勘違い前回の痛々しい行動をする男性は、周りからすると失笑ものですが、当の本人は気付いていないものです。
今回は、女性に引かれるイタイ勘違いムーブをしないよう、イタイ男の典型的なエピソードを3つご紹介します。
それではさっそく、イタイ勘違い男のエピソードをご紹介します。
最初にご紹介するのは、自分が周囲から一目置かれていると信じて疑わない勘違い男性Aさんのエピソードです。
筆者と、友人(女性)のSさんとMさん、そしてAさんの4人で居酒屋へ飲みに行った時のことです。談笑をしていると、Aさんが突然こんなことを言い出しました。
「ねぇSさん、俺ってみんなから一目置かれてるタイプだけど、あまり俺に気を遣わなくていいよ? 遠慮しないでさ。もう少し気楽にしたら? 俺のことちょっと意識しすぎじゃない?」
Aさんは、まるで自分がSさんに好かれている前提で話し出したのです。この時、Aさんと初対面だった筆者とSさんは、きょとんとしてしまいました。そしてAさんの友人であるMさんは、「出た! またやってる!」と内心思っているのか、いたずらっ子のような表情をしていたのが印象的です。
もちろんSさんは、Aさんに突然こんなことを言われて戸惑うばかり。後々Sさんから本心を聞くと、「あの時は意味がわからなくて混乱したけど、後々ただの勘違い野郎だとわかるとなんだか腹が立ってきた!」と言っていました。
思い上がりが甚だしい上に、女性に好かれていると勘違いしての上から目線は、目も当てられないくらいに痛々しい姿でした。
次は、自意識過剰で女性に見られていると勘違いするBさんのエピソードをご紹介します。
筆者の会社員時代の先輩だったBさんは、街を歩いている時、周りの目線を過剰に意識していました。自意識が過剰なので髪型や服装などにも人一倍気を払っているようでしたが、どこか感覚がずれているのか、周囲からは「一生売れないバンドマン並みのファッションセンス」と言われていました。
Bさんと一緒に買い物などに行くと、「見て、今、あの店員絶対俺を見てたよ」という発言がしばしば。極めつけには、通りすがりの女性に対しても「あの子、俺に気があるわ。声掛けてこようかな」などと言い出す始末。
無駄に自信を持っているBさんの様子は、周囲から見るととても滑稽でした。
そんなBさんはいつも彼女を欲しがっていましたが、言うまでもなくなかなか彼女はできず。素敵な出会いがあっても、女性は彼の勘違い振りに興醒めして離れていくのでした。
最終的にBさんは、とあるキャバ嬢に入れ込み、たっぷりと貢いでから捨てられることに。その後、失意のまま退職して行方をくらませたのでした。
Bさんの運命には同情を禁じえませんが、結局は身から出た錆。彼がキャバ嬢に捨てられた理由も、「この子は俺にぞっこんだ」という過剰な自意識と勘違いを、お相手の女性が遂に我慢できなくなったからだと後々人づてに聞きました。
最後にご紹介するのは、女性遍歴を自慢したがるCさんのエピソードです。
Cさんは飲み会でよく自分の女性遍歴を自慢していました。しかも、彼はまともに女性と付き合ったことがほとんどなく、大半はワンナイトラブ。しかし、それを「自分はモテる」と勘違いし、一夜限りの関係をまるで「自分がモテてきた証」とでも言いたげに、見境なく自慢するのです。
ある時、彼はこんなふうに語っていました。
「いやー、俺、昔は本当にモテてたんだよね。20の頃なんか、毎晩女をとっかえひっかえだったよ」
誰かが「付き合ったりしないんですか?」と質問すると、Cさんは決まって次のように返しました。
「付き合ったってしょうがないじゃん。面倒くさいし」
周囲の人々は、Cさんが自分をモテる男だと思い込んでいることを内心で少し引いていましたが、とりわけ女性の反応は最悪でした。Cさんの話にほとんどの女性が嫌悪感を示していましたが、Cさんは反省するどころか「彼女たちは俺を意識している」とスーパー勘違い。
当然、いつまでも彼女などできるわけもなく、あれから20年ほど経った今も、彼は独身だと聞いています。
女性遍歴を誇らしげに語ってはいましたが、周りの人々は彼が実際には女性を大切にしてこなかったことを悟っていました。
盛大なやらかし自己紹介に気付いていないのは、Cさんだけだったのです。
今回ご紹介した勘違い男は、全員筆者がリアルに交友があった方々です。そして、実際に筆者は彼らの勘違いを指摘し、改善した方がいいと助言したこともあります。
ところが、彼らは決まって筆者の言葉には耳を貸さず、「自分はモテている」「自分はイケている」と信じてやみませんでした。
彼らは確かに勘違い野郎でしたが、面倒見が良かったり他人に親切だったり、良いところもたくさんありました。
筆者はそんな彼らが好きでしたし、彼らが幸せになってくれたら嬉しいという思いから、あえて言いにくいことを指摘したのです。
ところが、結局は暖簾に腕押し、筆者がいくら言っても、彼らの勘違いが直ることはありませんでした。
勘違いは、自分ではなかなか気付けません。ですから「勘違いしないように気をつけよう」と思っても、勘違いを防ぐのは難しいでしょう。
勘違いしがちな人に必要なのは「勘違いしないよう気をつける意識」ではなく、「他人の言葉に真摯に耳を傾ける」ということです。
筆者のようにはっきり言ってくれる人だけでなく、はっきりと言葉にしてくれない人(たとえば周囲の女性や、デートのお相手など)にもできるだけヒアリングし、参考にしましょう。
勘違いを予防するのにもっとも効果的なのは、謙虚さとコミュニケーションです。
Written by はるお