。
体調を崩してしまうと予定通りに物事も進まなくなってしまいますし、周囲に迷惑をかけてしまいます。また、何よりも自分にとって心身の健康が第一です。
たまには無理してもいいですが、それが続くと大病に繋がることもあります。頑張り続けるのをやめる時間も必要です。休憩しながら、できる範囲で頑張りましょう。
生き急ぐ人は合理的な思考の持ち主で、休む間もなく努力し続けます。その努力の最中やチャレンジが空回りしていた場合、なかなか結果を得られません。そのため、全く楽しくないがとにかく目標に向かって頑張るしかない、という状況になることもあります。
時には肩の力を抜いて、自分の周囲に目を向け、周りの人との交流を楽しむといった方法もあります。生き急ぐ人にとっては無駄だと思う交流の中から、時として次につながるヒントが生まれることもあるでしょう。
生き急いでいる人というのは、とにかくアグレッシブです。何にでもチャレンジしますし、積極的に物事に取り組んでいきます。また、夢や目標を高く掲げてそれに対しての努力も惜しみません。
周囲から見ると「そこまでしなくても」と思うような生き方なのですが、生き急いでいる人というのは非常に「パワフルな人」だ、ともいえるでしょう。
ここでは、そんな生き急ぐ人の典型的な心理・特徴を解説します。
生き急ぐ人の特徴として、待つことが苦手といったことがあります。
待つ時間が無駄だと考えているので、どうしても待てないことが多いのです。また、自分ならこんなに時間がかからないのになぜこんなに返信が遅いのだろうか、作業が遅いのだろうか、といったことでイライラしてしまうこともあります。
自分の基準で物事を考えてしまうので、こういったことが起こってしまいます。
生き急ぐ人は、常に合理性を持って行動しています。それは、無駄を嫌うといった特徴があるからです。
会合などの場合もとにかく決めることを決めるといったスタンスですので、和やかなムードでゆったりした場面になるとイライラしてしまいます。
あまり水を差してばかりでは良くありませんが、時間ばかりかかって無駄になってしまうのも考え物ですので、生き急ぐ人が1人でもいるだけで効率的に事を進められるメリットがあります。
生き急ぐ人は、マルチタスクといった同時進行の作業が得意な傾向があります。
たとえば料理に置き換えて考えてみましょう。ご飯を炊く、野菜炒めを作る、味噌汁を作るといった3つの工程をできるだけ同時進行ですすめるとします。
この場合、まず味噌汁用に煮干しを鍋に浸し、米を研いでご飯を炊き、野菜や肉を切ります。野菜を入れ鍋のお湯を沸かしながらまな板を洗い、沸騰してしばらくしたら煮干しを出し、野菜に火を通します。そのあと野菜炒めを作り、最後に味噌を入れるといった工程になります。
生き急ぐ人は、こういった同時進行を仕事の中でも実行できます。やるべき仕事に優先順位を付けながら、同時進行出来ることは同時進行することで、作業完了時間が短縮できるといったメリットがあるのです。
生き急ぐ人は、一度何かやると決めたらその目標に向かって突き進んでいきます。
わき目もふらずに努力するのはとても良いことなのですが、時として周りが見えなくなってしまうこともあり、暴走してしまいます。
仕事の上で勘違いが発生してしまったり、大事な部分が抜け落ちてしまったり、プライベートでも周囲との温度差が生まれてしまう場合もあります。時にはいったん立ち止まり、周囲に確認しながらの作業もとても大切です。
生き急ぐ人は、基本的に真面目といえるでしょう。常に何が必要なのか考え、ひとつひとつの仕事を雑にすることがありません。そのため、周囲からの評価も高いでしょう。
他の人ならそこまで気にならないようなことでも、思い立ったらすぐ行動するため、周囲からの信頼も厚いのが特徴でもあります。
どうしてそこまで急がないといけないのか、不思議に思うほどせっかちな行動の人は、生き急いでいる人の可能性があります。
誰にとっても、時間は有限です。しかし、生き急ぐ人にとっての時間に関する感覚は、普通の人とは違います。
