自意識過剰だと、つい細かいことまで気になってしまい、仕事や恋愛がうまくいかないという人は多いです。
でも、なぜ人は自意識過剰になってしまうのでしょうか?
本記事では自意識過剰になる原因や心理、克服方法などについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 自意識過剰の意味とは?
「自意識過剰」とは、人から自分がどう見られているのかを気にしすぎることです。
そのため、人目を気にしすぎて緊張したり、不安になったりして、仕事や恋愛で思わぬ失敗をしてしまうことも。
子どもの頃から「こうあるべき」と教え込まれる日本人には、こういう人がかなり多いのですよ。
なぜなら、人と違ってはいけないと強く認識させられることで、いろいろな場面で他人と自分との違いを嫌でも意識することになりますからね。
しかし、自意識過剰についてよく知り、克服する努力をすることで、気持ちを楽にすることはできます。
まずは自意識過剰な人の特徴から見ていきましょう。
2. 自意識過剰な人の特徴
自意識過剰な人には、次のような特徴があります。
このような問題は、より重症化する前に対策を取ることが非常に大事!
放置するとどんどんエスカレートしていく傾向があるので、思い当たることのある人は、自分の姿を客観的に見て、克服するための参考にしてみてください。
己の真の姿を知ることで、問題は今よりずっと解決しやすくなりますよ。
見た目を異常に気にする
自意識過剰な人は、人から変だと思われたくない、かっこいいと思われたいという気持ちが強いです。
そのため、そうじゃない人に比べて鏡を見る時間が長い!
それも自宅で身支度を整える時だけならまだしも、外出先でもショーウィンドウに映る自分を気にしたり、やたらと髪の乱れを気にしたりするので、一緒にいる人をうんざりさせてしまうことも多いでしょう。
デートしたことのある女の子には、「この人って超ナルシスト」と思われているかもしれません。
視線を感じると物事に集中できない
自意識過剰な人にとって、他人から「この人変」と思われるほど辛いことはありません。
そのため、日常のありとあらゆる場面で他人の視線を意識しており、見られているという不安感から物事に集中できず、失敗してしまうことが多いのですね。
たとえば、デートなら格好をつけすぎるあまりぎこちない態度になってしまうし、大事なプレゼンでは頭の中が真っ白になって自分でも何を言っているのか分からなくなるといった感じ。
こんなことがしょっちゅう起きるのですから、ぐったりと疲れ切ってしまいます。
自己アピールが大げさ
自意識過剰な人はとにかく良く思われたいという気持ちが強いので、会話の中にも自然と自慢話が多くなります。
また、「人目を気にしすぎて失敗する」という特徴とは矛盾するようですが、大勢の中で自分をアピールするため大きな声で話したり、周りをチラチラ気にしたりするという側面も。
会話の中に無理矢理割り込んで「僕の場合はね……」と持論を展開することもあり、人から煙たがられることが多いです。
人の意見や考え方を素直に認められない
自意識過剰な人は、他人の意見を素直に聞くのが苦手です。
そのため、会話のキャッチボールができず、一方的に自分のしたい話をするだけになってしまうことがしばしば。
みんなで何かを決めようとする時にも強引に自分の考えを押し通そうとするので、「協調性がない」と思われることが多いでしょう。
また、決して悪気はないのですが、他人に対して上から目線で接してしまう傾向があるため、「人の気持ちを考えない嫌な人」と敬遠されてしまうこともあります。
3. 自意識過剰になってしまう原因とは?
