近年は晩婚化などが囁かれるようになり、若い人たちの結婚観は昔とかなり変わってきています。
日本において女性が働くことが普通になってきた現在、どのような結婚観が一般的と言えるのでしょうか?
今回は、昔と今の結婚観を比較することで最近の若い人たちが持っている結婚観について探っていきましょう。
1. 今と昔の初婚年齢の違いとその理由は?
まず、初婚年齢の違いから結婚観を考察していきましょう。
平成28年の調査によると、男性の平均初婚年齢は31.1歳、女性は29.4歳という結果が出ています。
男女差は1~2歳ほどありますが、どちらも30歳前後が平均的な結婚年齢となっています。
次に昭和5年に実施された調査を見ると、男性の平均初婚年齢は27.3歳、女性は23.2歳という結果です。
平成7年の調査では、男性の平均初婚年齢は28.5歳、女性は26.3歳です。
これらの結果から、平均初婚年齢は年々高まっていて晩婚化が進んでいることが分かります。
それでは、なぜ男女共に年々晩婚化が進んでいるのでしょうか? 男性、女性それぞれの側面から考えていきましょう。
男性は経済的に余裕のない人が増えた
昔の日本では終身雇用と年功序列制度が基盤となっていました。
リストラや転職を強いられることもほとんどなく、一度就職すれば定年まで勤められる上に給料も上がっていくことが決まっていたので、年齢が若く収入が少なくても安心して結婚できたという面があります。
しかし、現在の日本では不況の時代を迎えリストラされることも珍しくなく、また転職する人も一般的になっています。
近い将来の収入も予想できない人が多く、経済的な安定感を欠いているので昔より気軽に結婚できなくなったと考えられるでしょう。
女性は自分で生活できる人が増えた
経済的な面を見てみると、女性は昔に比べて男性と同じように社会に出て働く人が多くなりました。
昔の女性の平均初婚年齢が低かったのは、当時の時代背景が大きく関係しています。
女性が社会に出て働き収入を得ることは一般的ではなく、早いうちに結婚して家庭で家事を担当し、男性の稼ぎで食べていくというケースが大多数だったことが原因と言えます。
しかし現在は女性でも普通に働いている人の方が多く、男女の収入差も狭まってきています。
その結果、女性は男性の稼ぎを当てにしなくても生活できるようになり、結婚を急がなくてもよくなったことが1つの理由として挙げられるでしょう。
これらの理由を合わせると、現在は男性は経済的余裕がない人が増え結婚を急げなくなった、また女性は働く人が増え生活できるようになったので結婚を急ぐ必要がなくなったことが分かります。
昔と今の社会的背景や環境の変化が結婚観にも影響を大きく与えているのです。
そして仕事やプライベートのあり方も昔より多様性が認められるようになり、最近は男女共に、独身生活を自由に楽しむ人が増えたとも言えるでしょう。
2. 結婚式のあり方も大きく変わってきた
次に、昔と今の結婚観の違いは、結婚式を見ても明らかです。
昔は、結婚式を挙げない夫婦はほとんどいませんでしたが、最近では籍は入れても結婚式は挙げない夫婦も増えてきています。
昔と今の結婚式の違いから、結婚観の変化を見ていきましょう。
昔の結婚式は華やかさ重視
昔の結婚式は会場の選択肢も今より少なく、ホテルや専門式場、公共会館など大体の場所が決まっていました。
また、花嫁衣裳も派手さや華やかさが重視され、お色直しの回数も何度も行われるのが一般的。
洋装のウエディングドレスに加えて和装も必須で、和装はビビッドカラーの赤や青、黄色など目立つ色が選ばれていました。
結婚式の流れも、昔は9割以上の人が仲人に紹介やエスコートをしてもらい、式のプログラムも決まった型通りに行われることがほとんどで、参列客と触れあう機会はほとんどありませんでした。
今の結婚式は自由度が高い
最近の結婚式は会場の選択肢も大幅に増え、通常の式場やホテルに加えゲストハウスやガーデンウエディングなど自由に決められるように変わりました。
花嫁衣裳も昔より多種多様になり、1つの式場でも数えきれないほどの様々な色やデザインのドレスから選ぶことができます。
また、現在の披露宴は昔と違い参列客との触れ合いを重視しており、家族や仲の良い友人と中座ができたり、まるでコンサート会場のような映像が流れたりと盛り上がりを見せる会場が多いです。
これらの結婚式の違いから、今は昔と比べて結婚式に対する自由度が大きく違うことが分かります。
結婚式を挙げるか・挙げないかの選択から始まり、どこで式を挙げるかやどんな衣装を着るか、どのような内容の式にするかまである程度決められていた昔とは違い、現在はすべて自分達の好きなように選べるようになっています。
以上から、今の人たちは昔よりも結婚自体を強制されて急ぐことが少なくなり、一人ひとりが思い描く「結婚」の形や結婚観は多様化しているのです。
3. おわりに
男女ともに晩婚化や結婚式の自由度が変化し、昔に比べて結婚に対する強制力が弱まった現在は、結婚観も多様性が広がっていることが分かりました。
結婚に縛られず様々な価値観が認められるようになったのは喜ばしいことのようにも思えますが、もちろん結婚をしたい考えている人も依然として多くいます。
自分の結婚観に合う人と出会えば、急速に距離を縮めていくこともできるでしょう。