生き急ぐ人はとにかくせっかちです。常に最適な行動を考えて、無駄なく最短時間で行動しようとしています。
ゆっくりと休息している時間は必要ないと感じているので、食事のときも座ったりせず、立ったまま何かをしながらモグモグするのも当たり前です。また、仕事の合間にしっかりリラックスする時は不要と考えるので、休む間を惜しんでひたすら仕事に打ち込む人が多いようです。
ゆっくり過ごす時間が無駄と感じているので、生き急ぐ人は気持ちに余裕がないといえるでしょう。
現状維持を嫌い、常に向上することを心がけているので、生き急いでいる人は努力を怠りません。無駄な時間も嫌いますので、短時間でどれだけの成果を効率よくあげられるかということを考えながら行動しています。
また、目標を立て到達点に達すると、次の目標に向かって邁進していくので、常に向上し続けていき、終わりなき努力ができることが生き急いでいる人の特徴です。
生き急いでいる人は無駄を嫌うのと、頭の回転が速いことから、早口でまくし立てる傾向があります。周囲からしても聞き取りづらいこともあるくらいです。
電話などの場合、相手が聞き取れていないことに気づかない場合もあるでしょう。生き急いでいる人は、同じことを再度話すこと自体が時間の無駄になってしまうので、できるだけゆっくり話すことを心がけましょう。
生き急ぐ人は、考えるよりまず行動するといったタイプの人が多い傾向にあります。その理由は、考える時間が無駄だと思っているからです。
とりあえず行動してみて、修正できる箇所があれば修正しながら動いていけるのが生き急ぐ人の特徴です。失敗もあるかもしれませんが、生き急ぐ人は持ち前の行動力でそういった失敗も修正できる才能があるのです。
生き急ぐ人は、とにかく毎日何かしら動いていないと落ち着きません。何もせずゆっくりすることに罪悪感を感じてしまいます。
生き急ぐ人は、何もしない時間が無駄と考えています。そのため、休日の日でも常に予定が入っていて、スケジュールは分刻みで動いています。
途中経過を重視するか、結果だけを重視するのかといった事のどちらが大切なのでしょうか。生き急ぐ人の場合は、途中経過のプロセスはどうでもよいと考えていて、結果がより重要だと考えている傾向があります。
生き急ぐ人は、いつも最短でゴールにたどり着こうとしています。これは、たとえプロセスでさまざまな学びがあったとしても、失敗すればなんの意味もないと考えているためです。
生き急ぐ人というのは、自分がどうなりたいのかという明確なビジョンを持っています。目指すべき姿が明らかになっているので、そこに向かって努力し続けていけるのです。
あまり考えずに行動していると、行動がブレたり、途中で矛盾が出てきたりしてしまうものです。
生き急ぐ人にはそういうことがありません。明確なビジョンに向かって一直線に進んでいけるのが、生き急ぐ人の特徴です。
生き急ぐ人は、ルーチン的なことが苦手な傾向があります。そのため、常に新しい事や刺激を求めます。
常に様々な経験を積むことで、自分にとっての糧にし、成長に繋げていこうとするアグレッシブな人が多いのが特徴です。
業務の場合、どうしてもルーチン業務は避けて通れない部分があるでしょう。生き急ぐ人の場合、そのルーチン作業もどうしたら効率よく短時間でできるかを考え、独自のアイデアで改善できるメリットがあります。
生き急ぐ人は、全ての行動の無駄をなくしたいと考えています。そのため、歩くスピードまで早くなる人が多いのが特徴です。
歩いて移動する場合、できるだけ早く歩くことで無駄をなくせるので、とにかく早足です。ただし、誰かと一緒に移動する際は、可能であれば相手に合わせてゆっくりペースにするのがおすすめです。
移動時間をすり合わせなどの時間に有効活用できますし、普段からゆっくりペースの人を早歩きさせるとケガにつながりますので注意しましょう。
生き急ぐ人は、1日のうちの隙間時間すらもったいないと感じています。そのため、10分でも15分でも隙間の時間があるのなら、読書したりスマホで情報収集したりし、時間を無駄にしません。