自意識過剰を克服するには、まず原因を正しく知ることが大切です。
「なぜだか分からないけど生きづらい」「どうすれば人とうまく付き合っていけるのかが分からない」と悩んでいる人は、この機会に自分の内面とじっくり向き合ってみましょう。
子どもの頃からのことをいろいろと思い出す中で、自分でも気づかなかった意外な原因に思い当たるかもしれませんよ。
親にありのままの自分を認めてもらえなかった
小さいころに親から「あんたは本当にダメな子ね」と詰られたり、よその子と比べられたりして育つと、「ありのままの自分には価値がないんだ」と思うようになります。
そのため自己肯定感が低く、自分で自分を認めることが苦手。
親や他人に気に入られるためには無理をしてでも理想の自分に近付かなくてはならないと頑張るので、それが結果的に自意識過剰な態度に映ってしまうのです。
好かれるための行動で逆に敬遠されてしまうのですから、どうしていいのか分からず本当に辛いですね。
他人から深く傷つけられた経験がある
他人から深く傷つけられた経験があると人を信じる力が弱くなり、「自分は好かれにくい人間だ。誰かと接するのも怖い」と思うようになります。
そのため、友達や同僚と一緒に何かをする時はもちろん、見ず知らずの他人と映画館などで同じ時を過ごすような時まで緊張し、「嫌われないようにしなきゃ」と気が抜けません。
しかし、このような態度は相手を全く信用していないのと同じ。
その気持ちが伝わり、居心地の悪い思いをさせてしまうので、自意識過剰な人は円満な人間関係を築きにくいのです。
成功体験が少ない
日本の学校では「みんなと同じ課題を同じレベルでこなすこと」が求められるため、そこからはみ出してしまう子どもは落ちこぼれ扱いされたり、問題児と認識されてしまったりします。
そのため、苦手なことの多い子どもは成功体験を積みにくく、「自分はダメな奴なんだ」と自信をなくしてしまうのです。
成長する過程で運よく自分の長所を認めてもらう体験ができると良いのですが、残念ながらそのまま大人になってしまうケースも少なくありません。
4. 自意識過剰になってしまう心理とは
原因が分かったところで、次に自意識過剰になってしまう心理について考えてみましょう。
なぜそこまで他人の目を意識してしまうのか。本当にありのままの自分ではダメなのか。
心の癖に気付くことで自分を縛っていたものから解放されることもあるので、やってしまいがちな行動やその時の気持ちなどについてじっくり考えてみてください。
自分自身の評価 < 他人からの評価になっている
ありのままの自分に自信がない自意識過剰な人にとって、重要視すべきなのはいつだって他人からの評価です。
そのため、何をするにも「本当にこれでいいのだろうか」と確信が持てないし、ちょっと他人からダメ出しされただけで自信を失ってしまう。
つまり、自意識過剰な人は、他人に流されるばかりで自分の人生を生きていないのですね。
やりたいことを我慢して他人に迎合することが多くなるので、ストレスは溜まる一方です。
理想の自分になることで人から認められたい
親や周りの人から「あなたはダメね」と言われることの多かった人は、常に自分を律し、理想の姿でいなければ存在するのを許されないと思っています。
そのため、見た目もいつだって完璧でなければいけないし、仕事でミスをして周りに迷惑をかけることなんかとても耐えられない。
女の子とデートをする時も、あらかじめ練っておいたプランに沿ってスマートにエスコートしなくてはならないと思い込んでいるので、イレギュラーなことが起きると余裕をなくしてイライラしてしまいます。
失敗するぐらいなら新しいことには挑戦しない
自意識過剰な人の心は、抱えきれない不安や緊張でいっぱい。
そのため、何か新しいことに挑戦して失敗し、軽蔑や嘲笑の的になるのが怖くて、つい安全な道を選んでしまおうとします。
堅実な人生と言えば聞こえはいいですが、限りある一度きりの人生なのにやりたいことをやらないのはもったいないですね。
また、無意識に「だって……」「でも……」という口癖が多くなるので、一緒にいる人まで暗い気持ちにし、イライラさせてしまうことも多いです。
被害妄想が強い
自意識過剰な人は常に自分への評価を気にしているので、周りでヒソヒソ話をしている人がいれば、自分の悪口を言っているのではないかと気になってしまいます。
他にも、誰かが褒められれば勝手に比べられたような気になって落ち込むし、ちょっとダメ出しされただけで人格まで否定されたかのように落ち着かなくなってしまう。
なんとも疲れる生き方ですが、自分でもどうしようもないことなのですね。
5. 自意識過剰が恋愛に及ぼす影響は
自意識過剰な男性はとにかく生きづらく、苦しい思いをしているのですが、恋愛においてもうまくいかない場面が多く出てきます。
たとえば、相手の女の子に尊敬されたいという気持ちが強すぎるために、自慢話や上から目線のダメ出しが多くなること。
本人は自尊心が満たされて気分が良いのですが、それに付き合わされる女の子は「またか」とうんざりしてしまい、いつの間にか距離を置かれてしまうことになりかねません。
他にも、自分の決めたデートプランにこだわる、ファッションを褒めないと機嫌が悪くなる、彼女以外の女の子の目を気にするなど、ふられやすい要素がいっぱい!
