死者数は交通事故の4倍以上…⁉ 冬の家に潜む危険3選

気温の下がる冬は、体調管理だけでなく家の中で起こる事故やケガに注意が必要です。厚生労働省が発表した情報によると、年間の死亡者数は秋から冬に増加しています。

室内の寒暖差によって起こる「ヒートショック」では、最悪の場合死へつながることも……。そこで今回は、冬の時期に家の中で起こりうる危険とその対策法について解説していきます。

冬に気を付けたい! 家に潜む危険3選

血管の収縮で起こる「ヒートショック」

冬場のヒートショックは、近年最も注意喚起されている危険のひとつです。ヒートショックとは、室内における寒暖差が原因となり血圧変動を起こし身体へ大きな負担を与えることを指します。

暖かいリビングやダイニングから寒い脱衣所やトイレへ移動した際に起こる現象です。寒暖差を感じると体温を維持するため、血管が収縮を繰り返します。結果、血圧が激しく変動し心臓などへ大きな負担がかかってしまうのです。

ヒートショックは特に高齢者を中心に注意が必要で、浴室で発生した場合は溺死につながる恐れも……。また、浴室だけでなく、寒くなりがちな深夜のトイレや玄関にも注意が必要です。

約10度以上の寒暖差があると危険といえるため、暖房機器を設置するなど対策する必要があります。

窓や押し入れの結露

窓や押し入れの結露

気温が下がる冬場は、結露にも注意しましょう。結露は、室内温度と外気温の差が大きいと発生します。結露自体が直接人体へ悪影響を及ぼすことはありません。しかし、結露を放置すると、カビやダニの繁殖につながるのです。

カビやダニが繁殖してしまうと、人体へ悪影響があり、喘息を患う可能性も……。また、結露は家自体にも悪影響を与えます。コンセント付近に結露が出た場合は、漏電や感電の恐れがあります。最悪の場合は、自宅の火災につながるリスクもあるのです。

結露を放置すると人体はもちろん、家自体にも悪影響を与えますので、注意しましょう。

家の中での転倒

冬の時期は、家の中での転倒やケガに注意しましょう。気温が下がるとコタツやじゅうたんのほか、暖房機器を部屋に設置しますよね。

すると、じゅうたんの厚さやコタツの毛布、暖房機器のコードなどにつまずくこともしばしば……。人によっては厚手の靴下を履くケースもあるため、家の中での転倒が起こりやすい環境なのです。

寒さを感じると人間の筋肉は硬直します。そのため、冬場はちょっとした転倒でもケガにつながることが多くなります。場合によっては、小さな打撲では収まらず骨折する可能性もありますので、十分注意してください。

冬の事故防止法3選

各部屋の室温差をなくす

各部屋の室温差をなくす

冬に多発する「ヒートショック」をなくすためには、各部屋の温度差を小さくする必要があります。そのため、気温の下がりやすい浴室やトイレ、玄関などに暖房機器を設置しましょう。

室温の目安としては「22度」です。それ以下になると、リビングやダイニングとの温度差が大きくなるため、ヒートショックを起こすリスクが高いです。

トイレや玄関などにはコンセントがあるため、手軽に暖房機器を設置できますが、浴室は設備がなければ難しいですよね。

シャワーからお湯を出し浴室全体へかけたり、浴槽のふたを開けたりしておくだけでも対策になります。ヒートショックのリスクを軽減できますので、あるものを有効に使いましょう。

結露対策を行う

冬の事故を防止するには、結露対策を行いましょう。結露は外気温と室内温度の差が大きいことで発生します。

冬場はどうしても結露が発生しやすい環境となるため、防ぐことは困難です。そのため、こまめな換気を心がけましょう。窓がある場合は、窓を開ける。ない場合は、サーキュレーターなどを設置して空気を循環させてください。

また、結露ができた場合は、こまめに拭くことも有効です。タオルでなくても新聞紙などの古紙の利用もおすすめです。結露対策を行うことで家自体の老化はもちろん、カビやダニの増殖を防げます。

転倒防止対策を行う

冬の家の中では、転倒に気をつけなければなりません。厚手のズボンや靴下を履く機会が増えるため、足元がおぼつかなくなりますよね。

家の中でつまずくリスクを下げるために暖房機器のコードは壁際を這わせましょう。カーペットやじゅうたんを敷く場合は、滑り止めを下に敷くことが有効です。

カイロなども有効に使い、分厚いスリッパや靴下はなるべく避けることをおすすめします。

ケガ人が増える冬は自宅内でも要注意

気温の下がる冬は、家の中でも危険がいっぱいです。リビングやダイニングは暖かくしていても、浴室やトイレなどの気温が低ければ「ヒートショック」を起こす可能性があります。

冬は寒さで筋肉が収縮し柔軟性をなくすため、ちょっとした転倒でも大きなケガにつながる恐れがあります。

そのため、各部屋の気温差を小さくすることや転倒防止の工夫が必要です。また、結露を放置することで起こるカビやダニの増殖にも注意しましょう。

WHOでも冬の室温は18度以上にすることを推奨していますので、暖房機器などを適切に使い予防しましょう。

Written by 川元雄之

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