また自宅であれば、夕飯の下ごしらえや、隙間時間で素早く掃除をすませてしまいます。生き急ぐ人は、1分1秒も無駄にはしたくないと思っている人が多いのです。
生き急いでしまう人というのは人生を非常に忙しく送っている人でありますが、それだけに成功しやすい人でもあります。特に企業のトップに立つような人の中には、生き急いでいるタイプの人が少なくないでしょう。
どうして生き急いでいると成功しやすいのか、ここではその6つの理由について紹介します。
時として、「しなければならないことがあるのだけど、面倒くさい」「面倒なので後にしようかな」とついつい後回しにしてしまうことはありませんでしょうか。
生き急ぐ人は、面倒であることを理由に何かを後回しにすることがありません。優先順位をつけることが得意なので何が必要かを瞬時に把握して、必要だと感じたことはすぐに実行します。
また、悩んでいる時間が無駄だと考えているので、悩まずにすぐ行動に移せるのです。
常に全力状態で動いているため、生き急ぐ人はワーカホリックになりがちです。まるで何かに取りつかれたように仕事に熱中する様は、頼もしく見える反面引かれてしまうこともあります。
生き急いでいる人の場合は、目標に向かって努力することや、仕事を頑張るのは当たり前のことであって、嫌々ながらやっているわけではないのです。
また生き急ぐ人は、目標に向かって一直線に取り組みます。目標を達成するために必要な努力は惜しみませんし、必要なことは成し遂げようとします。
目標がどんなに難しいことであっても、諦めるということはほとんどありません。どうしたら成功するのかを考えて努力することが、生き急ぐ人にとってはあまり苦痛ではないのでしょう。
生き急ぐ人は、人生は一度きりであり後戻りはできないことを知っています。そのため、人間に与えられた生きる時間を最大限に活用したいと考えているのです。
また、やりたいと思ったことはすぐに実行に移す行動力も持ち合わせています。
生き急ぐ人は無駄なことが大嫌いで、合理的なことが大好きな傾向があります。常に、最適かつ合理的にするにはどうしたらよいかを考え、実行しています。
周囲に仕事を任せることにより負担が減る場合にも、自分がやった方が早いと考えれば自分一人でやってしまいます。そのため、周囲から手を差し伸べられたとしても、結果的に時間がかかってしまうくらいなら自分がやるといった方を取り、断ることもしばしばです。
目標としていた地位やポジションに昇格できたら、たいていの人はそれなりに満足するものです。しかし、生き急ぐ人は簡単には満足しないでしょう。
希望した地点に達したなら、すぐに新たな目標を立て、そこに向かって走り始めるからです。
多くの人にとって出世することが目標だったとしても、生き急ぐ人にとってはその目標はあくまでも通過点でしかありません。生き急ぐ人にとっては、現状に満足せず、目標を立て続けることが大切なのです。
マズローという心理学者が提唱した概念に、「承認欲求」というのがあります。これは、その人が所属している団体や集団などの中で、認められたい、褒められたい、尊敬されたいといった欲求から起こる行動のことを指します。
生き急いでしまう人は、この承認欲求が強い傾向があります。また、人から能力が高いことについて褒められることも大好きです。周囲からすごいと言われると、嬉しくなってさらに頑張ってしまいます。
生き急いでいる人は、自分が周囲の人とは違った生き方であることを自覚しています。そのため、他の人に自分の生き方を褒められたり、すごいと感心されたりすると、とても嬉しくなってしまうのです。
生き急ぐ人は、時間を無駄にせず合理的に行動したいという思いから日々生活しています。また、すべての行動に根拠があることも、この中で解説してきました。
デメリットもありますが、メリットもまた多いといえるでしょう。生き急ぐ人の心理や特徴を把握し、自分の生活の中にも取り入れてみましょう。
Written by 鍋谷萌子