アネモネは、まだ肌寒さの残る早春に咲く花です。アネモネの花言葉を聞いたことがありますか?
花束をプレゼントする時は、花言葉にも注目して選ぶことができたら素敵ですね。
アネモネは様々な色があり、色別に花言葉が違います。由来となった神話と合わせてさっそくご紹介します。
アネモネは学名「Anemone coronaria」、和名を「牡丹一華(ボタンイチゲ)」と言います。
キンポウゲ科のイチリンソウ属で、1つの茎から1つの花が咲き、日本では初夏に地上に出ている草や茎や花が枯れてしまった後に、土の中で球根を作ります。
暑い夏は球根のままじっと土の中で過ごし、秋になると芽を出し始めます。春の日差しが少しずつ届くようになると、綺麗な花を咲かせます。
赤や白、紫や青の他にもパステル系の色、一重や半八重、八重の形など種類豊富で、鉢植えや切り花でのアレンジメントにも人気がある花です。
アネモネには、アネモネ全体での花言葉と、色別につけられた花言葉があります。
赤のアネモネには「君を愛す」、白のアネモネには「真実・真心」、青いアネモネには「堅い誓い」という意味があり、大切な人に贈るのにぴったりな花言葉を持っています。
色によって花言葉が違うアネモネ、花束を贈るときにそっと添えて気持ちを伝えてみるのも素敵ですね。
アネモネは古代ギリシャでは死を象徴する花だと言われていました。光がないとすぐに花はしぼんでしまい、摘み取るとすぐに枯れてしまうためです。
寂しいエピソードを持つアネモネの花言葉には、「はかない恋」「見捨てられた」「恋の苦しみ」「薄れゆく希望」「嫉妬のための無実の犠牲」など、やはり寂しい意味のものが多くあります。
イギリスやフランスでもアネモネは「消える希望」「辛抱」という寂しい意味の花言葉になっていますが、「無邪気」「待望」「清純無垢」など心が救われるような花言葉も持っているので不思議です。
アネモネが持つ花言葉には「はかない恋」があります。
失恋や叶わない恋をイメージしてしまう悲しく寂しい花言葉ですが、叶わなくても一途に恋をしている健気でいじらしい気持ちも伝わってくるのではないでしょうか。
1つの茎に1つの花を咲かせる一輪草のアネモネだからこそ、はかない恋でも一途な気持ちも感じられる花言葉ですね。
アネモネには「見捨てられた」という強い悲しみを伝えてくる花言葉もあります。
同じような意味で「見放された」という花言葉もあり、愛する人や信じていた人から別れをきり出されたり、拒絶されたようなイメージを持たれるでしょう。
大切な人の心が離れて傷ついた気持ちにそっと寄り添ってくれるのが、悲しい花言葉を持つアネモネの優しさのように感じられます。
3つ目の花言葉は「恋の苦しみ」です。恋の苦しみと言われると片思いやはかない恋、失恋などのイメージがあるでしょう。
アネモネは実は「毒」を持つ花で、茎から出た汁が肌に触れると皮膚炎や水疱を起こすことがあります。
人生を豊かにする恋愛も、可憐な花を咲かせるアネモネの毒のように時には苦しみをもたらすものになるという、先人たちの教えのような花言葉ですね。
アネモネには「薄れゆく希望」という、恋を諦めてしまおうか、終わりにしてしまおうか、と思わせるような悲しく切ない花言葉もあります。
悲しく切ない花言葉ですが、まるで、叶わぬ恋なら、こんなに苦しい恋なら、と思い悩む気持ちに恋を手放す勇気を与えてくれているようです。
一度枯れても再び春に咲くアネモネのように、今の恋を終わらせた後に、また新しい恋の花を咲かせられると素敵ですね。
アネモネには色によってそれぞれの花言葉がつけられています。
アネモネ全体では寂しい花言葉が多くありますが、色で見ていくと素敵な花言葉に出会えます。
発色が良く花束や鉢植えでも映える赤や真っ白で穢れのない白、落ち着いた雰囲気の青と紫、可愛らしいピンクの花言葉は大切な人に気持ちを伝えるのにぴったりな花言葉です。