さらに、劣等感の強さから常に彼女の心変わりに怯えているので、行動をガチガチに縛って監視したり、思い込みで「浮気しただろう!」と怒り出したりして、辛い思いをさせてしまうことも多いのです。
このような調子では、どんなに愛し合っていた彼女もいずれ愛想を尽かすのは時間の問題。
付き合っている女の子や歴代の彼女からは「自分勝手で融通が利かない人」「ナルシスト」「浮気するなと怒るくせに自分は目移りが激しい人」などと思われていることでしょう。
6. 自意識過剰を克服するためにすべきこと
それでは、自意識過剰を克服し、仕事や恋愛で困らないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
最も大切なのは、最初からあきらめてしまわずに「必ず克服できる」と自分を信じること。
具体的な方法を紹介するので、できることからコツコツ頑張ってみてください!
意識を自分ではなく他人にフォーカスする
自意識過剰な人は、いつだって「自分がどう思われるか」ということに捉われすぎています。
しかし、自然体で振舞える人はその逆。
他人がどう行動するのかを見て、それに対して自分がどう思うかということに重点を置くので、同じように人と接するにもずいぶん気が楽なのです。
それに、相手の態度や表情をきちんと見ていれば自分がどう動くべきかもおのずと分かってくるので、対人関係において大きなトラブルが起きる心配もありません。
小さな成功体験を積み重ねる
自意識過剰な人は、ありのままの自分では愛されないという恐怖心から理想を高く設定してしまいがちです。
しかし、人間というのは本来未熟で間違いばかり犯す生き物。
いちいち理想と違うことに落ち込んだりイラ立っていたりしたら身が持たないので、ハードルを低くし、昨日の自分より少しでも成長できれば良いということにしてしまいましょう。
たとえば、「いつもは楽してエスカレーターばかり使ってしまうけど、今日は階段で移動してみた」など。
すぐに達成できる小さなことからコツコツ積み上げていくことが大事なのです。
人に嫌われない人間などいないことを知る
人間にはそれぞれ相性があるし、考え方もいろいろなので、どんなに優れた人でも全員に好かれるということはあり得ません。
しかし、自意識過剰な人は他人から嫌われることを恐れるあまり、理想的な人間になってみんなから好かれなくてはいけないといった強迫観念に捉われがち。
まずは、その考えが間違っていることを認めましょう。
もちろん、人に迷惑がかかるようなことをして開き直るのはいけませんが、生きていれば多少のことはお互い様。
ベストを尽くしてそれでも嫌われるなら仕方ないので、「10人いればそのうちの1人に好かれればラッキー」ぐらいに考えておきましょう。
起こった出来事を冷静に分析する癖をつける
自意識過剰な人は、自分の近くにいる人が他の人と目線を合わせてくすっと笑っただけで、「自分のことをバカにして笑っているに違いない」と思い込む傾向があります。
これでは常に気が抜けなくて苦しいし、勝手に誤解される周りの人も気の毒ですよね。
こうならないためには、起きた出来事を冷静に分析する癖をつけるのが一番です。
何かあった時にすぐ自分と結び付けて考えるのではなく、「なぜこの人は笑っているのだろう」と周りの状況をよく観察するようにしてみましょう。
劣等感を植え付ける相手との接触を減らす
世の中には、他人に劣等感を植え付けることで自尊心を満たそうとするずるい人間がたくさんいるものです。
たとえば、「あんたは本当にダメね」が口癖のようになっている親、見た目や持ち物をバカにすることで上に立とうとする同級生、トラブルが起きるたびに一方的に部下のせいにして怒鳴り散らす上司など。
このような人と付き合っているとますます自尊心が低くなり、自意識過剰の克服が難しくなってしまうので、状況が許す限り、できるだけ接触を減らすようにしましょう。
7. まとめ
自意識過剰な性格だと、日常生活のあらゆる場面で引っかかり、恥ずかしい思いをしたりイライラしたりすることが多くなります。
そのため、仕事や恋愛を頑張りたいと思っていても、感情のコントロールがうまくいかないために支障を来し、失敗してしまうことが少なくないでしょう。
この状況から抜け出すには、まず自分をよく知り、問題点をクリアにすることが大事。
本記事でも説明した、「自意識過剰な人の特徴、原因、心理」についてじっくり考え、なぜ自分はこうなのか、克服するためにはどうすれば良いのかを考えてみましょう。
今は辛いかもしれませんが、人は変わろうと思った瞬間から必ず良い方向へ動き出します。
1年後、2年後の明るい未来を信じて、できることから始めてみてくださいね!