人に興味が持てない理由は、幼少期または成長過程における辛い経験や人と関わらない気楽さ、自分本位な思考などです。
しかし社会で生きていく上で人に興味を持って関わることは必要です。生きづらさを少しでもなくすためにコミュニケーションを必要タスクとして認識しましょう。
1. 人に興味がない人とは
人と関わりたい、つながりたいという人間本来の欲求とは裏腹に、世の中には人に全く興味が持てない人も存在します。全くとまではいかなくても「私って人にあまり興味がないのかも」と思った経験がある人は案外多いものです。
「人に興味がない」ことは、人との関係を割り切っている、超マイペース、冷めている、素っ気ない、といった少しマイナスなイメージがあります。これは、社会で生きていく中で少し不利になる可能性があるでしょう。
人に興味がない人が増えている
対面で会わなくとも、SNSやオンラインなどで簡単にコミュニケーションをとることができる現代ですが、その一方で人に興味がない人も増えています。
生まれつきそのような性格だった人もいれば、コミュニケーション疲れやSNS疲れという言葉があるように、人と関わりを持つことに疲れてしまった人が一定数増えてしまっている可能性があります。
2. 人に興味が持てなくなる主な原因や心理状況7選
それでは、人に興味が持てなくなってしまう原因とはどこにあるのでしょうか。そうなってしまう理由や心理状況を探ってみましょう。
「私もそうかもしれない」と思い当たるのなら、原因を見つめ直すことで改善の糸口が見つかるでしょう。
1:単独行動が性に合っている
「1人で行動する方が楽」という人は意外に多いものです。一人だと他人に合わせて気を遣うことがなく、自分のペースで物事を進めることができます。
1人で過ごす快適さを覚えてしまうと、人と一緒にいることに不自由を感じ、ついつい友達と行動を共にすることを避けるようになります。寂しさよりも自分だけの心地よい空間で過ごすことを優先してしまうのです。
2:自分にしか興味がない
「そもそも、自分のことしか考えられない」という人も、人に興味が持てない傾向があります。自分を中心にして行動する人が当てはまります。
誰しも、自分を優先して考えるのは当たり前のことです。ただ、それと「自分にしか興味がない」ということは違います。相手が落ち込んでいる時でも、自分の話ばかりしてしまう人は注意が必要でしょう。
3:人間不信・トラウマに陥っている
過去に辛い出来事があって人を信じられなくなっているのも原因の一つです。例えば信頼していた人からの裏切りにあったり、いじめられたりした経験があると、人間不信に陥ってしまいます。
そのことがトラウマとなり「また拒絶されるのではないか」という不安から防御本能が働きます。そのため人と深く関わるのを避けてしまうのです。
4:人のうわさ話に興味が持てない
人に興味がないため、人のうわさ話や悪口にも関心がありません。誰が何をしてどう思おうと関係ないというスタンスでいるため、全く興味が湧かないのです。
むしろ、そういった話を聞かされる時間も惜しく感じて「面倒に巻き込まれたくないから関わりたくない」とさえ思ってしまいます。
5:人の話を聞くのが苦手である
人に興味がない人は、人の話を聞くのも苦手です。何を聞いても頭に入ってこず上の空ということもあります。
話に関心が持てないので、人の話を聞いていても「退屈だな」「無駄な時間だ」と考えてしまいます。逆に自分の話ばかりをしてしまい、友達に悪い印象を与える恐れがあるでしょう。
6:自分のことで精一杯である
他にやりたいこと、またはやるべきことがあって余裕がない場合もあります。人に興味がないというよりも、関わる暇がないのです。
仕事が忙しすぎたり、趣味に没頭したりすると、そのことにだけ時間を費やしたいと思うようになります。しかし人との関わりを自制している状態が続くと、やがて本当に人に興味が持てなくなってしまいます。
7:育った環境が影響している
中には生まれつき人に興味がない性格の人もいます。小さい頃から自分に興味を持ってもらえずに育った人は、自然に人に興味が持てなくなることがあります。
深刻なのは、幼いながらも一生懸命親にアピールしたのに拒絶されてしまった場合です。次第に自分の感情を押し殺して「どうせ期待しても無駄」という心理が働き、本能で人を避けるようになります。
3. 人に興味がないことで感じるデメリット5選
人に関心を持てなくなってしまう原因や心理状態について説明してきましたが、それでは人に興味がないことによって、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
人に無関心でいるとコミュニケーションが取りづらくなり、さまざまな弊害が起こる可能性があります。そうなってしまう前に、マイナス点について考えておくことは大切です。
1:他人から評価されにくい
自分が人に抱く感情は、そのまま相手も自分に対して感じているといわれています。つまり、人に興味がないのであれば、人も自分に興味がないのです。
関心を持たれていないと、他人から評価を得ることは簡単ではありません。人というのは、同じぐらいのレベルの人が2人いたとしても、どうしても印象の良い方を選ぶものです。当然、興味を持ってもらえない人という時点で不利になってしまいます。
