12月に入りましたので、今週のお題は「サンタクロース」です。「クリスマスの話なんぞ聞きたくない!」「どうせシングルベルだし!」という叫び声も聞こえてきそうですが、まぁ落ち着いてください。クリスマスだのジングルベルの話ではなく、サンタクロースの話です。今日12月6日は、サンタクロースのモデルになった、聖ニコラオスの祝日なんですよ。
靴下にプレゼントを入れる理由
聖ニコラオスといえば、なんといっても「三姉妹伝説」が有名です。
~三姉妹伝説~
貧乏な家に生まれた三姉妹の長女が結婚することになりました。しかし貧乏すぎて持参金が準備できず、このままでは三姉妹で身売りしなければならない状況! これを知った聖ニコラオスは、金貨を布に包んで、煙突から投げ入れました。それがたまたま、暖炉で乾かしていた靴下の中にホールインワンしたことから、クリスマスの夜は靴下を用意する習慣が生まれたのです。尚、聖ニコラオスは、次女の結婚でも三女の結婚でも同じように金貨を贈ったとのこと。
……まさに聖人、いい話ですね。
「サンタモデルの祝日」=「姉の日」
12月6日が、三姉妹伝説で有名な聖ニコラオスの祝日であることから、今日は「姉の日」でもあります。というわけで今回は、「お姉ちゃん」として生まれた第一子の皆様に、四人きょうだいの長女である筆者から、僭越ながらメッセージをお届けしたいと存じます。
第一子長女にのしかかる「きょうだいで最初に結婚」のプレッシャー
三姉妹伝説でも、一番先に結婚をしたのは長女です。第一子長女が、20代後半~30代前半の、いわゆる「アラサー世代」に突入すると、ぼちぼち「きょうだいの中で、一番先に結婚しなければ!」というプレッシャーを感じ始めるのではないでしょうか? 特に、地方都市にお住まいのかたは、その傾向が強いでしょう。筆者自身、東北の田舎町出身ですから、そのへんはよくわかっているつもりです。
覚悟しておこう、親類ババアの「先を越されちゃったわね」発言!
私事で恐縮ですが、ちょうど10年前に妹が、姉である筆者よりも先に結婚しました。当時の筆者は28歳、妹は23歳でした。案の定(!?)、親戚のクソババア……もといオバサマに、「先を越されちゃったわね」と言われましたが、不思議と腹は立ちませんでした。
心からの祝福感情があれば、卑屈な気持ちにはならない
妹と筆者は、いまも昔も大の仲良しですから、そこにあったのはごくシンプルな「祝福の感情」であり、「先を越された」という卑屈な気持ちは、これは決して強がりではなく、一切なかったのです。
「結婚は第一子から順番に」は古い!?
もう一つ、母親の、「もっと遊んでから結婚って選択肢もアリだと思うけどね」という言葉が支えになったのかもしれませんけどね。こんなぶっ飛び発言をするのは筆者の母親くらいでしょうが、いまの時代の価値観で考えると、母親が言っていたことは、中らずと雖も遠からずではないかと。ひと昔前は、20代のうちにお嫁に行くのが当たり前の風潮でした。しかし現代は、30代以降の結婚のほうが、むしろ多いようにも見受けられます。同様に、「結婚は第一子から順番に」という固定概念も、消失しつつあると、筆者は考えます。
結婚は、人生の選択肢の一つ
今年は、8歳下の弟が結婚しました。今回は、10年前のように「先を越されちゃったわね」などと言われることはありませんでした。周囲が筆者に対して、「腫れ物に触るような扱い」をしていたわけではないですよ。そうではなく、筆者自身が、結婚していなくとも、自分の足で堂々と人生を歩んでいける自分になっていたからなのだと思います。結婚は、人生の選択肢の一つであり、何が何でも結婚したいわけではないという自分自身の価値観が、雰囲気として自然に伝わったのでしょう。
第一子長女として生まれた女性には、多かれ少なかれつきまとう、「きょうだいで最初に結婚しなければ!」のプレッシャー……。それを跳ね除けるには、「何が何でも結婚したい」という思考を緩めることで、だいぶ感覚が変わるはずですよ。
Photo by David Photo Studio