赤いアネモネには「君を愛す」という花言葉があります。情熱的な赤は、アネモネの持つ寂しい花言葉さえも打ち消してくれる強さを感じますね。
男性が女性にプレゼントする花束の王道と言えば赤いバラの花束ですが、ちょっと工夫をしてアネモネを贈るというのも素敵です。
目にも鮮やかな真っ赤なアネモネは、強い気持ちや思いを伝えてくれると思います。アネモネ自体は派手な花ではありませんが、赤だとパッと目を引くので不思議ですね。
白いアネモネの花言葉は「真実」「期待」「真心」「希望」という意味があります。
まっさらな穢れのない白は一点の曇りもなく、真っすぐに相手に届くことでしょう。
真っ白い花は見ているだけで心が洗われるような気持ちになるので、初恋の相手に贈るのにピッタリかもしれません。
白は世界的にも神聖な色として扱われることが多いものです。
紫のアネモネには「あなたを信じて待つ」「信じて従う」、青いアネモネには「堅い誓い」という花言葉があります。
紫のアネモネは柔らかい薄紫色をしていて、忠誠心を誓うような花言葉は、遠距離恋愛をしている相手に贈るのにピッタリです。
どんな時でもあなたのことを信じているという気持ちがきっと伝わることでしょう。
青いアネモネは心が落ち着くような澄んだ青空と同じ青色を持っていて、心の清らかさを表しているようです。
婚約する時や、結婚する時にプレゼントするとあなたの強い誓いの気持ちを表現することができるでしょう。
ピンクのアネモネには「待望」「希望」という花言葉があります。
可愛らしいピンクは赤いアネモネの「君を愛す」、白いアネモネの「真心」を合わせ持っているような、情熱的で健気な気持ちが表しているようです。
赤や白、紫や青など他の色のアネモネと合わせれば、それぞれの花言葉にプラスして「待ち望む」という、相手の気持ちを待つ思いやりの心が伝わるでしょう。
アネモネはギリシャ語で「風」を意味する言葉で、アネモネの花言葉には2つのギリシャ神話が由来していると言われています。
西風の神ゼフュルスの神話とアドニスの神話です。それぞれが恋に関係する神話で、切なく悲しい結末を迎えます。
花言葉の由来となった神話を知れば、アネモネの持つ切なく悲しい花言葉にも納得するでしょう。
西風の神ゼフュルスの神話は、ゼフュルスとアネモネという侍女の恋物語です。
ゼフュルスは花の女神フローラの侍女であるアネモネのもとに足繁く通いますが、フローラはゼフュルスが自分を愛していると勘違いをしてしまいます。
真実を知ったフローラはゼフュルスへの怒りとアネモネへの嫉妬で、アネモネを自分のもとから追い出します。
そしてゼフュルスは神の立場からフローラとの関係悪化を恐れ、アネモネを守らずに花に変えてしまうのです。
「見放された」「嫉妬のための無実の犠牲」の花言葉はアネモネの悲しみを表しているのでしょう。
アドニスの神話は、美の女神アフロディーテと人間のアドニスの恋物語です。
アフロディーテと息子エロースが二人で遊んでいたある日、エロースの放ったキューピッドの矢がアフロディーテを傷つけてしまいます。
アフロディーテは傷が治る前に美少年アドニスを見て恋に落ち、二人は恋仲になります。
しかしアドニスは大好きな狩りの途中にイノシシに体当たりをされ命を落とし、嘆き悲しんだアフロディーテは、アドニスから流れる血をアネモネの花に変えたのです。
アネモネの花言葉には二人の恋の切なさが込められているようですね。
アネモネの花言葉には、寂しい意味と、色によって大切な人に思いを伝えるのにぴったりな意味のものがあります。
切ない恋の神話が由来ですが、恋をしたり、誰かを大切に思う気持ちは素敵なものですよね。
花束の中に気持ちに合った色のアネモネを添えたり、アネモネの花束に花言葉を書いたメッセージカードを添えてみれば、きっと大切な人にも想いが伝わるでしょう。
Written by miichikin