2:誰かに頼られる喜びがない
人間は頼られることで、承認欲求が満たされ自己肯定感が高まるといわれています。何か悩み事を相談したい時や助けが必要な時に、人は信頼できる人を選びます。
つまり自分がその信頼できる人に選ばれることで承認欲求が満たされ、「自分は選ばれた」と感じて自己肯定感が高まります。
自己肯定感が高まると幸福を感じるほか、何か失敗した時にも自分を否定することなく、立ち直ることができる強い心が育めます。しかし人に興味がない人は、人の話に興味が持てません。そのため、人から頼られることは少なく、そのような経験を得ることができないのです。
3:疎外感が強まり人間らしさが失われる
喜びや悲しみなどの人間らしい感情は、人との深い関わりのなかで生まれます。ところが人に興味がない場合、相手の心に深く関わることがなく、感情の振れ幅が弱くなってしまいます。
怒りや悲しみといった感情をあまり感じなくなることはメリットにもなりますが、同時に喜びや楽しさといった感情も起こりにくくなります。その結果、次第に人間らしさが失われていきます。
4:苦しいときに頼れる人がいない
人に興味がないと、自分が苦しい時にまわりの人に助けてもらえない可能性があります。
自分に無関心な人とはだんだんと距離ができてしまうものです。気付いた時には周りに頼れる人が誰もいないということになりかねません。人に助けてもらうためには、普段から人間関係を育てることが大切です。
5:社会から取り残されていく
人に興味がないとさまざまなことに影響が及びますが、総じて「社会から取り残されていく」ことになります。
人と関わらずに一人で生きていくと、自分だけの世界で完結してしまいます。人からの情報や体験などが入ってこないので、自分の考えだけの狭い世界に閉じこもってしまうのです。
そのような状態になると、自分の知らない新しい思考や知識に触れる機会がなくなるでしょう。視野が狭くなってしまうのは、とても勿体ないことです。
4. 人に興味がない人の対処法5選
人に興味がないということは、コミュニケーションをとる上で大きなマイナス要素になります。仕事や結婚、子育てなど、何においても人との関わりは必要です。人は一人では生きていけないでしょう。
では、人に興味を持ってコミュニケーションを安定したコミュニケーションをとるためにはどのような対処法があるのでしょうか。はじめは少し努力が必要ですが、ちょっとした心がけで改善できる方法を5つご紹介します。
1:他人の立場を考えるよう心がける
まずは相手の立場に立って物事をとらえてみましょう。相手も自分と同じ人間です。「誰が何をしようと関係ない」という考えを捨てて、「彼(彼女)はなぜこう考えるのだろう」と考えてみましょう。
相手側に立って考えることで、自分と相手との間の壁が取り払われます。そうすることで、だんだんと相手の気持ちを想像することができるようになります。やがて人との距離も縮まり、他者への興味が湧いてくるでしょう。
2:笑顔で人に声をかけることを習慣にする
人は笑顔を向けられると安心や安らぎを感じて、相手に対して好印象を持ちやすくなります。
笑顔で接することができたら、次は声をかけてみましょう。頑張って会話を続かせようとせず、まずは軽く言葉を交わしてみます。天気や仕事の話など当たりさわりのない話題を選ぶとよいでしょう。そのうち会話が続くようになり、徐々に相手への関心が生まれます。
3:会話の際は聞き役に徹してみる
聞き上手な人は相手に好印象を与えます。人と話をするのが苦手な人、逆に自分の話ばかりしてしまう人は、聞き役に徹するのも一つの方法です。
話を聞く時はしっかりと相手に向き合いましょう。目を見て会話するのも大切です。もう少し聞いてみたいことがあれば質問するとよいでしょう。
一生懸命に耳を傾けていると、相手も心を開きやすくなります。しっかりと相手の言葉を自分の中に受け入れることが人への関心につながっていきます。
4:他人の仕事や没頭していることに興味を持ってみる
会話をする際、一歩踏み込んで相手の仕事や夢中になっていること興味を持ってみましょう。仕事や趣味の話題であれば質問を投げかけやすく、聞かれた側も話がしやすいでしょう。
自分と同じような分野の仕事や趣味がある人なら、共感もできて話も盛り上がります。全く共通点がない場合も、新たな世界に興味を持つきっかけになるでしょう。
5:コミュニケーションに対する意識を変える
人に興味がない人の多くは、他者と関わったり会話をしたりすることを必要ないと考えています。今は便利な世の中なので、「一人でも大丈夫」と考えがちです。
しかし、人と関わりを持たないことは、生きづらさにつながる可能性があります。「生きていくうえで、コミュニケーションは必要なタスクなんだ」と認識することが大切です。
5. 人に興味がない心理やデメリットを理解して対処法を実践しよう
人に深く関わらない生き方は、周りに振り回されずに自分の軸をしっかりと保つことができるというメリットがあります。その一方で、社会で必要とされるミュニケーションをとることが難しくなってしまうというデメリットもあります。
それらを理解して対処法を実践してみましょう。ある程度の距離を保ちつつ、少しずつ人の存在に関心を向けてみるとよいでしょう。人と関わることで自分の成長につながります。